旭化成株式会社様
らくらく操作で簡単電子ファイリング
eカルテ棚@透析は、透析記録やカルテ・検査結果・看護記録・紹介状など、透析医療施設内で大量に発生する紙文書を電子化することで、カンタンに一元管理することを可能にしたリッチインターネットアプリケーションです。 マウスだけで操作が行えるように、また、初めての利用者の方にも次にどの操作をすれば良いか直ぐ分かるようにナビゲーションが工夫されています。
クラスメソッドは、Flashを用いたユーザーインターフェースの開発、電子ファイリング業務に特化したUIコンポーネントの開発、XMLベースによるサーバーサイドアプリケーションとの連携を担当しました。また、デジタル複合機やバーコードプリンターなどと組み合わせて動作するUIコンポーネントの開発も行ないました。
背景・目的
簡単操作で医療関係書類を電子化
2005年のe-文書法施行に伴い、これまで紙での保存が義務付けられていた医療関係書類(カルテ、処方せん)などの電子保存が認められるようになりました。また、紙の文書をスキャナで読み取った画像データやPDFなども一定の要件を満たせば原本として認められています。
透析医療の現場では毎日大量の紙の文書が蓄積されていきます。例えば透析記録用紙を紙保管している場合、40床のクリニックなら年間約25,000枚、100床のクリニックなら年間約62,000枚発生します。この膨大な量の紙の文書をデジタル複合機から読み込むことによって、電子化した紙の保管・管理・過去文書の検索にかかるコストを大幅に軽減することができます。
プロジェクト参画の背景
ビジュアルデザインの実装ノウハウを提供
クラスメソッドは、プロジェクトが立ち上がった後のプロトタイプ開発に途中から参加しました。当時、ユーザーインターフェースのビジュアルデザイン面でのプロトタイプ開発が終わり、その後どのように実装をすればよいかという相談を受けたのがきっかけです。
パワーポイントのユーザーインターフェース仕様書とビジュアルデザインをもとに、Flashで実現できることの切り分けと、UIコンポーネントの部品化を行ないました。さらに、CMMIレベル4の開発に対応するため、RUP(ラショナル統一プロセス)ベースのアーキテクチャー設計を行い、Flashのユーザーインターフェースでありながら、サーバーサイドJavaのようなエンタープライズシステムに近い設計及び実装を実現しました。
従来、Flashを用いたシステムでは、Flashオーサリングツールでタイムライン内にスクリプトを記述することが一般的ですが、この手法では、ビジュアル部分とビジネスロジック部分が密結合になり、単体テストをすることが難しいです。そこで、今回の開発では、ビジュアル部分とビジネスロジック部分を完全に疎結合にするために、スクリプト部分はオブジェクト指向であるActionScript2.0を用い、ビジュアル部分には一切スクリプトを書かない設計にしました。これにより、ビジュアル部分とビジネスロジック部分の担当者が並行して開発を進めることができ、単体テスト時のバグ発見時にも早急に対応することができたため、開発コストの削減をすることができました。
成果
本格的業務アプリケーションでFlash活用の可能性を証明
当初のスケジュールどおり、Flashを使った本格的な業務アプリケーションを開発することができ、2006年6月の製品リリースまで至っています。業務システム開発で用いられる統一プロセスを用いてFlashの開発ができたことは、Flash技術がアニメーションやビジュアル面だけでなく、業務システムにも十分活用できることの証明になったと思います。
そして、プロジェクトに関わったメンバーが透析医療に対して正しい知識を得ることができたことが最大の成果だと思っています。
クラスメソッドからのメッセージ
機能追加やUI変更に強いシステムを実現
Flashを用いたリッチインターネットアプリケーション開発は、通信速度の高速化、クライアントPCのハイスペック化に伴い、より導入が進むと思われます。
しかし、エンターテイメント系コンテンツ開発の延長線上に捉えてしまいがちで、そのまま開発を進めてしまうと、規模が大きくなるにつれてソースコードの可読性が落ち、テストが困難になり、職人技に依存した属人的なシステムになってしまいます。
クラスメソッドでは、一貫して業務システム開発に特化したリッチインターネットアプリケーション構築を主業務として、法律やビジネスモデルの変化に即時対応できように、機能の追加・修正、システムの保守・メンテナンスなど、システムのライフサイクルを考えたシステム開発を行なっています。
eカルテ棚@透析の実装アーキテクチャーやUIコンポーネントは、どのエンジニアが担当しても理解がしやすいようにドキュメントの整備がされており、機能の追加やUIの変更に強いシステムです。今後の別業務への横展開も容易になっており、旭化成様の市場競争力強化のお手伝いに繋がればと期待しております。


