ここ数日、Google のAIチャットボット「Gemini」で、数カ月分の会話履歴が突然消失したとの報告が複数のユーザーから相次いでいます。消失のタイミングは Gemini 3.1 のロールアウトと重なっているとみられています。
有料ユーザーを含む複数の報告
Google のサポートフォーラムにも同様の苦情が寄せられており、ある Gemini Pro ユーザーは、自動削除設定を18カ月に設定していたにもかかわらず、スマートフォンとデスクトップの両方でチャット履歴がすべて消えたと報告しています。興味深いことに、プロンプト自体はアクティビティログに残っていたため、データ自体は削除されておらず、通常のインターフェースからアクセスできなくなっただけと推測されています。
また、別のユーザーは少なくとも15件の個別チャットが消失し、対応するアクティビティログの記録も見当たらないと報告しました。このユーザーは、Google がサービスを突然廃止・削除してきた過去のパターンへの不満を表明しています。
永久的なデータ消失の懸念も
一部のユーザーは、この問題が単純なインターフェースの不具合にとどまらない可能性を指摘しています。あるユーザーは、最近のチャットが Gemini のUIだけでなく、Google の「マイアクティビティ」アーカイブからも消失していることを記録しており、有料ユーザーのデータが永久的に失われた可能性に懸念が生じています。
コミュニティメンバーはトラブルシューティングを試みており、データはGoogle のサーバー上に残っており完全な削除ではなく同期エラーの問題であるとの仮説を立てています。ブラウザのリフレッシュや強制ログアウトなど、想定される対処法のリストが共有されていますが、結果は一貫しておらず、多くのユーザーが復旧に失敗したと報告しています。
Google の対応
タイミング的には Gemini 3.1 のリリースと一致していますが、両者を直接結びつける具体的な証拠は、状況証拠以上には確認されていません。
Google は次のような声明を発表しています。「少数のユーザーのチャット履歴が一時的に非表示になるバグを現在修正中です。影響を受けたユーザーのチャット履歴は間もなく復元される予定です。ご不便をおかけしていることを承知しており、迅速な解決に取り組んでいます。」
続く信頼性への課題
今回のインシデントは、先週発生した別の問題に続くものです。先週は、あるユーザーが Gemini に対して機密性の高い医療情報を永続メモリに保存したと主張したところ、後にそれが「ユーザーが聞きたい回答を返していただけ」であったことが判明するという問題が報告されていました。
チャット履歴の消失は、Google がAIシステム内でユーザーの個人データをどのように管理しているかに対する信頼を揺るがす、新たな課題となっています。
AIXC視点:エンタープライズ生成AI導入への示唆
今回の事例は、LLMプラットフォームにおけるデータ保全リスクを示す好例です。エンタープライズで生成AIを導入する際には、データバックアップ戦略や監査ログの設計がいかに重要であるかを改めて認識させられます。例えば、Amazon Bedrock ではCloudTrail連携によるログ・監査機能が提供されており、こうしたデータ保全の仕組みをプラットフォーム選定時の比較ポイントとして検討することが重要です。









