LINEミニアプリを活用した「デジタル会員証」の開発支援
想定していたKPIを大きく上回る仮会員獲得に成功

株式会社ストライプインターナショナル

マーケティング部 マーケティングコミュニケーションチーム マネージャー和田 真結子様
ITシステム部 EC基盤チーム スペシャリスト 貝瀬 潤様
株式会社ストライプインターナショナル
公開日:2024年5月9日
BEFORE
  • ネイティブアプリ経由の会員獲得に苦慮
  • アプリ会員を促す業務で店舗オペレーション負荷が増加
AFTER
  • 当初想定していたKPIを大きく上回る仮会員を獲得
  • LINEのMAツールを導入し、会員に対してクーポンやブランド情報などを配信

ストライプインターナショナルは「earth music&ecology」、「AMERICAN HOLIC」、「Green Parks」など複数のブランドを展開するアパレルメーカーです。全国に構える各ブランドショップだけでなく、公式ECサイト「STRIPE CLUB」での販売も積極的に展開しています。

近年盛り上がりをみせる洋服のサブスクリプションサービスにもいち早くから着手しており、人気ブランドの新作アイテムの定額借り放題サービス「MECHAKARI」は2015年から提供しています。

そうして同社では、このほどデジタル会員証を目的とするLINEミニアプリを開発しました。本プロジェクトに際して、クラスメソッドではミニアプリのデザイン設計から開発まで一貫して支援しました。

株式会社ストライプインターナショナルの貝瀬さんと和田さんに、LINEミニアプリを開発した背景やクラスメソッドの支援内容、今後の展望についてお話を伺いました。

ネイティブアプリの会員獲得に苦戦

ストライプインターナショナルでは、2023年2月に社長が交代したのを機に、マーケティング強化やOMO(※)の推進に注力しています。そうした中、ネイティブアプリ「ストライプクラブ」の会員登録数が伸び悩んでいるという課題がありました。

※ Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインを融合させた顧客体験を提供するマーケティング手法

「店舗に会員登録を促すリーフレットを設置しているのですが、レジ前でアプリをダウンロードして必要事項を複数登録する必要があり、登録完了するまでに時間がかかってしまっていました。そのため、お客様は面倒に感じたり、後ろに行列ができてしまって他のお客様に配慮して登録をやめてしまいます。せっかく登録を検討していただいても、機会損失につながっていたケースが多くありました」(貝瀬さん)

株式会社ストライプインターナショナル そこで、ネイティブアプリよりも簡単で、かつ早く会員登録ができる方法はないかと考え、LINEミニアプリによるデジタル会員証の開発を決意しました。

「店舗内でネイティブアプリのダウンロード、会員登録を行うのは正直、ハードルが高かったと感じます。そこで、ライトに顧客とつながれて会員データを蓄積できるような環境を作りたいと考えました」(和田さん)

そして、同社ではLINEミニアプリの開発経験がなかったこともあり、技術支援をクラスメソッドに打診しました。数あるベンダーの中でクラスメソッドを選んだ理由について、和田さんは以下のように話します。

「AWS関連でクラスメソッドとはすでに取引があったのですが、決め手になったのは同業他社の支援事例があったことです。同じ業界での支援実績があったので、店舗や現場からも納得感が得られると考えました」(和田さん)

「マッハチーム」のスピード感、無駄のない進め方に満足感

プロジェクトは2023年7月から開発を始め、11月にはLINEミニアプリをリリースしています。このスピード感で開発を進められた秘密は、クラスメソッドの支援体制にあります。

クラスメソッドには、プロダクト開発の立ち上げ専門チーム「マッハチーム」があります。マッハチームはスピード感を重視しており、いかに早く「プロダクトが実際に手元で操作できる状態」まで作り上げられるかにフォーカスしています。

実機で検証ができてフィードバックしやすい環境を素早く作り上げれば、機能追加や仕様変更を、早い段階でプロジェクトへフィードバックできます。本プロジェクトにおいても早い段階から実機検証ができたことで、お気に入りショップを選択する機能や、クーポンをLINE上でなく外部ブラウザに表示する、といった仕様の必要性にも素早く気づけました。

当初からの変更はいくつかありましたが、早い段階でフィードバックを反映することで、スケジュールを守ってクロージングまで進めることができました。さらに、週2回の定例ミーティングを通じて、進捗や課題感を細かく共有できた点もプロジェクトの進行に役立っています。

今回の技術支援に対して、貝瀬さんは以下のように振り返ります。

「LINEミニアプリの開発中、私たちだけだと解消できない技術的な課題がいくつか発生し、その都度クラスメソッドの協力を仰ぎました。また、非常に無駄のない進行で、ストレスなく開発を進められました。開発からローンチまで全体にわたってスピード感があり、非常に満足しています」(貝瀬さん)

想定を6倍上回る会員を獲得。店舗オペレーション負荷をかけずに会員数増

今回、開発したLINEミニアプリは、スマホのカメラでQRコードを読み込むとミニアプリが立ち上がり、すぐに仮会員証のバーコードが表示される仕組みです。ネイティブアプリの登録時に発生した煩わしさを取り除き、シンプルで手続きしやすい形にしています。

この時に注意したのが、ネイティブアプリとのトンマナの整合性です。ネイティブアプリと大きく異なると、ユーザーが戸惑ってしまうでしょう。しかし、店舗スタッフがネイティブアプリとミニアプリの区別がつかないと、オペレーションコストが高くなってしまいます。そうした点に注意し、店舗スタッフが違いを視認しやすいデザインになっています。

その結果、LINEミニアプリをローンチした2023年11月~2024年1月の3カ月間で、予想を6倍以上上回る仮会員を獲得できました。ネイティブアプリと比べ、立ち上げた後にすぐにポイントが貯まる点も評価されたようです。

「会員獲得の増加につながったことは素直に嬉しいですし、LINEミニアプリは短時間で来店客に登録案内ができるので、店舗のオペレーション負荷も低減できています。

ミニアプリをきっかけに、LINE公式アカウントとお友達になってくれます。こうしたお客様とは、一般的なLINEアカウントよりも低いブロック率で、継続的なコミュニケーションができています」(和田さん)

また、同社はLINEミニアプリのローンチに際して、各店舗での会員登録数が分かるようにQRコードを店舗単位で切り分ける工夫もしています。

「それぞれの店舗毎にQRコードを作りました。その結果、店舗にあるQRコードを読み込んで会員登録するだけで、運営側はどの店舗で何人の会員が登録されたのか、一目で分かる仕組みになっています」(貝瀬さん)

「週次で店舗毎のLINEミニアプリの会員数を確認しています。登録数が成果として表れるので、SV(スーパーバイザー)も会員の登録数が一目で分かり、マネジメント指導がしやすくなったと聞いています」(和田さん)

MAツールを駆使して、有意義な情報チャネルに昇華させたい

同社は、今後もLINEミニアプリを主軸とした会員獲得経路に注力していきます。現在はLINEのMAツールを導入し、会員に対して各店舗やブランドに関連したクーポン配信などを始めました。MAツールを駆使しながら、有意義な情報チャネルとなるように顧客育成を継続していく考えです。

株式会社ストライプインターナショナル
今後の展望について和田さん、貝瀬さんは以下のように話します。

「2月から新たな期が始まるので、1月まで運用した中で感じた現場の課題感や経営層の期待感などを取りまとめ、解決に向けて動き出していく予定です。LINEミニアプリの機能拡充などにも興味はありますが、まだ把握できていない点が多いので、クラスメソッドには情報提供も含め、引き続き関係を継続していきたいです」(和田さん)

「現状はレジで購入する際にLINEミニアプリを登録してくれる方が多いのですが、レジに来ない人に対しても何か施策ができないかと構想しています。購入まで行かなくても、頻繁に店舗へ足を運んでくださる方もいます。そうした方に向けて、将来的にLINEを活用した施策を実行できればいいですね。

クラスメソッドとはLINEの新機能などの情報提供はもちろん、今回のプロジェクトで支援に対する安心感が生まれました。そのため、ほかのプロジェクトでも協力してもらえる機会があれば嬉しいです」(貝瀬さん)

クラスメソッドは、今後もストライプインターナショナル様のLINEミニアプリ関連、ビジネス発展に支援を継続してまいります。

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