多種多様な蓄積データを集約するデータ分析基盤
創立100年に実現するDX改革の基礎を構築

株式会社ブルボン

デジタル推進部 部長代理  泉哲也様
デジタル推進部 DX推進課  小林駿様
株式会社ブルボン
公開日:2024年2月6日
BEFORE
  • 過去の膨大な各種データを取り込んで分析したい
  • データ形式がファイルごとに異なり分析に苦戦
  • システム構築に伴走してくれる技術パートナーがほしい
AFTER
  • データ変換処理の自動化を達成
  • データ蓄積方法のコツなど社員の技術理解が向上
  • 社内データ分析基盤が整いデータ駆動型企業へと前進

ルマンド、アルフォート、フェットチーネグミなど数えきれないほどの人気商品を製造する株式会社ブルボン。今年2024年11月に創立100年を迎えます。

1923年の関東大震災によって首都圏の菓子工場が多数被災し、全国でお菓子の供給が途絶えた窮状から「地方にお菓子の量産工場を」と決意したのが創業のきっかけとなり、同社は翌年から新潟・柏崎でのビスケット製造から事業を開始。以降、世代を超えて愛されるお菓子づくりを続け、1995年の阪神淡路大震災のときには、発災当日に生産を開始したミネラルウォーターを救援物資として送るなど、お菓子に限らず広く社会に貢献し続けています。

そして近年、同社が熱心に取り組むのがデジタル技術活用です。メタバースなど新しいチャネルを通じて体験の提供を行うこともあれば、蓄積された膨大なデータを分析して“次の一手”を模索するなど、様々な側面で新しい可能性を探っています。

今回はブルボンのデータ利活用を推進するデジタル推進部の泉さん、小林さんに、SnowflakeおよびクラスメソッドのCSアナリティクス(以下CSA)を導入し、データの統合・可視化に取り組んでいる状況と今後の構想についてお話を伺います。

データはレイアウトや定義がばらばら

ブルボンのデータ活用は歴史が長く、20年ほど前から独自開発を続けてきた営業系システムがあります。そのシステム開発にながらく携わっている泉さんは

株式会社ブルボン 「今では結構使いやすいものになっています。ただし実績や結果を見るのはいいものの、データ分析から次のアクションを起こせるまでにはなっていないため、そこをなんとかシステム化できないかと考えていました」

と言います。情報システム部門だけでなく営業や物流業務メンバーなど多種多様なニーズに応えるべく、これまでは泉さん自身で実績の可視化などに対応してきました。しかし、それらを活用して新しい事業機会を創出するヒントを得られるような予測、分析につなげるには技術的な課題がありました。

データの項目をそろえ、各項目の意味と定義を見直すことは容易ではありません。山積するデータを前に、泉さんは「私たちは“揺らぎをなくす”と言いますが、各ソースの違いを吸収し、使いやすい形に整形する作業が結構大変でした」と説明します。しかし膨大な実績データと気温や各種サードパーティーデータとの相関を見つけて季節商品の検討に活かすなど、データ活用によって享受できる恩恵は明白です。

CSAでデータを整備してデータ分析基盤Snowflakeへ

当初はブルボン独自で模索が続きました。同社では長年、自社システムをスクラッチから開発するなど開発力があります。技術情報収集にとても熱心で、クラスメソッドの技術メディア「DevelopersIO」にたどり着くことも多かったそうです。2022年秋にクラスメソッドが主催するウェビナーに泉さんが参加したことがきっかけで、データ統合でブルボンはクラスメソッドとコンタクトをとるようになりました。

クラスメソッドからはSnowflakeとCSAを使用する形で提案を行いました。ブルボンがデータのCSVファイルをAmazon S3へとアップロードし、データをCSAで整備してから分析基盤となるSnowflakeに蓄積します。そしてブルボンではネイティブにMLが統合されたAmazon QuickSightをBIとして用いてデータ分析を行うという形です。

株式会社ブルボン
最終的にブルボンがクラスメソッドの提案を採用した理由について、泉さんは「私どものポリシーとして丸投げは絶対にしたくないです。だから伴走できるパートナーが第一優先でした。過去に私たちがAWSを使い始めたころ、別件で支援していただいたことがあり、安心して任せられると思いました」と言います。

加えて泉さんは「あとはやはりCSAというプロダクトの存在です。他社の提案だと、どうしてもスクラッチ開発の要素が強く、また、先々の運用においてもスキルが必要とされていました」と期待を寄せていました。

導入半年あまりでデータ処理の自動化がほぼ完了

実際にCSAを使う段階に入ると、泉さんが「こういうステップで処理したい」という構想をドキュメントで提出し、クラスメソッドが具体的な実現手法をアドバイスするような形で進めました。例えば、データの集計時やエラーが発生した場合などの対処方法についてクラスメソッドがいくつかの案を説明し、実際にどう処理するかはブルボン側で決めていくというように進めていきました。

株式会社ブルボン ブルボンでCSAを主に運用している小林さんからは「要件にあわせてサンプルプログラムを用意してもらい、これを拡張したり追加したりすることで様々なデータ処理に応用できました。工数をかけずに対応できてよかったです」とサンプルプログラムを高く評価しています。ほかにも「CSAにあるタスクスケジュールのオンオフ機能が便利だと思いました。データ取得時のRPAやAPIでエラーが起きたときに、ボタン1つで処理を止められるのでとても助かります」というご感想もいただいています。

CSAの導入から半年程度で、統合化を検討していた全データの約9割の自動化をスピーディに実現でき、泉さんは「社内メンバーのスキルが右肩上がりに向上し、内製での開発力が大きく高まった」と喜んでいます。

こうして着々とデータ統合が進むなか、営業部門がよりデータを扱えるように勉強会も開催しているそうです。泉さんは「やはり彼らの目線で色々なデータ分析ができるようサポートし、いずれは各事業部門でデータを積極的に活用できる環境の整備を推進していきたいので」とのこと。

まだSnowflakeとCSAを導入して半年あまりですが、泉さんは「今の取り組みはゴールではなく、始まりです」と強調します。ブルボンでは経営情報基盤に次世代ERPとなるSAP S/4HANAの採用も決まりました。今後さらにデータ活用の成熟度を高めていける体制や環境が整ってきています。
株式会社ブルボン
「データは真実を知らしめる力があるので、全社員がデータと対話できて、新しいアイデアや付加価値が生まれるようなプラットフォームを作っていきたいです。これから創立100年を迎え、ますますデータを駆使してデータ駆動型の企業へと進んでいこうと思います」(泉さん)

「おいしさ、思いやり、いつもいっしょに。」を合言葉に、よりたくさんの人々が満足するような商品づくりと提供を続けるブルボン。長い歴史の中で蓄積されたデータを新しい機会を創造するヒントにつなげられるよう、クラスメソッドは分析基盤をはじめ技術支援を続けてまいります。

この事例はCSアナリティクスをご利用いただいています

クラスメソッドはAWS、GCP、SnowflakeなどクラウドDWHを活用して最短1ヶ月で導入可能なデータ統合サービス「CSアナリティクス」を提供しています。社内のデータを活用したいお客様はぜひご相談ください。

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