グループ共通データ基盤の構築とITインフラのクラウドシフトをスタート

福岡地所株式会社

DX推進部 栗原光平 様、 西久保有佑 様
福岡地所株式会社
公開日:2023年9月07日
BEFORE
  • AWSに関するスキルを持った人員が不足し、クラウドシフトが進まない
  • グループ間のデータがサイロ化し、データ活用が進まない
  • データ基盤の基礎となる「社内マスタ管理システム」のAWS上への構築が必須
AFTER
  • クラスメソッドの技術支援によりAWSの活用・運用の第一歩を踏み出した
  • グループ共通データ基盤をAWS上に構築し、データドリブン経営の実現へ
  • 高品質な「社内マスタ管理システム」を2カ月で開発

「福岡をおもしろく」という想いで、地域に根ざした都市開発を手がける福岡地所株式会社。不動産DXの推進に向けて、アマゾンウェブサービス(AWS)へのシステム移行と、グループ共通データ基盤の構築に取り組む同社は、自社のクラウド要員不足を補うためにクラスメソッドに技術支援を要請。第1弾として「社内マスタ管理システム」をAWS上に構築するプロジェクトを2カ月間で実施し、AWSの活用と運用に向けた第一歩を踏み出しました。クラスメソッドの技術支援サービスの活用について、DX推進部の栗原さんと西久保さんのお2人にうかがいました。

データドリブン経営の実現に向けてグループ共通データ基盤の構築へ

福岡を拠点に都市開発やオフィスビル、商業施設、マンション、ホテル、物流施設などの開発に取り組む福岡地所は、これまで「キャナルシティ博多」など九州を代表する施設の企画・開発を手がけてきました。近年は、福岡市が展開する大規模な再開発「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」 に参画。天神ビッグバンの規制緩和第1号ビルとなる「天神ビジネスセンター」の建設では、事業主としてプロジェクトを牽引して2021年9月末に竣工させました。現在は、(仮称)天神ビジネスセンター2期計画として、天神ビジネスセンターの南側に新たなビルを建設するプロジェクトなどに取り組んでいます。

数々の大型案件を手がける同社は、2023年6月に従来のITシステム部の名称をDX推進部に改め、福岡地所グループ全体でDXに取り組む意思を明確化しました。一方でDXの基盤となるITインフラ環境はオンプレミスが中心であり、クラウドへの移行が急務と考えていました。こうした中で同社が利用しているデータセンターの閉鎖が見込まれたことから、本格的なクラウドシフトを決断しました。

「ここ数年間でMicrosoft 365の導入や業務システムのSaaS化など、一部でクラウド化を進めてきました。そして、このタイミングでクラウド化を加速し、ビジネススピードの最大化に貢献することを決めました」(西久保さん)

クラウド移行のもうひとつの狙いは、データドリブン経営の実現です。福岡地所グループでは、商業施設の運営管理を行う会社やホテルの運営を行う会社、施設の管理や運営メンテナンスを手がける会社などのグループ企業が連携しながら業務を行っています。しかし、データ形式は各社で独立しており、グループ間でデータを交換する際も自社に合う形で加工する必要がありました。

「データがサイロ化し、グループ会社がそれぞれ個別に管理する形では、グループ全体として素早い意思決定ができません。そこでデータの整流化に向けて、クラウド上にグループ共通のデータ基盤構築を決めました」(栗原さん)

クラスメソッドの数々の実績に期待して技術支援を要請

最優先事項としてグループ共通データ基盤の構築に着手した同社は、すでにAmazon S3を利用していたことから、AWSをITインフラに活用することを決め、Amazon S3やデータウェアハウスのAmazon Redshiftなどによるデータ蓄積・分析基盤の実現を目指しました。ところが、同社にはAWSの環境構築や運用に関する経験とスキルを持つ人員が不足し、自力のみでの構築ではスピード感が出せない状態でした。

「Amazon S3ではバケット構成や格納ルール、命名規則、作業プロセス、アクセス権限、格納データの公開方法などさまざまな知識が必要です。社内にはそうした経験を持った人材が足りず、現場や経営層が求める事業スピードを実現させるのが難しい状況でした」(栗原さん)

こうした中で2022年9月にAWSソリューションアーキテクトの資格を持つ西久保さんが福岡地所に入社。新たな戦力の補強により、グループ共通データ基盤のプロジェクトが動きはじめました。さらに栗原さんが別の業務でクラスメソッドの存在を知り、早速コンタクトを取ります。その後、クラスメソッドと面談してグループ共通データ基盤やクラウド移行に関する課題を共有する中で、技術支援の要請を決めました。

「偶然の出会いでしたが、これまでのクラスメソッドの数々の実績に期待して、技術支援をお願いすることにしました」(栗原さん)

「社内マスタ管理システム」を2カ月で構築

福岡地所株式会社 グループ共通データ基盤の構築に向けて、福岡地所とクラスメソッドが最初に着手したのが「社内マスタ管理システム」の構築です。社内マスタ管理システムは、グループ共通データ基盤の中で重要な役割を担うシステムであり、現在同社が別プロジェクトでAWS上に開発を進めている全社基幹システムの「稟議ワークフロー」や、データ・処理の流れを整流化する取り組みにおいても重要なシステムです。

「社内マスタは、グループ全体でデータを共通管理するために欠かせません。稟議ワークフローにおいても、決裁のタイミングでさまざまな業務システムとの連携を実現するため、安定性と可用性が求められます。失敗が許されず、品質の高いシステムが求められている中、クラスメソッドには急遽開発支援をお願いしました」(栗原さん)

社内マスタ管理システムの構築プロジェクトは、2023年3月から4月までの2カ月間で実施しました。アーキテクチャはAmazon EC2とAmazon RDSによるシンプルな構成ですが、サーバーレスのAWS LambdaとフルマネージドサービスのAmazon API Gatewayを活用して外部とのAPI連携を実現しています。APIの実行に関してIPアドレスでアクセス制御し、セキュリティを確保しながら外部サービスからAWS上の社内マスタを利用できます。

「要件はシンプルでしたが、ワークフローシステムのカットオーバーの時期が迫っており、早急に開発を進める必要がありました。時間短縮を図るために、こちらから要件を伝える際も私が作った構成図をもとに話をし、それをベースにクラスメソッドのSEさんに修正をいただく形でやり取りの回数を抑えました。結果として、実質1カ月程度で品質の高いシステムができ、非常に助かりました。クラスメソッドのサポートがなければ間に合っていなかったでしょうし、不具合なく安定稼働させるのも難しかったと思います」(西久保さん)

プロジェクトはMicrosoft Teamsでコミュニケーションを取りながら進めました。福岡地所は福岡、クラスメソッドは東京と物理的な距離がありつつもツールやWeb会議システムを活用し、不便さを感じずにスムーズに連携できました。

「オンラインの会議には、クラスメソッドのSEさんだけでなくて営業さんや、AWSジャパンの営業さんにも参加いただきました。速やかに情報共有ができ、双方から有益な情報が提供されました。プロジェクト中はベストプラクティスやお手本、他社事例を示してもらったことで、自信を持ってAWSの構築・運用に取り組めました」(西久保さん)

「CSアナリティクス」の活用も視野にグループ共通データ基盤の構築をスタート

「社内マスタ管理システム」のリリースを終えた現在は、グループ共通データ基盤の構築に着手しています。グループ共通データ基盤の構築では、データ収集から統合まで、データ分析に必要な流れをクラスメソッドが一括で提供するデータ分析基盤サービス「CSアナリティクス」の活用も視野に入れながら要件定義や設計を進め、2023年冬ごろのリリースを計画しています。

「現在はAmazon S3のパケット構成や権限管理の設計を進めている段階です。これから業務部門やグループ会社からデータ活用計画を集め、それがまとまり次第、データ加工や可視化環境の構築に着手する予定です。グループ共通データ基盤で扱うデータ量は、かなりのボリュームになるため、データ抽出や加工の領域で開発を効率化するためにCSアナリティクスの活用も想定しながら設計を進めています」(西久保さん)

グループの業務システムのクラウド移行については、オンプレミスに残すシステムとクラウドに移行するシステムの仕分けを行いながら、移行計画の検討を進めています。

プロパゲート社と連携しクラウド人材の獲得へ

クラウド活用や内製開発を推進するうえで、同社の新たな課題となっているのがクラウド人材の獲得です。現在はクラスメソッドのグループ会社で人材教育サービスやフリーランスエンジニアのマッチングサービスを手がけるプロパゲートとの連携を検討しています。

福岡地所株式会社
「プロパゲート社と協力し、クラスメソッド主催のエンジニア向けイベントで当社の実績や技術をアピールしたり、フリーランスエンジニアを紹介していただいたりしながら、エンジニアリングリソースを確保し、内製開発を前進させていきたいと思います」(西久保さん)

クラスメソッドとの出会いにより、AWSの活用・運用の第一歩を踏み出した福岡地所。今後もハイレベルな技術支援の提供に期待を寄せています。

「短期間で成功事例となる社内マスタ管理システムを構築できたことは喜ばしいですが、ようやくスタートラインに立ったばかりです。これからクラスメソッドに相談する内容はより広く、より深くなっていきます。スピード感を持ってクラウド化を進めていきますので、引き続きの支援をお願いします」(栗原さん)

クラスメソッドは福岡のまちづくりに取り組む福岡地所の不動産DXに貢献すべく、サポートを続けてまいります。

お客様のご要望にこたえるユースケースや支援方法をご提案します。
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