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エレベーターの保守サービスで安価かつスピーディーにIoT活用を提案

フジテック株式会社様

IT部門も徹底する現場・現物主義

エレベーター / エスカレーターのメーカーであるフジテックは、1948年に創業し、開発・研究や製造だけでなく、設置や保守メンテナンス、リニューアルにいたるまで、昇降機のライフサイクル全体を支援するサービスを提供。同社の製品は、駅・公共施設、商業施設などに採用され、国内でもトップクラスのシェアを誇っています。1964年には香港、1968年には韓国など、アジア・欧米への展開も早く、高いシェアを獲得しており、売上高の海外比率は約60%と高い水準を保っています。

同社は、一貫した専業体制を敷き、培ってきた技術と経験を基に、建屋の仕様に合わせた製品や素材の選定、設置方法や調整まで、きめ細やかなサービスを提供できるのが強みです。導入後の保守メンテナンスも、安全な輸送を提供するためには重要なものとして全国に120を超えるメンテナンス拠点を構えています。

「一般的な製造業とは異なり、業務システムもパッケージでまかなえない部分が多々あります。ほとんどのITシステムは、1からスクラッチで構築しています。私たち情報システム部も、他の部門と同様に、現場・現物を非常に重視しています。必ず現場に足を運び、導入や保守などの担当者と同じ目線で物事を考え、必要なITを検討しています」と、情報システム部 主事 小庵寺良剛様は説明します。

昇降機の保守サービスをIoTで高度化したい

フジテックでは、早くから“クラウドファースト”をIT戦略として取り込み、システムのクラウド化を推進してきました。プラットフォームとしてAmazon Web Services(AWS)を採用し、現在190ほどのインスタンスを稼働させています。

同社のIT戦略は、“モバイルファースト”でもあるという点です。フィールドサービスを充実させている同社では、昇降機の点検・運用を行うスタッフが利用するスマートフォンアプリを自社開発し、勤怠管理や交通費精算、業務支援などのサービスを提供しています。

そして近年、最もホットな取り組みがIoTです。製造業やフィールドサービスの分野では、IoTへの取り組みがさかんに行われており、フジテックも同様に積極的な活用を目指して研究開発を続けています。もともとエレベーターは、古くからM2Mの仕組みが導入され、機器の稼動ログから情報を取得し、保守運用サービスに役立てているベンダーが多数います。フジテックでも有償オプションとして、昇降機に専用の機器を取り付けて、細やかな監視サービスを提供しています。

「一般の昇降機にトラブルが発生したときには、現地に運用スタッフが到着し、現物をチェックして初めて状況を確認できます。場合によっては、修理のための部品や工具が不足していることもあり、何度か往復しなければならない可能性もあります。業務の効率化を図り、サービス品質を向上するために、IoTを活用したいと考えています」(小庵寺様)

昇降機にIoTデバイスを設置して低コストに多様な情報を収集・分析。それらを業務に生かすというイノベーティブな取り組みを支えたのが、AWSのプラットフォームとクラスメソッドの技術力です。

IoTテンプレートの活用で最初の一歩を踏み出す

イノベーションは、さまざまな企業が積極的に取り組んでいる流行ですが、最初の一歩を踏み出せずに終わる組織も少なくありません。IoTでは、センサーから情報を収集・分析するまでのシステムをそろえるのに費用がかかってしまう点が懸念されます。

まず同社は、プラットフォームとしてAWSを選択しました。IoT / データ分析のための機能がそろっていて、柔軟な構成が可能でスモールスタートできるというメリットがあるというのがその理由です。また、参考になるナレッジが充実しているという利点も大きかったそうです。

そして第2のポイントは、クラスメソッドの「IoTテンプレート」を活用した点です。

「クラスメソッドのIoTテンプレートを活用し、多数のセンサーから大量のデータを収集、分析する基盤を構築したという事例を見て、私たちのニーズにマッチすると考えました。1から仕組みを作り上げるよりも容易で、スピーディーなシステム構築が期待できました」(小庵寺様)

はじめにフジテックは、自社オフィス内のエレベーターに温度や湿度などの周辺環境の情報を収集するセンサーを取り付け、市販のIoTゲートウェイを介してAWS側にデータを収集する実験システムを構築しました。

イノベーションは、さまざまな企業が積極的に取り組んでいる流行ですが、最初の一歩を踏み出せずに終わる組織も少なくありません。IoTでは、センサーから情報を収集・分析するまでのシステムをそろえるのに費用がかかってしまう点が懸念されます。

まず同社は、プラットフォームとしてAWSを選択しました。IoT / データ分析のための機能がそろっていて、柔軟な構成が可能でスモールスタートできるというメリットがあるというのがその理由です。また、参考になるナレッジが充実しているという利点も大きかったそうです。

そして第2のポイントは、クラスメソッドの「IoTテンプレート」を活用した点です。

「クラスメソッドのIoTテンプレートを活用し、多数のセンサーから大量のデータを収集、分析する基盤を構築したという事例を見て、私たちのニーズにマッチすると考えました。1から仕組みを作り上げるよりも容易で、スピーディーなシステム構築が期待できました」(小庵寺様)

はじめにフジテックは、自社オフィス内のエレベーターに温度や湿度などの周辺環境の情報を収集するセンサーを取り付け、市販のIoTゲートウェイを介してAWS側にデータを収集する実験システムを構築しました。

最初の一歩が次の一歩につながる

最初の実験システムで得られたデータをグラフ化することで、現場のスタッフもIoTの力を理解し、強い関心を示したそうです。小庵寺様は、環境データが将来的な運用保守サービスの品質に貢献できると考えていたが、現場のニーズはより現実的でした。

エレベーターの安定稼働に重要な電圧の状態を正確に把握するためには、メモリハイコーダーと呼ばれる観測装置を1、2週間ほど取り付け、稼働中のデータを収集する必要がありますが、基本的に通信機能は持っていないため、回収したのちにデータを分析して、初めて状況を把握できる状態になるそうです。これに対し、現場のニーズは「データをリアルタイムに収集し、分析したい」というものでした。リモートから状況を確認できれば、情報収集のための待ち時間を減らし、迅速なトラブル対応が期待できるためです。

この相談を受けたクラスメソッドは、フラッシュメモリに記録されたデータをWi-Fi経由で送受信する「FlashAir」を活用した仕組みを提案。FlashAirは汎用性が高く、システムもシンプルだったので、小庵寺様の考えにマッチしました。

IoTのさらなる活用で顧客満足度の向上を目指す

フジテックでは、現在もIoTを活用した情報収集・分析の仕組みを開発中です。イノベーティブなサービスや本格的な事業への活用には、まだ時間がかかるかもしれません。しかし小庵寺様は、AWSとクラスメソッドのサービスを活用したことで、安価かつスピーディーに“はじめの一歩”を踏み出せたことが「非常に重要」だと指摘しています。

「今回のシステムによって、これまでできていなかった環境情報の取得が可能だということが実証できました。クラスメソッドの提案は的確で、特にFlashAirを活用したシステムは、さまざまな用途に活用できると考えています」(小庵寺様)

小庵寺様は、IoTデータをベースにトラブルの予知・予測を行うシステムを構築し、プロアクティブなメンテナンスサービスを提供できるようになると期待しています。さらに、海外に提供している昇降機にもIoTを採り入れることで、エンジニアを派遣しにくい現場でも遠隔監視が実現できるとも考えているそうです。フジテックのビジネスは、IoT技術の発展と共に、よりよく高度なものへと成長していくことでしょう。

インタビューご協力

フジテック株式会社 情報システム部 主事
小庵寺良剛様

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