自治体向けビジネスチャットをAWSに移行
Terraformでのコード化でインフラ構築の再現性を確保

シフトプラス株式会社

自治体プラットフォーム部 杉谷良 様
自治体プラットフォーム部 菊池祥平 様
自治体プラットフォーム部 辻孝一郎 様
シフトプラス株式会社さまのメインビジュアル
公開日:2023年3月29日
  • ユーザーの増加に応じたスケーリングやスペックアップが難しい
  • サービスを追加するのにも複雑な工程が必要
  • システムのメンテナンスに負荷がかかる
  • コンテナによるサーバーレスアーキテクチャでスケーラブルなアプリケーションを実現
  • インフラのコード化(IaC)で再現性を強化
  • マネージドサービスや各種ツールの活用により、エンジニアの運用負荷を軽減

ふるさと納税管理システム「LedgHOME(レジホーム)」を中心に、自治体の業務を支援するサービスやソリューションを提供するシフトプラス。多様な働き方の観点から、自治体においても働き方改革が推進される中、同社は2021年1月に行政独自の閉域網であるLGWANに対応した自治体用ビジネスチャット「LGTalk(エルジートーク)」をリリースしました。

2022年8月にはLGTalkのプラットフォームをオンプレミス環境からAWSへ移行。技術支援パートナーにクラスメソッドを採用し、クラウドネイティブなアーキクチャに再構築しました。合わせてインフラの構成をソースコードとして管理できるツールTerraformを使って、インフラ構築を自動化しています。AWSへの移行や、インフラのコード化の経緯について、自治体プラットフォーム部の杉谷さん、菊池さん、辻さんの3名にうかがいました。

オンプレミス環境で稼働する自治体向けビジネスチャットをAWSへ移行

2006年設立のシフトプラスは、ふるさと納税に関するシステム提供・業務委託・コンサルティングを主業務としています。ふるさと納税管理システム「LedgHOME」は、2022年11月時点で420以上の自治体に導入しており、日本全体の寄附金総額の約48%を管理。業界トップクラスの寄附金扱い額となっています。

2019年にビジネスチャットツールを自治体の業務効率化に役立てて欲しいという思いから「LGTalk」をリリースし、2020年より自治体に提供を開始しました。セキュリティの高い自治体専用のネットワークであるLGWANに対応しているのが特徴です。インターネット接続も可能なため、災害時や庁外への出張時、外部の事業者とのやり取りでも利用できます。2022年12月時点ですでに約190の自治体が採用しています。

サービス開始当初はホスティングサービスのオンプレミス環境で運用してきたため、ユーザーの増加に合わせて柔軟にスケーリングしたり、スペックアップしたりすることができないといった課題を抱えていました。サービスを追加するのにも複雑な工程が必要で、複数のサーバーに同時にデプロイするといったこともできません。そこで同社は、ホスティングサービスからAWSへの移行を決断し、プロジェクトを立ち上げました。

「朝方にアクセスが集中するなど、時間帯でリソースの使用量が大きく変わります。これらに柔軟に対応するならクラウドサービスでオートスケーリングを実現するのがベストです。その中で、私自身が過去に利用経験のあったAWSに決めました」(菊池さん)

デプロイの自動化に向けて、当初からTerraformを使ったインフラのコード化(Infrastructure as Code(IaC))も検討しました。

「IaC化によって再現性を高めて、開発効率の向上と、属人化の解消を図ることが狙いです。構成管理ツールについては、すでに開発経験のあったTerraformを利用することにしました」(菊池さん)

LGWANの厳格なセキュリティ基準に準じて、セキュアなネットワークを構築

LGTalkのAWS移行に向けて、同社は技術支援パートナーにクラスメソッドを採用しました。決め手になったのは、技術力に対する信頼感です。

「最上位のAWSプレミアティアサービスパートナーとしての実績はもちろんのこと、エンジニアである私としては、技術メディアの『DevelopersIO』を日常的に愛読して参考にしていることから、技術力の高さは理解しており、クラスメソッドに任せれば間違いないといった確信がありました」(菊池さん)

移行プロジェクトは2022年2月にスタートし、同年8月に終了しました。アプリケーションの動作環境にはDockerコンテナを採用し、Amazon ECS、AWS Fargateを採用してサーバーレスなアーキテクチャを構成しています。LGWANとAWSの間は、LGWANの厳格なセキュリティ基準に準じて完全に分離し、Amazon VPC、AWS Direct Connect、VPCエンドポイントなどを介してインターネットを通らない形でセキュアに接続しています。

オンプレミス環境からAWSへの移行については、データセンターのストレージで保管している大量のファイルを、オンラインデータ転送サービスのAWS DataSyncを活用して転送。データベースの本番データは、システムを約2時間停止して移行しました。

「当初、データベースはNoSQLサーバーのMongoDBを利用していました。インフラ管理・運用面などの課題からMongoDB互換のAmazon DocumentDBに移行を検討する際、注意点を丁寧にご教示いただいたおかげでスムーズに移行ができました」(辻さん)

Terraformによるインフラのコード化もクラスメソッドが全面的に支援しました。

「構築後のことを考慮した上でコードを書いていただいているので、安心してお任せできました。現在、コード自体がインフラ設計書やドキュメントの役割を果たしていて、コードを見れば逆算してインフラ構成が理解できるので非常に助かっています」(菊池さん)

デプロイの自動化により約20分かかっていた機能追加が数分で終了

AWSへの移行により、アクセス数に応じて自動でスケールするインフラが実現し、アクセスピーク時でもパフォーマンスが低下することなく、安定したサービスを提供することが可能になりました。AWS上のリソースとアプリケーションは、サーバー監視サービスのAmazon CloudWatchでモニタリングし、何らかの不具合があれば即座に対処することができます。

TerraformによるIaC化で、インフラ構築の再現性が大きく向上し、同様のアプリケーションを複数デプロイする際でも、同一の基盤を用意でき、バグが発生するリスクを排除することが可能になりました。さらに、リソースを変更する際も、Terraformで変更事項が確認できるため、安心してリソース変更を実行することができます。

「コード化でインフラ構築の自動化も実現し、短時間に新たな機能を追加してデプロイすることが可能になりました。gitのリポジトリにファイルを追加して、ボタンを押すだけで自動的にコードの内容が反映されます。これまで機能追加で約20分かかっていたものが、現在はコマンドを実行するだけで済むため数分で終了します」(辻さん)

LGTalkの機能を継続的強化しながら、サービスのさらなる拡大へ

今後は、LGTalkの機能を継続的強化しながら、サービスを採用する自治体の数を拡大していく予定です。さらに、AWSの定額割引サービスのリザーブドインスタンスやSavings Plansの適用も視野に、コストの最適化を図っていく方針です。クラスメソッドに対しては、技術的なアドバイスから、AWSを活用するための提案まで、さらなる支援に期待を寄せています。

「AWSを利用する機会は今後も増えていくのでご協力をいただけたらと思います。急務となっているAWS人材の育成に向けたAWSトレーニングのご提案、DevelopersIOのコンテンツの充実も期待しています。」(杉谷さん)

自治体向けに新たなサービスの提供を日々続けているシフトプラス。クラスメソッドは引き続き、同社のサービス開発を支えてまいります。

お客様のご要望にこたえるユースケースや支援方法をご提案します。
まずはクラスメソッドへお気軽にご相談ください。

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