Amazon EC2をメリット&ユースケースから理解する

AWSの主要サービスの1つである「Amazon EC2」は、簡単に言うと、AWS上で仮想サーバーを構築するためのサービスであり、AWSを利用する際に、最初に検討するサービスの1つでもあります。本コラムでは、Amazon EC2の基本とあわせて、メリット、ユースケースを詳しく解説します。

Amazon EC2とは

Amazon EC2は「Amazon Elastic Computing Cloud」の略で、“コンピューティング環境”を提供するサービスです。つまり、AWS上で仮想サーバーを構築するためのサービスであり、AWS利用の“基本”と言えるでしょう。CPUやメモリなどのスペックを柔軟に選べ、Linux、Windowsなどの仮想サーバー環境をわずか数分で作成できることが特長です。

インスタンスとは

Amazon EC2を利用する際に基本用語として覚えておきたいのが「インスタンス」です。Amazon EC2はあくまでも仮想サーバーを構築するための「サービス」で、Amazon EC2で作成された仮想サーバは「EC2インスタンス」と呼ばれます。
また、Amazon EC2では様々な種類の「インスタンスタイプ」が用意されています。汎用的なものからGPUを搭載した高速コンピューティングに対応するものまであり、それぞれ搭載するCPU(GPU)やメモリなど幅広いスペックが提供されています。適切なインスタンスタイプを選んでインスタンスを作成することで、要件にあった仮想サーバー環境を実現できます。

Amazon EC2 5つのメリット

<メリット 1>スペック変更の自由度が高い

Amazon EC2では、1度EC2インスタンスを作成した後もインスタンスタイプを変更することが可能です。オンプレミスでは、ハードウェアを購入してしまうとCPUやメモリなどを増設するにはかなりの手間がかかりますし、「ここまでのスペックは不要だった」と分かっても、スペックを落とすことはできません。
Amazon EC2ならば、最小限のスペックでスタートし、状況にあわせて徐々に拡張することも簡単にできます。また、キャンペーンなどによるトラフィック増加に備えて一時的にスペックを追加し、終了後は元に戻すといったことも可能です。

<メリット 2>選べる料金体系

Amazon EC2には大きく3つの料金体系が用意されています。まず基本となるのが、従量課金で利用する「オンデマンドインスタンス」で、OS、リージョン(東京や大阪のような地域など)、インスタンスタイプ(スペックなど)に応じて1秒あたりまたは1時間あたりの“単価”が設定されており、利用した時間に応じて料金が決まります。
このほか、事前に利用するリソースを“予約(リザーブ)”することで、最大72%の大幅な割引が適用される「リザーブドインスタンス」、AWSクラウド内で空いているAmazon EC2用のキャパシティを利用することで最大90%もの割引価格で利用できる「スポットインスタンス」があります。リザーブドインスタンスは予約した期間内でのキャンセルができない、スポットインスタンスはキャパシティに空きがなければ利用できない、また利用可能なキャパシティがなくなった時点で利用が中断(インスタンスが終了・停止・休止)されてしまうなどの制約がありますが、要件にマッチすれば、コストを大きく下げることができます。

リザーブドインスタンスについて詳しく知りたい方は下記コラムをご覧ください。

<メリット 3>冗長化が容易

オンプレミスで冗長化をおこなう場合、遠隔地にデータセンターなどを用意し、サーバーなどのハードウェアもすべてそろえなければならず、コスト・運用の観点からハードルが高いと言わざるを得ません。
AWSでは、世界中に多くの「リージョン」が用意されており、各リージョンは複数のアベイラビリティゾーン(AZ)で構成されています。AZはそれぞれほかのAZから数km以上離れた場所にある独立したデータセンター群のことで、サーバーを複数のAZに配置する「マルチAZ」により、簡単に冗長化を実現できます。
さらに、複数リージョンを利用する「マルチリージョン」では、より離れた場所での冗長化も、管理画面から簡単に構成できます。日本国内では東京と大阪にリージョンが展開されているため、東日本・西日本でのDR構成も可能です。

<メリット 4>移行の難易度が低い

オンプレミスのシステムをAWSに移行する方法はいくつかあります。より“クラウドネイティブ”な方法としてサーバーレスやマネージドサービスも注目されていますが、これらの方法ではシステムの大規模な改修が必要になるケースも多く、運用も全面的に見直す必要があります。
一方、Amazon EC2では、従来のアプリケーションをそのまま移行するケースで採用されます。システム構成や運用も大きく変わることはなく、難易度はかなり低く抑えられると言えるでしょう。

<メリット 5>学びなおしのコストが低い

移行の容易さにも通じますが、Amazon EC2はオンプレミスのサーバーと同様に利用できるため、AWS特有の要件などが少なく、学習コストを抑えられます。
例えば、データベースではマネージドサービスの「Amazon RDS」が用意されていますが、Amazon RDSならではの制約事項などがあります。そのため、Amazon RDSでできること・できないことなどを事前に学習し、自社のシステムの対応可否を検討しなければなりません。Amazon EC2上にデータベースを構築すればこういった学習コストがかからず、オンプレミスと同様の環境を構築できるのです。

Amazon EC2ユースケース

<ケース 1>ハードウェアの使用期限が迫っていて、短期間でクラウド移行したい

AWS導入を検討する理由として、オンプレミス環境のハードウェアの保守切れ・老朽化は多く挙げられます。「利用期限が迫っていて、すぐに移行しなければならない」というケースでは特に、短期間で移行可能なAmazon EC2の利用が有効です。

<ケース 2>アプリケーションやミドルウェアの制限でマネージドサービスが使えない

AWSのマネージドサービスは、ミドルウェアやアプリケーションなども含めて提供されるため、運用負荷を大きく軽減できることがメリットです。しかし、設定可能な内容などに制約があることから、アプリケーションやミドルウェアの要件にマッチせず利用できない、というケースも多く見られます。
Amazon EC2であれば、OSから上のレイヤーは自由に利用できるため、これらの制約を気にする必要はありません。例えば、Active Directoryやファイルサーバーも、それぞれAWSがマネージドサービスを提供していますが、これらでは要件が合わず、Amazon EC2を利用して自社に合った環境をイチから構築する企業も少なくありません。

<ケース 3>移行時のPoC・社内検証環境として活用する

はじめてAWS移行を検討する際に、「AWSで既存システムがきちんと動くのか」を懸念する企業は少なくありません。まずはPoCや社内検証で動作を確認することからスタートですが、ファーストステップとしては簡単に環境を作成でき、移行のハードルが低いAmazon EC2の利用をお勧めします。
もちろん、マネージドサービスなどを活用することで、さらに運用負荷を軽減できる可能性もあるため、まずはAmazon EC2で検証・移行してから、時間をかけてマネージドサービスに移行することを検討してもよいでしょう。

Amazon EC2はAWS利用のファーストステップとしてお勧め

AWSの基本サービスの1つであるAmazon EC2は、必要なサーバー環境を自由に構築できることが特長です。OSより上のレイヤーを自由に利用できること、またスペックや料金プランなども柔軟に選べることから、無断のない環境を実現できます。なにより、物理的なサーバーの管理・メンテナンスから解放される点は大きなメリットと言えるでしょう。オンプレミスから移行するハードルも低く、AWS利用のファーストステップとしてお勧めです。
多くの企業のAWS移行を支援してきたクラスメソッドでは、そのノウハウと高い技術力で、企業のAWS移行をサポート。Amazon EC2への接続方法など基本をまとめたドキュメントや、活用するためのTips集なども提供しています。また、特にニーズの多いWebサーバーについては、Amazon EC2をベースに必要な環境・設定をまとめた「AWSシンプル構築パッケージ」もご用意しました。。セキュリティや運用まで考慮した基本的な環境を手軽に構築できるため、「まずは小さい環境からAWSを使ってみたい」「はじめてのAWSで、どこからスタートすればよいのか悩ましい」というケースにも最適です。

AWSシンプル構築パッケージサービス資料

AWSシンプル構築パッケージは安価・短納期でAWS環境一式をご提供するサービスです。AWS環境だけでなく利用後の運用やセキュリティ設定も含めてご提案します。

もくじ

  • シンプル構築パッケージ3つの特徴
  • シンプル構築パッケージ全体図
  • アプリケーションの動作に必要なAWSリソース
  • サービスの運用に関するAWSの設定群
など

公開日:2023年1月16日

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