LINE活用One to Oneマーケティング
開発・運用コストを抑えたデジタル顧客接点作り

東急株式会社

経営企画室 マーケティング・IT推進グループ
マーケティング担当課長補佐 井上隆二様、マーケティング担当 石井俊光様

公開日:2020年8月20日

 東横線、田園都市線を始めとした鉄道事業を基盤として、大規模な渋谷の再開発事業、南町田グランベリーパークなどのまちづくりや、東急ストアや東急百貨店などの生活インフラ・リテールの充実を進めてきた東急グループ。200社以上の法人から構成される東急グループでは、交通事業、不動産事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業を主な事業分野としています。

 東急グループ全体に向けてマーケティング支援施策を行う、東急株式会社の経営企画室マーケティング・IT推進グループが主導し、株式会社東急ストアの協力のもと、2020年4月に東急ストアLINE公式アカウントにてLINE LIFFアプリがリリースされました。経営企画室 マーケティング・IT推進グループ マーケティング担当課長補佐の井上隆二様と、同マーケティング担当の石井俊光様に、LIFFアプリ開発と、そしてリリース後の導入効果とLINEユーザーID連携による展望まで、詳しいお話を伺いました。

LINE LIFFアプリによる運用コスト低減へ

 東急株式会社では、2019年夏頃からデジタルの顧客接点を活用したOne To Oneマーケティング推進を検討していました。同じ頃、同グループの東急ストアでは、同店舗の会員向けに提供してきたスマホアプリをリニューアルして、顧客向けサービスの強化を考えていたそうです。
そこで、東急ストアのアプリリニューアルを手がかりとしたOne to Oneマーケティングの計画が立てられることとなりました。

 顧客とのデジタル接点作りを考える際に、現在もっとも有力なものはスマホアプリです。
しかし、ネイティブアプリとしての提供を行おうとすると、まず開発・運用の工数が課題となります。iOS、Androidそれぞれの環境に合わせた開発が必要となるほか、OSのアップデートにも継続して対応していく必要があるのです。
さらに、顧客にはアプリをダウンロードしてもらう手間があり、その後も使い続けてもらう必要がありました。

 ネイティブアプリが抱えるこれらの課題について検討するうち、LINEのプラットフォームを利用するLINE LIFFアプリであれば、かなりの部分を解決できそうだということがわかったそうです。
LIFFアプリとして開発する場合、ログイン管理を始めとした機能開発や、運用が始まってからのOSバージョンアップ対応などはLINEアプリ側で行われます。そのため、LIFFアプリの開発・運用者側ではサービス部分の構築に注力できるため、スケジュールやコストもネイティブアプリの開発に比べるとライトに進めることができます。
アプリ利用者の側から見ても、LINE上から使うことができるLIFFアプリであれば、アプリダウンロードの手間がないメリットがあります。

 また、LINEのユーザーには、LINEのユーザーIDが割り当てられています。LIFFアプリでは、このユーザーIDによってお客様を識別してサービス提供を行うことができます。このLINEのユーザーIDと、同社グループで発行しているTOKYU POINT番号などを紐づけることで、お客様によりきめ細かいサービスを提供することが可能になると考えられました。

 これは当初検討していたOne to Oneマーケティングを推進するためにも理想的な特徴でした。
TOKYU POINT番号とLINEのユーザーID連携を行う機能について、APIとして開発を行えば、将来的に東急ストアだけでなくグループ各社のサービスにも同機能を横展開することができるようになります。従来、グループ内の事業各社が独自にマーケティングプランを立てて開発・運用してきたアプリやWebサイトに、TOKYU POINT番号に基づく共通施策の横串を通すことができるようになるのです。

 これらの利点をふまえ、LINE LIFFアプリとしての開発を行うことが決定されました。

ほぼ全工程をオンラインでスピーディに開発

「LIFFアプリ開発とID連携のプロジェクトにあたって複数のベンダーを検討するなかで、2020年1月にLINEからクラスメソッドを紹介していただきました。実はクラスメソッドの技術ブログ『Developers.IO』はよく読んでいて、社名も知っていたんです。技術力の高さについては期待できると思いました。」(石井さん)

 当初は本アプリのためにサーバーを用意して構築する予定でしたが、最終的にはAWSを活用したサーバーレス構成で構築することを決めました。
 小売という業種分野の特性上、クーポンを発行したりイベントを立ち上げたりした時など、瞬間的にアクセスがスパイクすることがあります。オンプレミスサーバーの構成で安定した運用を行うためには、想定されるスパイクのピークに合わせてリソースを確保する構成にせざるを得ません。クラウドサービスを利用したサーバーレス構成であれば、必要なタイミングで必要なだけサーバーリソースを利用することが可能です。
 実際に今回のアプリリリース時も、告知を打ったタイミングで一時アクセスが集中しましたが、特に問題なくサービス提供し続けることが出来ました。

「クラスメソッドさんがAWSを得意とされてきた実績は、本当に大きいなと今回思いました。提案いただいたサーバーレスアーキテクチャは、システム構成図を見ても『今まで見たことないぞ』という図になっていて、我々としても新鮮な技術にワクワクできましたし、勉強になった部分が非常に多くありました」(井上さん)

 プロジェクトチームとは1月に顔合わせをした直後から、新型コロナウイルス感染症が拡大傾向にあったため、出社にも制限がかかるようになってしまいました。そのため、本開発プロジェクトのほぼすべての工程はオンライン会議やSlack、Backlogでのやりとりのみで行われました。

 また、本プロジェクトにおいて同社とクラスメソッドは、アジャイルな開発プロセスに共同で取り組みました。クラスメソッドからは早い段階で具体的なイメージを提示させていただき、東急様からのフィードバックをいただいて修正するというプロセスを繰り返し、約2ヶ月の開発期間を走り切りました。

「ほぼオンラインでの開発となりましたが、クラスメソッドさんのプロジェクトマネージャーの方に、すごくレスポンス早く対応いただいたことで、チームとしてうまく動けたんじゃないかなと社内でも話しています。LIFFアプリのような新しいユーザー向けサービスは動きが早いので、どんどん確認してどんどん手を入れていかないといけないですよね。弊社としてはウォーターフォール型の開発が多い中、価値ある経験をさせていただきました。」(石井さん)

シンプルなUIがもたらした、期待を超えるTOKYU POINT連携率

 本アプリは約2ヶ月という短期間で開発されました。2020年4月のリリース前には東急ストアのレビュー会にてまずはお披露目となりましたが、ここでかなりの好反応をいただくことができました。「LINEで、ここまでできるのですね」という言葉も出てきた程だったそうです。今回グループ内においてトップバッターで導入する東急ストアからの期待も大変大きいなかでのリリースとなりましたが、その期待に応え、サービスを支えるアプリになったと評価いただいています。

「東急ストアは幅広い年齢層にご利用いただいていて、お客様がお持ちのスマホ機種も様々ですが、LINEアプリ上での操作は共通です。お客様に説明するためにチラシやポスター、リーフレットなどを作ったり、サービスセンターやコールセンターのFAQを作成するなど、フォローの部分を丁寧にやることで現場ではスムーズに利用が進みました。ちょうどリリース時がコロナ禍による外出自粛期間と重なってしまいましたが、たった2ヶ月で予想を超える登録数となっていて、驚くと共に、嬉しい思いです」(井上さん)

「従来のネイティブアプリと比べて手軽であったことによる連携率の高さだと思います。企画段階で、画面遷移やお客様の入力項目を極力減らし、シンプルにしたいと考えていましたが、クラスメソッドさんには本当にその通りに実現していただきました。そういうところも効いてるんじゃないかなと、手応えを感じています」(石井さん)

 導入当初、2ヶ月間かけて達成するつもりで掲げたLINEの東急公式アカウントの友だち数の目標は、わずか1ヶ月で達成できてしまったと言います。もちろん、その後も順調に数を伸ばし続けているそうです。

 さらに、友だち数の増加とともに、TOKYU POINT番号との連携を行ってくださるお客様も順調に増えているそうです。公式アカウントの友だちになるだけでなく、東急カード情報をお客様情報として登録してくださるお客様は約半数にも上っており、将来的のサービス提供への活用が見込まれます。

沿線の方々に心地よく長く暮らしてもらうため、利便性を追求

 今回のLIFFアプリ開発により、TOKYU POINT番号とLINEのユーザーIDの紐付けを行う仕組みも同時に構築することができた同社。今後はこの仕組みを利用することで、グループ各社が公式アカウントを開設してLIFFアプリを構築した際には、東急グループ内でお客様情報を共有することが可能になります。
よりきめ細かくお客様へのサービス・サポート提供ができるようになることで、お客様の好みや属性に応じたOne to Oneマーケティングのアプローチ手段としても期待が高まっているとのこと。グループ各社から「LINEでこんなことをやりたい」という相談が、多く持ち込まれているそうです。

 クラスメソッドが運営するレジレス店舗「Developers.IO CAFE」でのモバイルオーダーやウォークスルー購入体験も、新しい取り組みへのヒントを提供できたようです。

「グループ内でも、ウォークスルー体験を作れたら面白いよね!と盛り上がっていました。技術力に加えて、そういう面白いこともできそうだというのがクラスメソッドにプロジェクトを依頼したポイントでもあります。今後もますますクラスメソッドさんと新しい面白い取り組みを一緒にやらせていただきたいと考えています」(石井さん)

 東急グループでは、東急線沿線にお住まいの方々の生活や移動を支えていくことがますます求められていくと考えています。その際に、今回のプロジェクトで行ったLINEでTOKYU POINT会員連携を行えるLIFFアプリの開発は大きな意味を持ってきます。

「東急ストアなどの生活サービス事業だけでなく、交通、不動産など、今回作った仕組みを通じて町を構成する要素をもっともっと繋げられるはずなんですね。
 東急グループ各社が提供するサービスを連携して、東急線沿線で心地よく長く暮らしていただけるような便利さを実現していきたい。我々としてはこれからも時流にあったサービスの導入に、積極的に取り組みたいと思っています」(井上さん)

 お客様にとって価値ある生活を提供していこうとする東急グループの取り組みに、これからもクラスメソッドは技術力によって支援を行なっていきます。

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