「内製化支援」で築いていくエンジニア文化
学習意欲とチャレンジを促すチームビルディング

株式会社セブン&アイ・ネットメディア

運用・クラウド推進本部 クラウド・ソリューション部
ゼネラルマネージャー 竹内健二様
CS1チーム 主任 坂井勇登様
株式会社セブン&アイ・ネットメディア
公開日:2022年11月16日
BEFORE
  • プロジェクト開始から構築までスキルフルなエンジニアが属人的に担当
  • メンバーの入れ替わりやシステム環境が大きく変化
  • エンジニアそれぞれの「個」を尊重し、得意分野を担う業務分担
AFTER
  • クラスメソッドが課題発見からガイドライン作成まで「チーム」の成長を支援
  • スキル差を埋める勉強会を通じて相談しやすくチャレンジしやすいチーム文化を醸成
  • 相互レビューやペアプロ・モブプロを行って業務属人化を減らしていく

セブン&アイ・ネットメディアは、セブン&アイグループのデジタル戦略を支えるシステム企画、デザイン、開発、運用を担う存在です。インフラ基盤の構築を担うクラウド・ソリューション部CS1チームは社員6名、パートナー2名という編成でクラウド基盤の構築の実働部隊を担っています。

見積りから構築まで1人で担えるスキルレベルの中途社員が多いため、各エンジニアのスキルを生かし、それぞれ得意な部分を担っていたという同社。一方でチームとしては技術要因、体制から生じる属人化の課題を抱えてしまいました。

チームの成長を考える上で採用したのが、クラスメソッドの提供する「内製化支援サービス」です。本ソリューション導入の背景から現在のチームの展望まで、クラウド・ソリューション部 ゼネラルマネージャーの竹内様、CS1チーム主任の坂井様にお話を伺いました。(インタビュー:2022年8月4日)

システム基盤のAWS化がチーム体制見直しのきっかけ

同社は、メンバーの経験を尊重して一人ひとりの目標を組織的にも応援してきました。しかしメンバーの入れ替わりもある中、エンジニア1人で1プロジェクト見積りから設計・構築まで行う体制であったことで、属人化の課題も顕在化してきます。

「こちらで『修正、改善すべきか』と感じたこともエンジニアに対して要望レベルに留まっていたところがあります。しかし、それではどうしても品質面にバラツキが出てきてしまいます。今後大事な案件を受けていけるようチームとして成長していくためには、一度立ち止まってチームビルディングするべきだと感じていました」(竹内さん)

そんなタイミングで、同社を含めセブン&アイグループ内での技術支援にも携わっていたクラスメソッドから「内製化支援サービス」をご提案しました。

今回のチームのあり方を見直すきっかけとなったのは、検証環境にて通信断を伴う障害が起こったことでした。インフラ基盤をAWSへと移設した際にもメンバー内でAWSに関する知識を共有しきれておらず、スキル差があるチームメンバー間で適切にコードレビューが行われなかったことが原因だったといいます。

「メンバー間の技術差があったとしても、それを解消しながら相互レビューしていくことが大事だよね、とわかる大きなトリガーになりました」(坂井さん)

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「クラスメソッドから提示された『内製化』のステップ図にあった最終ステップ『学習が習慣になる』『部署、組織が挑戦できる』に共感し、そこに対しても『到達できそう』だと感じたこともあってご一緒することに決めました。そして最初の方にある『個人が挑戦できる』『やっていることが見える化できている』などのチェック項目に対しても『このあたりできていないよね』と、内製化以前にやらなきゃいけないことが沢山あるんだと気付かされましたね」(坂井さん)
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一人ひとりのヒアリングから始まる新しい「チームづくり」

「組織として成長する仕組みをつくらなければならない」「次の人にすぐトランスファーできる組織づくりが大事だ」という意識はあっても、実際の始め方はわからない。そんなときに内製化支援サービスは「組織として何をしていきたいか」を決めるところからチームに寄り添った“支援”を行っています。今回対象となったCS1チームでは、メンバーに対して個別に坂井さんとクラスメソッドメンバーが丁寧なヒアリングをすることからスタートしました。

「明確な“キックオフ”は特になく、一人ひとりにヒアリングしました。同じ組織内の上司部下ではなく、クラスメソッドという別組織のコーチにヒアリングしていただくことで、皆素直な気持ちで話せたと思います。その結果、スキルや振る舞い、まずは可視化しよう、という課題設定ができ、その解決にあたって“マネジメント3.0”、“コンピテンシーマトリクス”という考え方やツールをご紹介いただいたり、ガイドラインの作成をしようということになりました」(坂井さん)

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もともと同社のエンジニアチームは、課題についてオープンに話す意識付けを竹内さんが主導していました。今回の内製化支援サービスでは、そこからもう一歩進み、認識した課題に対して「こうしよう」とチームが議論の場を持てるようファシリテートしていくことが必要だったと坂井さんは振り返ります。

「これらの取り組みを社内でも進められるよう、スキルトランスファー前提で私も一緒に同席しました。ファシリテーションについてもどういう観点で質問したか、コミュニケーションを取ったかなどをワークの直後に1on1で教えてもらいました。このコーチングは非常に勉強になり、半年以上経つ頃には、定例会の中でもどんどん課題を話し合う関係性ができてきたのが見てとれています」(坂井さん)

「相談しやすい」「アウトプットが勉強になる」チーム変化

クラスメソッド支援後でもっとも大きな変化は「やったことがないことにチャレンジし易くなった」という坂井さん。知らないスキルや知識などもメンバー同士で補い合いながら、相互レビューをしあう体勢をつくることができてきているとのこと。皆で設計し、前提知識を共有することで「業務の中で学ぶ」というチーム文化がつくられてきたといいます。

「昔はベテランエンジニアがひとつでも多くプロジェクトを請け負い、ある程度障害対応できていました。しかしメンバーが入れ替わり、様々なスキルレベルで構成されるメンバーは担当者以外での障害対応をできないような時期もありました。いまやそれが変わりつつあって、他メンバーのタスクを拾えるようになってきている。メンバー間で積極的にナレッジを共有する分科会を行うようになったりということも、この内製化の取り組みが無かったら、無かったんじゃないかなと思うところです」(坂井さん)

知識やナレッジの共有のための勉強会やアウトプットの機会をつくるようにしたところ、在籍期間が短いメンバーからは「相談しやすくなった」と好評のようです。また、発表者自身の勉強にもなっているそうで「アウトプットするにあたって理解が足りていないところがわかるようになった」「指摘をもらえる場として良い」というコメントがあり、チームの活気ある様子が伝わってきました。

クラスメソッドの支援で、エンジニアのカルチャーづくりを

現在も継続して2on1を進め、チームの取り組みを続ける同社。今後はクラスメソッドの支援内容をトランスファーして“自社内での支援活動”をと意気込みます。

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「チームの風通しが良くなってきたのを感じます。それまで個が強く、チームメンバーと“同期する”マインドが弱かったように思います。分科会などは変化の好例で、得た知識を隣と同期することができるようになってきました。全員がコラボレーターになり、誰かが動けば自然と動けるチームになれば、皆が大事にしたい価値観や意識、行動指針をつくっていけるんではないか。そうすれば組織としてブレないものづくりができるように思っています」(竹内さん)

「チーム間連携はまだ課題があり、この取り組みを組織全体に広げるのはもう少し先になりそうです。いずれ全員がファシリテーターにもなれるチームになりたいですね。そしてガイドラインも作り、途中でジョインするメンバーをチームとしてフォローしやすい体制にもなればと思っています」(坂井さん)

竹内さんからは、同社が今後さらなる躍進を遂げるためにもクラスメソッドに対して大きな期待を寄せていただきました。
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「DevelopersIOをはじめとしたアウトプット文化やオープンな空気の醸成、顧客とのエンゲージメントも非常に高い企業だと思っています。なので内製化支援サービスの説明を受けたときはまさに『エンジニアの“カルチャーづくり”を支援してくれるサービスだ』と感じたんです。チームとしては『全員でクラスメソッド化したい!』という意気込みでやってきましたが……まだまだ(笑)。今後もカルチャー育成の面でもご支援いただけるとありがたいです」(竹内さん)

「誰も取り残させない」チーム構築に邁進するセブン&アイ・ネットメディアのエンジニアチームの皆様に、クラスメソッドはこれからも貢献してまいります。

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