駅前コンテナ建築とIT活用で地域活性化
新潟初のLINEミニアプリ×モバイルオーダー導入

株式会社北信越地域資源研究所

代表取締役 平原 匡 様
取締役 平原 留美 様
株式会社北信越地域資源研究所
公開日:2021年8月3日
BEFORE
  • 「コンテナ建築」を駆使した複合商業施設で地域活性化を計画
  • テナントは飲食店が中心でありオフィス利用やIT活用の想定はなかった
AFTER
  • レジレス店舗の実証実験を2019年にスタートし話題に
  • モバイルオーダーの実証実験を生かして対象エリアを広げ「CX ORDER」導入
  • 新潟初のLINEミニアプリなど、地域起こしへのIT活用がみえてきた

上越妙高駅西口から徒歩1分に位置する「フルサット」は、2015年の北陸新幹線開通にあわせて企画され、2016年に生まれた複合商業施設です。その特徴は「コンテナ建築」。スモールスタートのチャレンジを後押しできる賃貸モデルに加え、事業拡大に合わせて施設をフレキシブルに拡張することもできる独創的なプランニングとなっており、2017年度北陸建築文化賞も受賞しました。

この「フルサット」を運営する株式会社北信越地域資源研究所とクラスメソッドとの付き合いは2018年に始まりました。2018年の上越オフィスの開設をきっかけに、2019年にはフルサットにてレジレス店舗「DevelopersIO CAFE上越店」の実証実験を開始しています。実証実験からいただいた多くのフィードバックは、LINE上でモバイルオーダー機能を簡単に作成・運用できるSaaS「CX ORDER」へ結実。2020年12月にはこのサービスを利用した「上越妙高ウェルモ モバイルオーダー」の提供を開始しています。

株式会社北信越地域資源研究所 2社で取り組んできた先進的な取り組みと、ITを活用した今後の地域活性化の展望について、北信越地域資源研究所の代表取締役 平原 匡さんと取締役 平原 留美さんにお話をうかがいました。

先進的なレジレス実証実験店舗フルサットにて開店

クラスメソッドは2018年に「フルサット」内に上越オフィスを構えました。入居の決め手は、まず上越妙高駅から至近距離であること、また少人数のメンバーが心地よく過ごせるサイズのオフィスであったことです。フルサットの地域活性化を目指した先進性のある施設計画にも、クラスメソッドの働き方と共通するものを感じました。

「『東京のIT企業』ということで、上越エリアでは少し感覚的に遠いのではないかと思うこともありましたが、入居メンバーが皆さん地元出身の方でしたので、“地元のオフィス”と感じられました。ただのオフィス入居希望者としてではなく、フルサットを一緒に盛り上げていくことを前提にお話を頂いたことは大変嬉しかったです。」(平原 留美さん)

これを機に北信越地域資源研究所とは、上越での様々な取り組みをご一緒させていただくことになります。
2019年2月、クラスメソッドは秋葉原の本社近くに、モバイル、クラウド、センサーなどの各種デジタルテクノロジーを駆使した実験店「DevelopersIO CAFE」をオープンさせました。店舗外からのモバイルオーダーへの対応や、センサーとクラウドを活用したウォークスルー型レジなし店舗を実現し、Amazon Goで話題となっていたキャッシュレスかつレジ待ちなしの買い物をいち早く体験できる場として話題になりました。

「2019年のゴールデンウィークに、クラスメソッド社長の横田さんがフルサットにいらして、実験的にここでもDevelopersIO CAFEをやりたいということになったんです。普通の店舗と違い、フルサットは規格の決まったコンテナ店舗なので、一度うまくいけば汎用性もある。トレーラーに乗せれば移動式店舗にすることも可能かもしれないと盛り上がりました。面白い取り組みだと思いましたので、ぜひやりましょうというお返事をさせていただき、2号店となる『DevelopersIO CAFE 上越店』が11月から期間限定でオープンしました。」(平原 匡さん)

株式会社北信越地域資源研究所
ITやデジタル分野の先進的な取り組みに敏感な大人客が多い秋葉原と、親子連れが多い上越店では、課題もニーズも全く異なります。また店舗にスタッフとして立つアルバイトも、秋葉原店と違い、敢えてIT分野に詳しくない方にお願いすることで、カフェ利用者だけでなく店舗管理画面など店舗オペレーションへの改善要望を多数フィードバックいただくことができました。

* DevelopersIO CAFE 上越店における実証実験期間は終了し、現在は休止しています。

新潟初、LINEミニアプリで「モバイルオーダー」実現

秋葉原と上越の「DevelopersIO CAFE」で出てくる改善要望に日々対応し、内容をブラッシュアップさせたクラスメソッドは、カフェのモバイルオーダー機能をSaaS化し、2020年7月にLINEミニアプリとしてモバイルオーダー機能を簡単に作成・運用可能なクラウドサービス「CX ORDER」をリリースしました。コロナ禍においては、ウイルス感染症対策としての三密回避や店舗オペレーションの円滑化への取り組みとして、飲食・小売業を中心に様々な企業に利用いただいています。

「2019年当時に、IT事業者でありながらリアリティのある世界にどんどん足を踏み入れていくクラスメソッドさんの動き方には、非常に魅力を感じました。今その時の実験が糧になって、CX ORDERという形で様々な小売事業者さんのサポートに結実しているんじゃないかと思います」(平原 匡さん)

同夏、北信越地域資源研究所は、新型コロナ感染症拡大に伴う外出自粛や消費減退で苦慮する地域商店街活性化への取り組みとして、上越妙高駅の周辺店舗共通で使えるモバイルオーダーLINEミニアプリ「上越妙高ウェルモ モバイルオーダー」を企画しました。新潟県の「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業から補助金を受け、クラスメソッドのCX ORDERを利用してLINEミニアプリを作成、12月7日からサービス提供が開始されました。新潟県の企業・団体としては初のLINEミニアプリリリースとなりました。

株式会社北信越地域資源研究所
「リリース直後の翌年、2021年1月7日に出た2度目の緊急事態宣言によって、上越妙高を訪れる人も再度激減してしまい、スタッフの出勤もままならない状況になってしまいました。そのため、残念ながらモバイルオーダーを休止せざるを得ない店舗もありました。
ですがクラスメソッドさんのSaaSは管理が全てオンライン化されていて、いつでもリモートから再稼働ができるような状況です。今後はこのような取り組みがますます必要となってくると思います」(平原 匡さん)

地域活性化の課題解決に、先進的な取り組みを積極的に導入

フルサットはこの2021年6月で開業5周年を迎え、6年目に入りました。現在の入居者は7店舗4オフィスと、当初の想定よりもオフィスの割合が増えているといいます。

「コロナ禍で、時代の流れが変わりました。都会に出て行かなくても、地元で仕事ができるということで、オフィス利用の入居希望は今後もっと増えていくかもしれません。一方で地元の人たちに向けては、親子連れでも楽しめるような“観光地”や“遊び場”として、店舗も不可欠です。エリア内でのバランスをみて、今後も運営をしていきたいですね」(平原 匡さん)

象徴的な「コンテナ建築」や「オープン時が完成では無く、成長し続ける場」という方針は、まるで“建築分野でのアジャイル開発”を連想させます。小さく始めることができ、成長にあわせた施設拡張が可能な「コンテナ建築」が秘めるポテンシャルが披露されるのは、まさにこれから。フルサットへの期待が高まっていることを受け、今後、敷地面積を増やすことも検討しているとのことです。

クラスメソッドと北信越地域資源研究所は、新潟県のスタートアップ拠点支援事業などにも協力して取り組みを進めています。
クラスメソッドは最新のIT技術の知見はもちろんのこと、お客様のビジネス現場からのフィードバックを大事にし、時には自らも「やってみた」経験に基づいた最適な提案を行うことで地域活性化にも貢献してまいります。

この事例ではCX ORDERをご利用いただいています。

クラスメソッドが提供するLINEモバイルオーダーアプリ運用サービス「CX ORDER」では、LINEアプリ内に⾃社ブランドアプリを登録することで、多 くのユーザーリーチを獲得でき、商品やサ ービスを届けることができます。

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