fannaly導入で10万人のLINE友だちを顧客資産化
現場ニーズに応えたバージョンアップで会員登録時間を10分の1に短縮

株式会社大川

執行役員 社長室長兼事業推進室長 西平崇志 様
事業推進室 マネージャー 又吉洋平 様
株式会社大川
公開日:2026年3月18日
BEFORE
  • LINE友だち10万人超も顧客とのコミュニケーションやデータ蓄積が不可能
  • 独自仕様の基幹システムとSaaSとの連携が困難
  • 詳細な会員情報登録で入会時の滞留時間が増大
AFTER
  • fannaly導入によりデータ分析・顧客アプローチ基盤の確立
  • データ連携基盤の構築とデータレイク導入でDXへの道筋を確立
  • 仮会員証機能により入会登録の流れがスムーズに

沖縄県内で家具・インテリア販売を中核に、リサイクル事業や介護福祉事業まで多角的に展開する株式会社大川。同社は友だち登録10万人を超えるLINE公式アカウントという顧客接点を持ちながらも、「お客様のことが見えない」という課題に直面していました。そこで、お客さまとの接点をより良いものとするために同社が選択したのが、プリズマティクスの顧客管理プラットフォーム「fannaly」でした。大川の事業推進室で本プロジェクトを主導した西平さんと、事業推進室マネージャーの又吉さんに、導入の経緯と成果を伺いました。

スピード経営の大川が直面した「お客様が見えない」という壁

株式会社大川 大川のデジタル推進を担う西平さんは、大川の経営には「まずやってみる。走りながら直していく」というスピード重視の社風が根づいていると言います。

「社長をはじめ、全社を挙げて『スピード』を経営の最優先事項に掲げています。保守的な傾向が強い家具業界において、大手企業の資本力に対抗し、一歩抜きん出た存在となるための鍵は、意思決定と実行の速度に他なりません。全領域においてスピード感で圧倒的な差をつけることが、我々の基本戦略です。」(西平さん)

しかし、そのスピード感をもってしても乗り越えられない壁がありました。大川は2020年からLINE公式アカウントの運用に注力し、友だち登録数は10万人を超えるまでに成長。ところが、その大きな顧客基盤を事業の成長に直接的には活かしきれていませんでした。

「これまでは1対Nのマス・アプローチに終始しており、お客様との双方向な関係性を築けていませんでした。販売実績という数字の裏側にある、お客様の心理的な反応や満足度を汲み取る術がなく、真に価値ある体験を提供できているのかという点に強い危機感を抱いていました。」(又吉さん)

LINEでクーポンを配布しても、利用されたかどうかはわかるが「誰が」使ったのかはわからない。顧客会員制度がなかったため、お客様個人を特定するすべがなかったのです。セグメントを分けてのクーポン配信もごく大まかな区分にとどまり、対象商品への関係が薄い方への配信も含まれるのでコスト面での課題がありました。

課題はLINE活用にとどまりません。西平さんは家具販売企業としての構造的な問題も指摘します。

「家具・インテリアという、暮らしの根幹を成す領域に携わりながら、お客様の真のライフスタイルにまで踏み込めていない現状がありました。欧米では生活に根ざした『ライフスタイル提案』が主流ですが、国内市場は未だに価格競争やブランドネームに偏重しがちです。我々は、そうした既存の『古き良き家具屋』という既成概念を脱却し、新たな顧客体験を創造すべきフェーズにあります。」(西平さん)

お客様のことをもっと知り、より良い暮らしを提供したい。そのシンプルな思いが、大川のデジタル戦略のスタート地点でした。

「本質的なニーズに合致した」——事業推進室の発足からfannalyとの出会いまで

株式会社大川 会員システムの構想自体は3年以上前から、大川の社内で議論されていました。しかし当時は、体制や人員不足などもあり、なかなか前に進みませんでした。

転機となったのが、2024年の事業推進室の設置でした。西平さんが室長に就任し、販促部門でCM制作に携わっていた又吉さんを引き入れる形でチームを編成。現場の推進力と権限を兼ね備えた組織が生まれたことで、長年温めてきた構想が一気に動き出します。

事業推進室だけでなく他部門のスタッフも巻き込んだ議論の中で、「これまでは、単なる『おともだち登録』という枠組みが存在するに過ぎませんでした。お客様を属性や購入履歴で分類し、パーソナライズされた体験を提供するまでには至っておらず、会員基盤を真の意味で資産化していかなければならない」という結論に収斂していきます。LINEの友だちという資産を活かしつつ、より深いコミュニケーションを実現するために、LINEミニアプリを活用した会員システムの構築という方向性が固まりました。

そして、複数のツールを社内で比較検討した結果、大川がたどり着いたのが「fannaly」でした。

「我々が構築を目指すスキームに対し、過不足のない、本質的に必要な機能のみが凝縮されていたのがfannalyでした。デコレーションされた余計な機能にコストを割くのではなく、真に必要な価値が合致していた点を高く評価しています。」(又吉さん)

選定の決定打は、機能要件だけではありませんでした。実は過去、他社との商談において専門用語を多用した一方的な提案を受け、プロジェクトの解像度が上がらないまま『置き去り』にされるような懸念を抱いていた時期がありました。

「プリズマティクスは、我々の視座に立ち、常に共通言語での対話を徹底してくれました。全体像のなかで『今、何を議論しているのか』を構造的に示していただける丁寧な進め方に、単なるベンダーではない、真のパートナーとしての信頼を確信しました。」(又吉さん)

プリズマティクス側は、資料を毎回準備し、丁寧な説明を徹底していました。ITの専門家ではないメンバーにも、プロジェクトの全体像と現在地が常に見える状態を保つ。その姿勢が「寄り添い」の実感となり、パートナーとしての信頼につながったのです。

クローズドな基幹システムとの格闘、そして仮会員証の実現

株式会社大川 約9ヶ月の検討期間を経て、開発がスタート。そこからリリースまでの期間は約7ヶ月でしたが、既存の基幹システムとの連携が課題でした。家具業界で広く使われている基幹システムは独自仕様でクローズドな環境にあり、データの抽出はできても入力ができないという制約がありました。

「約7ヶ月という短期間でのリリースを実現しましたが、その工程は決して平坦ではありませんでした。特に難航したのは、業界標準とも言える独自仕様の基幹システムとのインテグレーションです。

データの入力が制限されたクローズドな環境において、いかにして新たな顧客体験を支える基盤を構築するか。この技術的な制約を一つひとつ解消していくプロセスこそが、今回のプロジェクトにおける最大の挑戦でした。」(西平さん)

この課題に対して、大川は社内のエンジニアの力を活かし、SQL Serverにデータベースを構築。fannalyとのデータ連携をプリズマティクスが開発、基幹システムとの接続機能を自社で開発しました。

もう一つ、現場に大きなインパクトをもたらしたのが「仮会員証」機能の追加でした。大川からの要望を受け、プリズマティクスがこの機能を短期間で開発・実装。数タップで完了する仮会員証によって、会員登録のプロセスが劇的に変わりました。

「店頭での会員登録プロセスにおいて、お客様をお待たせする時間は劇的に短縮されました。以前は登録完了までに1分以上の時間を要していましたが、仮会員証の導入により、実質5秒程度でのスピーディーな対応が可能となっています。現場のレジ担当からも『体感値として10分の1以下にまで短縮された』という声が上がっており、レジ前の滞留解消が顧客満足度の向上に大きく寄与しています。」(又吉さん)

実は、この要望は大川だけではなく、他のユーザーにも共通するニーズでした。そこで、プリズマティクスではお客様の声に応える形で、ロードマップの優先順位を組み替えながら開発を進めたといいます。

「期待以上」のデータ基盤と、組織全体に広がった変化

fannalyの導入は、大川に複数の成果をもたらしています。最も大きいのが、顧客データ活用の基盤が確立されたことです。これまで商品軸でしか管理されていなかった購買データに顧客属性を紐づける土台が完成し、将来的なセグメント配信やマーケティング分析が可能な状態が整いました。

「我々が将来的に描いているビジョンに対し、必要不可欠なデータセットを網羅できる基盤が整いました。fannalyの導入により、単なる情報収集に留まらない、戦略の精度を一段引き上げるためのデータ活用が可能となっています。正直なところ、導入前に期待していた水準を遥かに上回る、極めて理想的な環境が構築できたと確信しています。」(又吉さん)

波及効果として見逃せないのが、社内リテラシーの向上です。会員システムをゼロから構築し現場へ展開する過程で、ITの知見も組織全体に広がりました。もともと全店舗スタッフ向けにマーケティング研修を行っていた大川ですが、fannalyプロジェクトによって、集客から購入、配送、アフターフォローまでの一連のプロセスをデータで捉えるという視点が店舗の現場スタッフにまでより具体的に浸透しつつあります。

お客様の生涯に寄り添う——独自アプリと全国展開の構想

株式会社大川

大川がfannaly導入によって築いた顧客データ基盤は、同社が描くビジョンの第一歩にすぎません。

大川が将来的に目指していることのひとつが、自社のオリジナルアプリの開発です。会員証機能だけでなく、お客様とのコミュニケーションや、家具リサイクル、介護福祉サービスといった大川の事業全体を統合するプラットフォームを目指しています。

「当社の最大の強みは、家具インテリアの販売だけではなくリサイクル事業から介護福祉事業、さらには自社配送網に至るまで、多角的な事業ポートフォリオを有している点にあります。家具の購入から買い替え、そしてライフステージの変化に伴う住環境のサポートまで、お客様のライフサイクル全般にわたり、常に寄り添い続けることができる。大川は、その一貫した提供価値を支える盤石な事業基盤をより強化していきたいと考えています。」(又吉さん)

西平さんは、その先にある事業の将来像をこう描きます。

「人生のあらゆるフェーズにおいて、お客様のニーズに即応できる多角的な事業ドメインを有していることが当社の強みなので、ライフサイクルの各局面で生じる課題に対し、家具、リサイクル、介護といった自社リソースを最適に組み合わせることで、一生涯を通じた持続的なエンゲージメントを創出する。これこそが、私たちが目指すビジネスの完成形です。」(西平さん)

家具は来店間隔が長い商材です。引っ越し、結婚、出産といった人生のイベントごとに訪れるお客様に、その間も大川を思い出してもらうためには緩やかに繋がり続ける仕組みが欠かせません。また、事業展開の面では、まず沖縄県内の顧客体験の向上と県内向けECの整備に注力し、その先に県外、さらには全国への進出も視野に入れています。

安心感とスピード感の両立——パートナーへの信頼

プロジェクトの成功を受けて、同社は今後、クラスメソッドにビジネスコンサルティングも依頼する予定だといいます。今回のプロジェクトを振り返り、又吉さんはクラスメソッドおよびプリズマティクスへの評価を率直に語ります。

「会員基盤の構築を、当社の目線に立った真摯な伴走支援をいただけたことは、プロジェクト成功の大きな要因です。技術的な支援に留まらず、我々の事業理解に深く踏み込んだ姿勢を目の当たりにし、盤石な信頼関係のもとで更なる価値創造をお任せできると確信しています。」(又吉さん)

さらに又吉さんは、fannalyの進化のスピードについても高く評価しています。

「強固なサポート体制を維持しつつ、これほどまでにアジャイルなプロダクト進化を継続されている点は、特筆すべき価値があります。3ヶ月に一度のアップデートというリズムは、変化の激しい現代において、我々の事業戦略を支える極めて強力なエンジンとなっています。」(又吉さん)

大川では、会員ランク制度の設計やコミュニケーション設計などデータ活用の次のフェーズに向けて、クラスメソッドとのパートナーシップをさらに深めていく予定です。

「家具屋」から「お客様の生涯に寄り添うライフスタイルパートナー」へ。大川の挑戦は、fannaly導入によって確かな第一歩を踏み出しました。クラスメソッドはこれからも、大川の将来構想に向けた挑戦をデジタル変革の面からご支援して参ります。

この事例ではfannalyをご活用いただいています

クラスメソッドグループのプリズマティクス株式会社が開発、提供する「fannaly」は、「体験価値」の強化を検討されるお客様向けに、購買はもちろん、行動に応じたインセンティブ設計でロイヤルティ向上を目指すことのできる会員・クーポン・ポイント管理システムです。実店舗とECの会員情報を一元化し、シームレスな顧客体験を実現します。

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