電気通信大学について
2018年に迎える創立100周年に向けて「UECビジョン2018」を発表。 世界中の個性豊かな(Unique)若者が集い、楽しくてわくわくする、魅力あふれる(Exciting)環境で学び、新しい価値を生み出し、世界中を驚かすような輝く個性が育つ学園(Campus)—「Unique & Exciting Campus」を目指している。
背景と課題
同大学は、平成24年度卒業・修了式及び平成25年度入学式を行うにあたり、式に参加できない保護者等向けにライブストリーミングを行うことを決定。 また、Windows、Mac、iPhone、Androidなどの多種多様なデバイスで同時に高画質なデータ配信を行うことを要件に設定。
設計・構築のポイント
本システムのネットワークやサーバーを設計・構築する上で重視したポイントは以下になります。
ワンクリックデプロイ
ある意味1回勝負のミッションクリティカルなシステムのため、繰り返しテスト配信を行うためにワンクリックデプロイできるシステムを構築しました。
低遅延
できるだけ生の映像をお伝えするためにライブストリーミングサーバーの最適化を行い、最大でも8秒の遅延でHD映像を配信できるようにしました。映像やエンコーダ側の処理が止まったとしても、復帰を検知して直ぐに再配信できるように調整しています。
高画質・高音質
今回の試みとして、通信環境やデバイスのスクリーンサイズに応じて自動的に映像を切り替えられるように、H.264形式のHD映像(1280x720)とSD映像(640x360)を用意しました。音声はステレオで44.1kHzのサンプリングを行い、AACエンコードしたものを配信に用いています。2本の映像と音声を合わせた配信ビットレートは、1208kbps((720+64)+(360+64))となりました。
大規模配信対応
コンテンツ配信サーバーを中継することで、大規模なアクセスがあったとしても、オリジンサーバに負荷を掛けることなく、エッジサーバで負荷分散できるようにしています。これらの負荷分散には、Amazon CloudFrontを用いてある程度自動化しています。
HLS(HTTP Live Streaming)と HDS(HTTP Dynamic Streaming)
WindowsPCやMacで安定的に映像配信を行うために、HDSを用いています。
また、iPhoneやAndroidで見れるようにHLSを用いています。これら複数のプロトコルで同時に配信することで、あらゆるユーザが閲覧できるようになっています。