AWS請求代行サービスがスマホゲーム基盤のコストカットに貢献

株式会社バンク・オブ・イノベーション

公開日:2019年3月18日
BEFORE
  • ゲームの利用者数に応じAWS基盤をスケーリングして活用
  • AWSとの直契約で利用費がかさみ利用料の割引サービスを検討
  • 技術力がありGDPR対応も可能なクラスメソッドを採用
AFTER
  • 請求代行サービスによるCDN費用の大幅な削減
  • 各サービスの利用額を一括で明示し経理の負担を軽減
  • 経費削減のベースとなる情報収集や決算報告が容易に

新キャラクターの投入や短期間の限定イベント開催などでサーバー・ネットワークの負荷が大きく変わるスマホゲームは、スケールメリットの大きなクラウドサービスと親和性の高い分野です。

株式会社バンク・オブ・イノベーション

豪華声優陣を起用したボイスデータも魅力、アバターのカスタマイズが楽しい「ミトラスフィア -MITRASPHERE-」、1,100万ダウンロードを突破した王道ファンタジーRPG「幻獣契約クリプトラクト」などの人気スマホゲームをリリースしている株式会社バンク・オブ・イノベーションでは、ゲームのバックエンドにAWSを活用しています。

また同社では、アカウント管理を効率化するためにクラスメソッドの請求代行サービスを契約しています。

ゲームのバックエンドとしてのクラウド活用と請求代行サービスの利点について、同社の開発・運用のご担当者にお話を伺いました。

ゲームの利用者数に応じたスケーリングで運用コストを削減

オンラインゲームとクラウドは切っても切り離せないものという認識はクラウドサービスについて学ぶエンジニアなら想像は難しくありませんが、具体的にはどのように活用しているものなのでしょうか。

「ゲームのリリース直後はどれだけのユーザーに遊んでいただけるか、どれだけ負荷があるかということが想定しづらい問題があります。実際に遊んでいただかないとわからないということです。即座にパフォーマンスを強化できて、アクセスが落ち着いた段階で速やかにスペックを落とせるのは、クラウドの大きなメリットですね」

ゲームならではの特殊性として、ゲリライベントや周年イベントなど、大規模なイベントを打つこともあります。また、テレビなどで紹介されると短期的にアクセスが急に伸びるケースもあります。

「この日はアクセスの集中しそうな限定イベントがある、という時にはそのタイミングに合わせてリソースを増やす、というようなことを行っています。また、宣伝を大きめに打つときにも、合わせてサーバーを増強します。データベースアクセスにSQLを使っている場合は、そこに費用が集中したりするものなので、負荷に合わせた最適なスペックで運用できていればコストも抑制できます」

ゲームといえども事業です。伸びるものもあれば、残念ながら規模が小さくなっていくものもあるでしょう。クラウドサービスの強みとしては「サービスの拡大にも即座に対応できる」といった景気の良い方向についての説明が多い中、バンク・オブ・イノベーションからはとても興味深い、重要なお話を聞くこともできました。

「運営会社としては残念な話ですが、長期間運営しているゲームの中には利用者数が減っていくものもあります。オンプレミスの環境では運用コストが利用者数のピークに合わせたレベルで発生します。一方クラウドであれば、利用者数の減少に合わせてサーバー構成も小さなものに変更できます。利用者数に合わせたサーバースペックという考え方は、拡大だけでなく縮小の方向で捉えても役に立ちます」

規模が小さくなっていくサービスのロスを減らすという考え方はあまり語られませんが、企業のメリットとしてはとても大きいのですね。

事業の規模に応じてサーバー・ネットワークの規模を柔軟に縮小できるということは、地味でも重要なポイントです。リソースが不要になれば、クリックひとつで簡単に利用をストップできます。

様々なレイヤーのサービスを集約するAWSの強み

株式会社バンク・オブ・イノベーション
豪華声優陣を擁した「なりきりボイス」などが好評の「ミトラスフィア -MITRASPHERE-」は600万ダウンロードを超える人気ゲームです。このバックエンドにAWSが使われているのですが、ほかのクラウドサービスとの違いは何かあるものでしょうか。

「AWSに期待しているのは、広い領域の包括的なサービスですね。ほかのクラウドと比べて、ゲームなどのインフラとしてだけではなく、ハイブリッドクラウドとしての、事業に関わる業務全般で利用できるサービスが充実していると考えています。また、ゲームにかかわるサービスでは特にGameSparksに期待しています」

GameSparksはゲーム向けのBaaSです。ユーザーの管理・課金から動向分析、また独自APIの作成なども可能なバックエンドのサービスをサーバーレスで実現できます。

「プログラムを作らなくて済むようになるなら、GameSparksによっていろいろ変わってくる可能性があります。すべて自社で作り込んだほうが良いものが作れるでしょうけど、時間も有限ですしね(笑)」

ゲーム事業を理由にAWSを敬遠している事業者様は、GameSparksをぜひチェックしてみてください!

「クラスメソッドメンバーズ」請求代行プランでコスト削減

同社にはAWS技術に精通したエンジニアが所属しており、技術面で弊社のサポートを受ける必要性を感じていませんでした。

それがなぜ「クラスメソッドメンバーズ」にご契約いただけたのかといえば、人的・金銭的コストの削減にほかなりません。

ゲームのサービスだと特にCDNの性能やコストが占める割合が大きく、この領域の改善は事業に大きなインパクトを残すのです。

「最初はAWSと直に契約していましたが費用がかさんだため、ボリュームディスカウントができるサービスを検討しようということになりました。

他社と比較しましたが、クラスメソッドは料金提示がわかりやすくなっています。また、クラスメソッドの技術ブログをよく見ていたこともあり、技術のある企業に依頼する方が良いだろうと考えて選びました。余談ですが、GDPR(EU一般データ保護規則)対策を検討していた時期もあり、海外展開をするうえでもドイツ支社があるクラスメソッドは安心感があります」

具体的にはCDNのコスト削減が大きかったようです。ゲームはマルチメディアファイルをフル活用するもの。キャラクターのアニメーションもありますし、声優の声を聴けることはユーザーにとって楽しみの一つです。これらのデータの配信に必要な配信ネットワークのコスト削減は、人気ゲームの運営では大切なミッションであるといえます。

バンク・オブ・イノベーションはAWSのCDNサービス・Amazon CloudFrontを利用してゲームビジネスの肝である領域のコストダウンに成功しました。

「スマホ向けゲームではCDNが重要です。あるゲームでは、AWSと直接契約するとクラウドにかかる費用のうち50%以上がCDNに関する費用になってしまいます。クラスメソッドの請求代行を利用することで単価を約30%にまで落とせたのは大きな収穫でした」

管理のしやすさで経理部門にも効果

コスト削減は目に見える料金の引き下げだけではありません。管理スタッフが費用管理を行いやすくなれば、日頃の利用コストも算出しやすくなり、決算のタイミングでも状況を簡単に報告しやすくなります。

日々、状況が変わる一般消費者向けのビジネスでは、短期間で正確な経理状況が見られる請求代行が重宝される場合があります。

「経理スタッフのメリットは大きかったのではないでしょうか。例えば本番ではゲームごとにすべて異なるアカウントを使っていますが、テストや管理面では混在しているものもありました。すべてのアカウントの下に経理用アカウントを作るなど対策はしていたのですが、経理スタッフにとってはアカウントとゲームタイトルの紐付けが決して簡単ではなかったと思います。

どの部署がどれだけのスナップショットを使っている、EC2はいくら分使っている、というサービスごとの利用額が一括で分かるようにもなりましたし、経費削減のための情報が集めやすくなりました」

ゲームのバックエンドにもAWSを

瞬間的・突発的なアクセス増加に耐えうる攻めのスケーラビリティ。
利用者の減退に合わせてコストを抑えられる守りのスケーラビリティ。これらを兼ね備えたクラウドサービスはゲーム運営の効率化に大きく貢献します。

加えて、Amazon CloudFrontという高コストパフォーマンスなCDNを提供するAWSはコンテンツ配信にも十分な力を発揮し、ゲームのバックエンドを支える大きな力になります。

クラスメソッドの請求代行サービスを活用すれば、利用費に加えて経理業務の工数も削減できます。

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