ニーズに合わせた柔軟なサービスでAWSの活用促進と
内製強化をサポート

DCMホールディングス株式会社

システム・物流統括部 システム開発部長 桑山英二様
システム・物流統括部 システム開発部 システム開発課長 遠藤将一様
DCMホールディングス株式会社
公開日:2019年8月1日
BEFORE
  • 1日7,000万件も生じるレコードを既存システムで分析するのは限界に近い
  • クラウド化でITリソースの柔軟性・拡張性の向上を目指す
  • 事例が豊富でクラウドの特性を活かせるAWSを基盤に選択
AFTER
  • Redshiftを活用したDWHを中核に新しい分析基盤の構築支援
  • 安全性と可用性の高いWebベースの受発注システム構築をサポート
  • システムの安定化とコスト最適化で高い評価を得る

グループを支える情報基盤はクラウド化が必須

DCMホールディングスは、5つの事業会社を中核に、日本全国へ幅広くホームセンター事業を展開しています。中部地方で事業を展開する「DCMカーマ」、近畿・中国・四国・九州地方で事業を展開する「DCMダイキ」、北海道・東北・関東を中心に事業を展開する「DCMホーマック」の経営統合に伴い、グループ統括会社として2006年に設立されました。2015年には北海道と青森県に展開する「DCMサンワ」、2016年に山梨県・神奈川県に展開する「DCMくろがねや」が加わり、現在の形になりました。

DCMの名は、経営方針“Demand Chain Management お客様視点からの流通改革”を由来とし、コーポレートスローガン“Do Create Mystyle くらしの夢をカタチに”という思いも込められています。

「常にお客様の視点に立ち、オリジナリティにあふれるプライベートブランド商品の開発とラインアップの強化に注力しています。全国の店舗を通じて、人々のくらしが各自のスタイルに近づけるような、新しい価値と創造力を届けたいと考えています」と、システム・物流統括部 システム開発部長の桑山英二氏は述べています。

システム開発部では、グループ全体のビジネスを支えるべく、情報システムの改革を重点施策として推進してきました。もともと個々の事業会社は独自のシステム基盤を構築・運用しており、コストの最適化とフローの共通化を目指し、2009年ごろから統合が推進されました。2016年にはDCMホールディングスがシステム開発を統括して戦略的にプロジェクトが進められました。

一方で同社は、システムのクラウド化も積極的に進めています。従来から、数年おきのシステム更改にかかるコストや、日常的な運用保守の負荷などの肥大化が課題視されていました。桑山氏は「当社グループが経営戦略に応じてビジネスの多角化を進めていく過程において、ITリソースの柔軟性や拡張性を高めていく必要があります。そのためには、クラウド化が不可欠だと判断しました」としています。

内製強化を応援してくれるパートナー

DCMホールディングスが、最初の本格的なクラウドシフトを図ったのが分析基盤です。もともと同社では、オンプレミスのデータウェアハウスを用いた分析システムを開発・運用していました。しかし、分析のニーズが高まるにつれ、十分なパフォーマンスが得られないことが課題になっていきました。

ホームセンターは、多種多様な商品が手に入るというのが魅力の1つです。加えて全国671店舗(2019年2月28日現在)を統括する同社では、1日に7,000万件ものレコードが生成されるそうです。既存のシステムで分析するのは限界に近く、将来的な事業拡大・多様化を鑑みれば、クラウドのようにリソースを柔軟に拡張できるプラットフォームが必要でした。

そこでDCMホールディングスは、複数のクラウドサービスを試用しながら、最適なプラットフォームの選定に入りました。その中から、特に事例が豊富で“クラウド”の特性を最大点に生かすことができる先端サービスとして、Amazon Web Services(AWS)を選びました。Amazon RedshiftやAmazon EC2を自ら試して実感を得ると、クラスメソッドをパートナーに選定し、本格的な開発に着手しました。

DCMホールディングス株式会社
「私たちは、人材不足の中にあっても、内製強化を図りたいと考えていました。そのためには、単なる御用聞きではなく、親身に支援してくれるパートナーが必要でした。クラスメソッドは、希少なAWSのプレミアコンサルティングパートナーとして活躍し、多数の実績を持ち、にもかかわらず惜しみなく情報発信を行っています。サービスの提案内容も、当社が主体となって開発を進めながら適宜サポートするというもので、私たちのニーズにマッチしたものでした」と、システム・物流統括部 システム開発部 システム開発課長の遠藤将一氏は振り返ります。

実際、DCMホールディングスとクラスメソッドのパートナーシップは分析基盤にとどまらず、Webベースの受発注システムやOutSystemsを用いた開発基盤など、深く広く続いています。

さまざまなプロジェクトの要求に応じたサポート

DCMホールディングスの新しい分析基盤は、Amazon Redshiftによるデータウェアハウスを中核として構築されました。既存のオンプレミスシステムを併用しながら、必要に応じてBIツールでデータを呼び出し、定型帳票の出力やレポーティング、高度な自由分析などに活用しています。

「分析基盤の構築にあたっては、クラスメソッドがAmazon Web Servicesと協力し、実データを用いたPoCを行って、きめ細やかな検討を行ってくれました。本番環境の構築においても適宜アドバイスをいただきながら進めることができ、また、運用フェーズに入ってからもデータ量が多いテーブルの扱い方や負荷の高い処理に対するアドバイスを随時頂いており、継続した安定運用を実現できています」(遠藤氏)

Webベースの受発注システムは、DCMグループが取引しているベンダー向けに提供しているものです。商品の発注業務を支える重要なシステムであり、インターネットからのアクセスと基幹システムとの連携が必要なことから、安全性と安定性が極めて重要になります。

DCMホールディングス株式会社

ここでもクラスメソッドのノウハウ・知識が役立ちました。AWSは簡単に使える反面、設定をまちがえてセキュリティホールを作ってしまう恐れもあります。遠藤氏は、「参考書を読んで作れるというものではなく、経験が非常に重要です。クラスメソッドの経験に即した知見によって、安全かつ可用性の高いシステムを構築することができました。」と高く評価しています。

またDCMホールディングスでは、内製強化の“切り札”として「OutSystems」を活用しています。ビジュアル言語を用いたコードレス開発手法が採用されており、少数精鋭ですばやく幅広いソフトウェア開発を実践できるのが特長です。

DCMホールディングス株式会社
OutSystemsを搭載する基盤の構築作業は、クラスメソッドが全面的に担当しました。内製化したいとはいえ、複数のプロジェクトを並行して進める多忙な状況で、「任せられるところは任せたい」というのが遠藤氏の要望だったためです。

このほかにも、事業会社のWebサイト、検証用のプラットフォーム、サービス支援システム、プロジェクト管理システムなど、さまざまなシステム構築をクラスメソッドが支援しており、今後もますますAWS化が進められる予定です。

ビジネス変革への貢献も大いに期待

DCMホールディングスでは、インフラをAWSへ切り替えたことにより、オンプレミスシステムに比べて気軽にすばやく、失敗を恐れずに施策に取り組めるようになったとのことです。内製強化も期待どおりに進められており、さらなる効率化を目指して活用範囲を広げたい意向です。

DCMホールディングス株式会社
桑山氏は、クラスメソッドのサポートサービスについて、「これらの成功に対して貢献度は非常に高く、真のプロフェッショナルらしく申し分のない働きをしてくれました。システムの安定化・コスト最適化において、サービス費用も含めて、非常に満足できる結果が得られたと感じています」と、非常に高く評価しています。

「今後の小売業界は、多数の商品を棚に並べるだけのビジネスから脱却し、変革していかなければなりません。そのキーとなるのがITです。クラスメソッドは、ウォークスルー決済を実現したDevelopers.IO CAFEのように先進的なIT活用に取り組んでおり、新しい領域のキープレイヤーとして無視できない存在です。今後もパートナーシップを継続し、DCMホールディングスのビジネスに貢献していただきたいと考えています」(桑山氏)

DCMホールディングスは、ITとAWSのパワーを活用し、今後も新しいホームセンターサービスを生み出していくことでしょう。クラスメソッドは、幅広い技術提供を通じて、同社のビジネスを継続的にサポートしていきます。

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