株式会社デジタルレシピは「AIと共に生きる未来をつくる」をビジョンに掲げ、人工知能の社会実装を実現するAI事業創造に取り組んでいます。PowerPointをWebサイトに変換するサービス「Slideflow」、自然言語処理モデル「GPT-3.5 turbo」を活用したキャッチコピー文生成サービス「Catchy」等のSaaSサービスを、BtoB向けに提供しています。
クラスメソッドは、2022年からテクニカルパートナーとして、アクセス増加に対応するAWSインフラの改善支援ならびにセキュリティ技術支援を行いました。これまでの取り組みと展望について、CTO 古川さん、プロダクト部スライドフローチーム所属の東さんに話をうかがいました。
DevelopersIOでのAWSの知識量やキャッチアップの早さによる安心感から、技術支援を依頼
デジタルレシピは2022年3月、PowerPointやGoogle Slides等で作成したデータから、誰でも簡単にWebサイトが制作できるノーコード・Webサイト制作サービス「Slideflow(スライドフロー)」を法人向けに提供開始しました。本サービスはリリース当初から注目を集め、提供開始から僅か1年余で作成サイトが3,500件を突破するという急成長ぶりを見せています。(※2023年6月時点)
「もともと一開発者としてAWSについて調べていると、必ずDevelopersIOが出てきました。分かりやすく情報がまとまっていて、情報のキャッチアップも早い点から信頼感がありました。Google Cloudの利用も検討していましたが、情報量の多さ、ユーザーの多さから生まれるチームのスケールのしやすさ、開発のスピード面の出しやすさからAWSの利用を決定しました。AWSについてクラスメソッドさんにしか頼めないと思い、今回ご依頼させていただきました。」(古川さん)
急激なユーザー増に対応するため、サーバーのオートスケール化を実施
サービスイン当初はサーバー1台で稼働していましたが、わずか2〜3ヶ月で大幅にユーザーが増加したことに対応しきれず、自動的にサーバー台数が増減されるオートスケール化することにしました。
「クラスメソッドさんに、こちらの実現したいことをざっくりとお伝えすると、どうすればいいかについて具体的な指示を頂いたり、時には実際に作業をお願いしたりということもご支援いただくことができて、非常に助かりました」(東さん)
ISMS取得をきっかけとした、包括的なセキュリティ強化支援
ユーザー増に応えられる環境を構築する一方で、徐々に増えていったのがセキュリティに関する質問やISMS取得についての要望です。大手企業のユーザーが増えるに従い、利用環境のセキュリティ基準が厳しくなり、対応が求められるようになっていきました。
クラスメソッドからのアドバイスのもと、WAF(Web Application Firewall)等のセキュリティ対策を実施するとともに、Amazon GuardDuty等のモニタリングツールの導入も行い、アクセスログや操作ログなどを整備して、ISMSの項目に対応できるように対応していきました。ISMSの審査が2022年12月に実施され、フィードバックがあった項目のなかで改善の優先度が高いものについて、クラスメソッドの支援のもと対応を進めました。
「実際にログを分析する際には、Amazon AthenaにてSQLクエリを送信するという手順を踏むのですが、使い方もノウハウとして提供して頂けました。その時つくっていただいたクエリは、今後も活用していきます。日々の業務の中では、新しいツールを使えるようになるまでの学習時間を取れず、手が回らないところですので、とても助かりました」(東さん)
今後の運用に活用できる支援内容により、技術レベルが向上
クラスメソッドの支援により、社内エンジニアにはAWSのインフラ構築や脆弱性対応に関するツール利用について、知見が蓄積されていきました。東さんは、もしクラスメソッドの支援サービスを受けていなかったら、同じことを実現するのに5〜6倍の時間がかかったのではないかと当時を振り返ります。
「社内で調べて構築した場合、機能の検証が必要です。ツールの利用方法やデータの見方の調査を経て、構築という流れになります。さらに、選択した方法に確信が持てず慎重になるため、想定以上の時間がかかっていたかもしれません。短い時間で解決できたこともありがたいですし、知見のあるクラスメソッドさんにサポートいただけたことで、自信をもってその運用内容を選択できたことが確実にコスト削減につながっていると思います」(東さん)
クラスメソッドのサポートで得られたノウハウを用いることで、今後も効率よく運用できる見込みです。サポート期間が終了した後にも役立つ、長期的な視点でのコストメリットもあったと言います。
「運用について支援いただき、技術的な面の自信に繋がりました。OJTのような形で提供頂いた情報をベースにしていますので、何をどうしたらいいのか、以前に比べて格段に理解できている状態になったと感じています」(東さん)
柔軟な対応で安心感を持って、セキュリティ対策を実施
今回の支援により、ユーザー増やセキュリティ対策に対応する基盤が整ったデジタルレシピ。今回の取り組みで生み出されたノウハウを活かした形で、他の部分にも適用していきたいと考えています。またセキュリティ対策についても、徐々に進めていきたいとのことです。
「ご支援いただく前から評判も聞いていたため、期待値が高かったのですが、その期待にしっかりと応えてくださいました。弊社エンジニアのメンバーとのやり取りも拝見し、細部までしっかりと調査いただいて本当に助かりました。現場レベルでも本当に助かったと聞いています。」(古川さん)
必要な支援をピンポイントで的確に得られるクラスメソッドの支援サービスは、非常にフィットするものであったと東さんは言います。
「リリースが終わったばかりでエンジニアのスケジュールを確保していなかった中、急激なユーザー増に対応するため多くのことを早急に決めなければならない状況がありました。そこを柔軟にフォローしてくれる存在として、クラスメソッドさんがいてくれたのはありがたかったです。クラスメソッドさんの柔軟なご支援なくしては、ISMS対応は難しかったのではないかと思う程です」(東さん)
クラスメソッドはこれからも、AWSクラウドの技術コンサルティングによって、今後も引き続きデジタルレシピのサービス向上に貢献してまいります。