錬金術師養成アカデミーで書記生として活躍し、錬金術師とともに成長する育成ゲーム「廻らぬ星のステラリウム」(以下、らぬすて)。プリントシール機事業やアニメ・ゲームなどエンタテインメントコンテンツを提供するフリュー株式会社のスマートフォンゲームです。本作は事前登録で15万人を突破し、2024年4月のリリース日にはAppStoreの無料ゲームランキングで1位を獲得するなど、快調な滑り出しを見せています。
本作において、クラスメソッドは同年3月からAWSを活用したインフラ構築で同社をサポートしました。サポートのきっかけや内容、今後の展望について、ゲーム・アニメ事業統括部スマートフォンゲーム部開発課の中川和哉さん、宇城祐輔さんにお話を伺いました。
新しい技術への取り組みとレビュー依頼へ
同社ではAWSを2011年ごろから利用しており、これまでもノベルゲームなどでEC2やRDSを活用していました。2023年から開発が始まった、らぬすてのインフラでもAWSを活用しています。
ゲームシステムの基盤となるインフラストラクチャをコードとして管理でき、また自動化も行えるIaC(Infrastructure as Code)の導入も決めていました。そうした中、請求代行サービスとしてクラスメソッドと契約していたご縁もあって、AWS Japanから技術サポートとして2023年12月にクラスメソッドを推薦されました。
すでにインフラの構成が固まったタイミングでしたが、サポートを受けることを決めた理由について、宇城さんは以下のようにお話ししています。
「IaCとしてAWSでインフラを一から作りあげたのは今回が初めてでした。そのため、専門的な知見を持っている方にレビューをお願いしたいと考えていました」(宇城さん)
レスポンススピードと回答に安心感を得た
クラスメソッドが参画したのは、負荷試験が終わってチューニングを施すタイミングでした。定期的なミーティングは設定せず、BacklogやSlackを中心にコミュニケーションを取りつつ、必要に応じてオンラインミーティングを行う形でレビューを進めていきました。
「らぬすての構成において、ECSのタスク数やコネクション数、また増大分に関する最適解が分からず、相談させてもらいました。他にも、サービスイン直後の初期流入時の挙動が読めず、負荷対策についてサポートしてもらいました」(宇城さん)
当初、宇城さんはクラスメソッドのサポートのレスポンススピードについて不安を感じていました。問い合わせから回答までにどれくらいの時間を要するのか、それは問い合わせを行っていく中で解消していったと言います。
「こちらのアクションに対するレスポンスが速く、回答内容も適切でした」(宇城さん)
クラスメソッドからは、ソーシャルゲームのインフラに関する知見を持ったエンジニアがサポートにあたっていました。
「ここがボトルネックになりそうです、といったアドバイスを能動的にもらえたのが、大きな安心感につながりました。ゲーム開発経験のあるエンジニアの方に、進捗を確認してもらいつつレビューしてもらえて非常に助かりました」(宇城さん)
サポートについてはツール面だけでなく、エンジニアが問い合わせしやすい雰囲気作りについても好評です。
「Slackでの気軽な相談窓口は本当に助かりました。たとえばフォーム入力を伴うものなどは、利用する際のハードルがとても高いと感じます。それに対してSlackならば敷居が低く、とても質問しやすかったです」(宇城さん)
リリースから運用フェーズへ
クラスメソッドが参画しておよそ1か月、2024年4月初旬には必要なサポートが終わり、無事に4月23日、らぬすてがリリースされました。リリース前後では専任の担当者が状況を把握しつつ、インフラの状況をリアルタイムに確認しながらサポートできる体制を整えました。
無事にリリースしたらぬすては、その後も安定稼働しています。現在はシステム運用を他社に依頼する手続きを進めながら、データ分析を行っており、円滑で利用者がより楽しめる運営に取り組んでいます。
「現時点ではAmazon CloudWatchのアラームを共有し、それに対応していく形で運用しています。検知は適切に行なわれていて、事前想定の範囲で運用できています」(中川さん)
次回はより良いシステムを構築できるという自信
今回はレビューを中心とした支援でしたが、クラスメソッドには他の範囲でのサポートも期待されています。
「今後は、コスト面でのさらなる最適化やパフォーマンスチューニングなどで相談させてもらいたいと考えています。また、新しい技術トレンドや面白い情報なども共有いただけると嬉しいですね」(中川さん)
「次回のプロジェクトでは、もっと早い段階からクラスメソッドさんに相談させてもらいたいと考えています。今回の経験を基にすればゼロベースではなく、一歩進んだ状態で始められます。設計段階からアドバイスをもらえれば、より良いシステムが構築できると思っています」(宇城さん)
クラスメソッドは今後も、AWSを利用したゲームインフラ構築に取り組むフリューをサポートしてまいります。