マーケティングリサーチ/インサイト事業の分野で、アジアNo1(※)の売上高を誇るインテージグループを牽引する株式会社インテージ。
※「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2024」に基づく(グループ連結売上高ベース)。
同社は、飲料、食品、化粧品など、日用消費財のPOSデータの抽出・加工用途でETLツールのAlteryxを活用し、レポート作成や分析の業務を効率化しています。同社が2019年から長年にわたりAlteryxを利用している理由、分析業務での活用状内容、メリットなどについて、戦略デザイン部の川野さん、リテールデータマネジメント部の飯田さん、平井さんにお話をうかがいました。
スタート時のサポートを評価しクラスメソッド経由でAlteryxを導入
「Create Consumer-centric Values」をビジョンに、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通して、生活者の幸せの実現を目指すインテージ。全国70,000人の日々の買い物データを集めた「SCI(全国消費者パネル調査)」や、全国約6,000店舗の小売店販売データを集めた「SRI+(全国小売店パネル調査)」などを保有し、国内最大級のデータと卓越した分析力でマーケティング活動をリードしています。

日々の業務でデータの収集、加工、分析を行う同社では、デジタルマーケティングチームが2019年にクラスメソッド経由でAlteryxを導入、大量データの加工処理を効率化しました。クラスメソッド経由での契約理由を川野さんは「スタート時のサポートの手厚さにある」と語ります。
「担当者が前職でAlteryxの利用実績があり、クラスメソッドともお付き合いがありました。クラスメソッドには当時から勉強会を開いてサポートをいただいてきましたし、技術ブログ『DevelopersIO』にもAlteryxの解説記事が多数あり、活用事例も豊富でしたので、クラスメソッド経由での導入を決めました」(川野さん)
大量ファイルの結合にパワフルなAlteryxが威力を発揮
その後、「大量データの加工に強いAlteryx」という評判は社内に広がり、飯田さんや平井さんの所属するリテールデータマネジメント部も2023年にライセンスを追加購入。POSデータの加工用途で使い始めました。
現在、飯田さんはAlteryxを利用して小売店販売データ「SRI+」の検証用レポートを作成しています。検証用レポートは、週次で集計したデータをお客様に提供する前段階の、社内でのデータ品質確認用途で利用するもので、データベースから出力した大量のExcelファイルやCSVファイルを加工して作成します。しかし、ファイルは大量にあり、しかも業界別に細分化されているため、1本の検証用レポートを作成するだけでも40から80本のExcel/CSVファイルを加工することになります。そこで飯田さんは、Alteryxを活用して大量のファイルを結合し、チームメンバーが見やすい形に加工して、最終的にExcel、PowerPoint、Tableauなどの形式で出力しています。

データ加工用のワークフローは飯田さんがGUI操作で作成し、データ入力から出力までを自動化しています。Alteryxについて飯田さんは「パワフル」と評価しています。
「実際に使ってみると、何ギガという大量のファイルを加工してもパフォーマンスが落ちないパワフルさがあります。加工処理の時間が短くなることで、業務の効率化につながっています。ワークフローはノーコードで作成ができるため、自分の思い通りに加工することができます。またTableau用のデータ出力が可能で、より多くの人にレポートをチェックしてもらえる点もメリットです。データインプットの幅も広く、Excel/CSVファイルだけでなく、基幹システムのデータベースから直接取得できる点においても助かっています」(飯田さん)
飯田さん自身は前職の2019年からAlteryxの利用実績があり、2023年に同社に入社後もさまざまな用途でAlteryxを活用してきました。
「例えば、SRI+に異なるデータを投入すると分析結果がどう変わるかを検証するために、シミュレーションデータをAlteryxで作成し、本番データを使った分析結果と比較するといった使い方もしています。その他にもインバウンドの消費動向を分析するため、免税系のデータだけを抽出して加工するフローを独自に構築したりしています。そうしてAlteryxを活用するうえで、DevelopersIOの技術情報は非常に有益で、いつも参考にしています」(飯田さん)

Udemyによるトレーニングなどにより初心者が1カ月でAlteryxを習得
リテールデータマネジメント部におけるもう1人のAlteryxユーザーが平井さんです。現在、SRI+のデータ品質向上に向けた研究用途でAlteryxを活用しています。大量のPOSデータから小売店別の販売実績を抽出して加工し、世の中の変化を見据えた推計ロジックを作成することが平井さんのミッションです。

平井さん自身は、部門内の役割変更により2024年10月からAlteryxの本格利用を開始したばかりで、利用歴は1年です(2025年9月時点)。利用開始当初はクラスメソッドがオンライン学習プラットフォームのUdemy(ユーデミー)上で展開しているハンズオントレーニングを受講したり、クラスメソッドがYouTubeチャンネルで配信しているAlteryxの解説動画を見たりして習得していきました。
「まずは、これまで自分で手を動かしていた作業をAlteryxで再現することから始め、徐々に使い方を理解していきました。動画を見ればほとんどは理解できますし、知らないことも調べればすぐに情報が出てきますので、1カ月もかからず習得することができました。あとはユースケースベースでAIに質問しながら学習を進めていきました。使い始めて1年ですが、Alteryxでデータ加工フローを作成する作業を通して、自分が業務で扱うデータに対する理解も深まりました」(平井さん)
実際に使ってみて業務で助かった瞬間は多々あるといいます。その中でも、「Alteryxのフィルター機能が効果的だった」と平井さんは振り返ります。
「販売店別の分析結果から、飲料、食品、日用品などの属性をさかのぼって振り返る業務が発生した際、フィルター機能で属性を簡単に分類することができました。Excelで分析する場合は自分でIF文を書いて条件検索するしかなく、大変な作業になっていたと思います。その他にも、官公庁のデータを利用して全国の小売店を把握する際、100万行にもおよぶ大量のExcelファイルを一括して統合することができ、Alteryxのパワフルさを実感しました」(平井さん)
業務でAlteryxをフル活用する平井さん。川野さんとの間で、こんなエピソードもあったそうです。
「いつだったか、作業をしていた平井が急に私の席にやってきて、すごく熱のこもった口調で『川野さん、Alteryxがなかったら私、本当に困っていました。あってくれてよかったです!』と言ってくれたことがありました。その時は私も嬉しかったですね」(川野さん)

利用者の満足度が高くスモールスタートから徐々にライセンスを追加
2019年の初期導入から約6年が経過した2025年9月現在、デジタルマーケティングチームとリテールデータマネジメント部の希望者複数名で利用しています。契約の更新を重ねながら長年にわたって利用を続けてきた理由について、川野さんは「利用者の満足度が高いから」と打ち明けます。
「業務の中で確実に成果を出しているため、『Alteryx以外は考えられない』と話す利用者がほとんどで、費用対効果の高さを実感しています。飯田さんのチームがAlteryxを使い始めた2023年当時、社内認知を高めるために複数部門を対象に勉強会を開いて事例紹介を行ったところ、関心を寄せるチームも現れ、結果として平井さんのチームが2024年からAlteryxの利用を開始しました」(川野さん)
導入当初から現在に至るまで、クラスメソッドのサポートにも満足し、パートナーとして信頼を寄せています。
「導入時のサポートはもちろんのこと、その後もUdemyやDevelopersIOによる情報提供など、手厚い支援に助けられています。Alteryxの利用に関する運用上の課題が生じた際も、我々の事情を汲んですごく親身になっていただき、納得がいく形で決着することができました」(川野さん)

活用事例の紹介などを通してAlteryxの社内利用を拡大
2025年10月には飯田さんや平井さんのリテールデータマネジメント部に2ライセンスを追加、ユーザーを拡大し、データの加工や分析にさらにAlteryxを活用していきます。また今後も社内への活用事例の紹介や勉強会の開催などを通して利用を呼びかけていく考えです。
一方でクラスメソッドに対しては、Alteryxを含めたBIツールやETLツールに関する幅広い情報提供や、データを活用したビジネスコラボレーションにも期待を寄せています。
「システムのプロフェッショナルであるクラスメソッドに当社の業務フローやツール活用を診断していただき、しかるべきアドバイスがもらえると嬉しいです。また、将来的な夢として当社の保有するデータを活用して一緒にサービスを企画し、お客様に新たな価値を提供できたら面白いと考えています。今後もよろしくお願いします」(川野さん)
データの力とデータから価値を引き出す人の力によりお客様企業のマーケティングを支えるインテージ。クラスメソッドは引き続き、その期待に応えて支援を続けてまいります。