同社は調査管理システムを内製で開発し、インフラも自社で構築/運用してきました。3年前から、インフラ保守業務の改善を目的として、AWSへのインフラ移管の検討を始めました。移管の実施にはAWSに精通したアドバイザーが不可欠であるとの判断から、クラスメソッド「技術アドバイザー」サービスを採用。以後、継続的なパートナーシップが続いています。クラスメソッドの選定理由、今後の展望について、執行役員である若松氏、インフラエンジニアの山村氏に、詳しく伺いました。
インフラ保守管理の負担軽減にAWSを採用、内製開発でやりきる選択
覆面調査(ミステリーショッピングリサーチ)事業を行うMS&Consultingでは、調査員であるモニター会員は約50万人の登録があり、店舗調査数は毎月約10,000~20,000件程度を受託しています。詳細なレポートを納品するため、データには添付ファイルなども含まれ、10年間で蓄積されたデータ量は約5TBと膨大なものでした。
「今ではインフラ担当も複数名いますが、つい最近まで山村が一人で対応に当たっていました。運用しているアプリにはコミュニケーションツールもあることから、クライアントから24時間365日の保守運用を求められ、本当に厳しい状況でした。運用監視や障害対応を外注しても、オンプレミス運用のままではどうしても対応可能範囲が限られてしまうので、保守の負荷をとにかく減らしたいと考えて、AWSへの移行を検討し始めました。」(若松さん)
新規開発サービスからAWSを導入し、問題無く運用できることを確認しながら、既存サービスのAWS移行の検討を始めました。本格的な移行に当たっては、サービス数も多く、自社コンテクストを理解したエンジニア以外の対応は難しいという判断から、外注やコンサルティングではなく、技術アドバイザーを探すことにしたそうです。
「誰にアドバイザーとなってもらうかは、大きな問題でした。頼む側であるこちらは、『できます』と言っている相手が本当に出来るのか、知見が無いから判断出来ません。その点クラスメソッドさんは、AWSについて当時から膨大なアウトプットをされていて誰もが知る存在でしたから、我々としても、クラスメソッドさんのアドバイスであれば受け入れられると思いました」(若松さん)
クラスメソッドは「技術アドバイザー」のサービスを提供するにあたり、MS&Consulting社のAWS移行プロセスに寄り添うよう提案させて頂き、採用されました。
質問の場でもあり、課題棚卸しの場でもある「定例ミーティング」
AWSを利用するにあたって最大の問題は、10年間の内製で開発してきた膨大なデータを、いかに移行するかということでした。
「最初は何を聞いたらいいのかも分からない状態でしたが、構築を進めていく中で課題が出てくるたびにご相談させていただきました。クラシックASPなどレガシーなサービスを多く使っていたため、移行するには細かい配慮が必要でした。細かい質問をしても答えていただいて、大変助かりました」(山村さん)
「特に添付ファイルの移行が大きな問題になっていましたが、S3への移行を前提に、50カ所近いプログラムを1年以上かけて切り替えました。膨大な工数がかかるため、当初はアップロードプログラムを変えたくないと考えていましたが、クラスメソッドさんから中長期的な視点でアドバイス頂き、踏ん切りがつきました。古いものから順次移行したり、定期的にデータ同期しなければいけないなど、移行作業も大変でしたが、これしかないという判断が前提にありましたので、やりきることが出来ました」(若松さん)
定例ミーティングでは技術的な課題に対しての返答をさせていただくことはもちろん、プロジェクト全体の進捗を確認する場としてもご活用いただきました。
「3年のお付き合いの中で、こちらが気づく前にいろいろご提案を頂くことも多く、助かっています。パートナー会社を探す時、担当者を固定でアサイン頂けるかどうかというところも重要視しているのですが、クラスメソッドさんはきちんと守ってくださっている。弊社のシステムをよくご理解頂いた上で、ご提案頂いているのが分かります」(山村さん)
技術アドバイザーの提案で、年間100万程度のコスト削減が可能に
常に進化し続けるAWSでは、新しいサービスリリースにより、3ヶ月前にできなかったことが出来るようになることは珍しくありません。常にAWSの最新情報をキャッチアップし続け、最適化の模索が重要であると考えているお二人は、現場の人間として、それが難しいことであるとも語ってくださいました。
技術的な環境や設定のアドバイスはもちろん、クラスメソッドは設定の最適化によるコスト削減についてもご提案しています。2022年は32年振りの円安水準と言われており、AWSの利用にあたっては大きな影響が出ています。
「円安の影響で、2022年初頭に組んだ予算と比べて2~3割の値上がりとなってしまいました。そんな中、クラスメソッドさんからは、現状のサーバ稼働率などを分析した上で、利用していない部分を見つけ出し『ここはもう少しコストを抑えられると思います』と提案頂いています。コストが下がってもサービスレベルは変わらないという内容でご提案頂けるので、変更の判断がしやすい。実際に、今年度は100万円以上のコスト削減が出来る見込みになっていますので、凄いなと思いましたね」(若松さん)
最新技術のキャッチアップで、状況に合った提案がされる「技術アドバイザー」
「AWSに特化した技術的集積があって、常に最新の技術を追い続けている、そこを期待しての技術アドバイザー採用でしたし、それは今も間違っていなかったと思います」(若松さん)
3年間のパートナーシップの中で、MS&Consultingが提供する13のサービスのうち12がAWSに移行完了しました。1つのサービスは今後のAWSのアップデートによって移行予定だそうです。
「クラスメソッドさんなら、出来るようになった時点で『御社のサービスに、新しく出たコレが使えるんじゃないですか』とご提案頂けると思っています。AWSを使い続ける限りは、クラスメソッドさんのような技術アドバイザーと継続的に話せる状況を止めてはいけない。内容的にも非常に高レベルです。採用しない理由が見つからないくらいのクオリティで支援を頂いている、と認識しています」(若松さん)
MS&Consultingの内製開発をサポートする企業として、クラスメソッドはオンプレミスからクラウドへのマイグレーションのノウハウ・実績を活かし、今後もクラウド化施策に貢献してまいります。