「5秒で会員証」
LINEミニアプリで繋がりやすい導線設計を

株式会社パル

執行役員 プロモーション推進部部長 堀田覚様

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公開日:2020年6月30日

株式会社パルは、40種類以上のブランドを展開するアパレル・雑貨の製造小売企業です。現在の売上は75%が「Kastane」「mystic」などのアパレル、25%が「3COINS」等のライフスタイル雑貨となっており、総店舗数は900店舗を超えます。4〜5年前までは、店舗数とブランド数を増やすことによって売り上げ規模を拡大してきましたが、近年はデジタル化の流れもありECを強化し、自社ECも立ち上げて売上を伸ばすことに注力した結果、2019年度にはEC全体で約170億円の売上を達成し、2020年度には更に増加してEC全体で220億円以上、そのうちの自社ECも70億円を目指せる規模まで成長してきました。

パルの特徴として、創業当時より社員からのボトムアップでの提案でブランドを作り増やしてきたという方針があります。2018年6月にリニューアルしたiOS/Androidアプリ「PAL CLOSET」は、従来型のブランドアプリの機能に加えて現場で流行を生み出す起点であるスタッフに焦点を当てた設計になっており、ユーザーはブランドだけでなく店舗やスタッフを個別フォローし、スタッフの個性を活かしたコーディネートをタイムラインで楽しめるようになっています。この新発想のモバイルアプリ開発は、クラスメソッドが手がけさせていただきました。
事例:スタッフにスポットライトを当てるマルチブランドアプリ「PAL CLOSET」

そして2020年春、パルは新たにパルグループのブランドを束ねる「LINEミニアプリ」を開発、利用を開始しました。「LINEミニアプリ」の先行導入ユーザーとして、どのような意図でLINEミニアプリ参入を決めたのか、また開発方針や、導入から数ヵ月を経ての実績、今後の展望まで、執行役員 プロモーション推進部部長 堀田覚様に詳しくお話を伺いました。

小売の最大のメディア、店舗をサポートする会員化アプリ

ネイティブアプリ「PAL CLOSET」の1番わかりやすいユーザーメリットは、会員証にポイントがつくことでした。アプリ導入後、パルグループの各店舗では接客の際にアプリダウンロード(DL)を促してきたそうです。約1年のアプリ運用を経て判明したのは、ダウンロードする人と、しない人が明確に分かれることです。接客スタイルによってもDL率には差があります。例えば長時間の接客スタイルのブランドは、1対1でやりとりしているので会話の合間にダウンロードしてもらいやすいですが、セルフで商品を選んで買うようなお店は、レジでしか対面接客しないのでオススメしづらく、DL比率が低くなっていました。

会員化のハードルをなんとか下げたいと考えていたところに、LINEが認定するTechnology PartnerでもあるクラスメソッドからLINEミニアプリの開発提案がありました。LINEアプリは約8400万の月間アクティブユーザー数(2020年3月時点)を持つ日本でも最大級のアプリです。パルのユーザー層の多くが既に利用している巨大プラットフォーム内に自社サービスを提供することで、お客様の利便性を必ず向上できると考えました。

「今回LINEさんと組んでクラスメソッドさんに開発してもらったLINEミニアプリは、『LINEから5秒で会員証が作れます』という言い方で訴求できるのが一番の導入メリットでした。カメラでQRコードを読んで、LINEログインで許諾すればすぐに会員証のバーコードが出てくる、という仕組みにしました。この会員登録の手続きを一番スムーズにしたかった。一方で、バーコードを出す一歩手前のところで、PAL CLOSETのLINE公式アカウントを友だち追加してもらうように設計したので、後日メッセージ配信という形でコミュニケーションもできるようになっています。お買い物されたお客様に、まずは会員になっていただきたいというのが第一の目的。第二の目的として、そのお客さんと繋がり続けるということがありました」(堀田さん)

<LINEミニアプリ画面>

LINEアプリとしてオンラインに閉じるのでは無く、むしろリアル店舗で会員になってもらうことにフォーカスを当てたパルの「LINEミニアプリ」。買い物時に会員証バーコードを提示したユーザーには翌日電子レシートがメッセージで届き、あわせて購入した商品のおすすめコーディネートが送られるようになっています。またPAL CLOSETのLINE公式アカウントと友だちになっていることで、後日、お客様をセグメントしてメッセージを配信することもできます。実店舗への来店は短い時間ですが、オンラインでコミュニケーションを取り続けることによって、店舗への再来店やECでの購入をユーザーに促すことが狙いとなっています。

「デジタルの時代とはいえ、我々のような小売業では、お客様がブランドを認知してくれたり、気に入ってくれたりする起点はリアル店舗です。そこで繋がったお客様と、オンラインでもずっと繋がり続けることが大事だと思っています。以前はオンラインとオフラインの広告を見てもらい、お店に来てもらうという流れだったと思いますが、今は流れの向きが逆になっている感じがしますね。お店がメディアとして成り立っていて、そこで知ったものを後でお客さんがECなりSNSで確認するというのが当たり前になり、さらにその傾向は強まってきていると思います」(堀田さん)

先行導入ユーザーとしての「LINEミニアプリ」開発

「今回の『LINEミニアプリ』開発は、LINEさんとしても新しい試みでした。パイロット的に始めたところがあったので、手戻りもありましたし、フレームワークを理解するのも難しかった。最初からいくつも機能を載せるのは難しいだろうと思って、ネイティブアプリが持っている機能の中で最も肝になると考えていた『会員化』に重点をおいて開発することにしました」(堀田さん)

「LINEミニアプリ」というサービス自体がパイロット段階だったため、関係者の誰もが答えを持っていない中での開発の難しさに加え、開発・導入の意義を社内に理解してもらうのも大変だったという堀田さん。WeChatミニプログラムなど、特に中国発のアプリには似た仕組みをもつものがあるものの、国内での知名度は低く知る人も少ないため、LINEの認知度とユーザー数を元に説得して回ったということです。

LINEミニアプリを「会員証アプリ」として使うことを目指し、会員登録の機能を実装すると決めた同社。その実装のためには、ネイティブアプリやECなどを通じて獲得した顧客情報のデータベースと、LINEミニアプリからの新規会員登録を齟齬なく繋ぎこむことが必要でした。
LINEユーザーには、LINEからユーザーIDが割り当てられています。会員証アプリではLINEのユーザーIDを取得し、他のシステムで管理されているパルの顧客ID・情報と、APIリクエストを通じて紐付けて表示することとなりました。
会員証アプリはAWSクラウド上に構築し、LINEのユーザーIDやパルの顧客情報取得のためのAPIの実行や、ユーザ認証、顧客情報の表示などを行えるようになっています。

<システム概要図>

LINEの他、パルグループの既存ECを開発しているベンダーとも連携したプロジェクトでしたが、クラスメソッドの担当する開発箇所は3ヶ月程度で完了しました。
しかし、LINEミニアプリの先行導入事例であるために、公開前のLINEによるアプリ審査は時間をかけて行われ、最終的なリリースに漕ぎ着けたのは開発開始から約8ヶ月後でした。

「先行導入ユーザーだからこその苦労はありましたが、ガッチリ決まっていないからこそ自由にやらせてもらえた部分も多かったと思います。例えば、おすすめコーディネートを表示する機能は、LINE内ではなく既存のECサイトを利用して行っています。またLINEミニアプリ上でのユーザー行動をざっくり計測できるようなツールと連携し、PDCAサイクルを回せるようにしました」(堀田さん)

シームレスなブランド体験でリアル店舗のお客様とつながり続ける

2月末にPAL CLOSETのLINEミニアプリをリリースした後、コロナ禍で店舗の閉鎖が決まるまで1ヶ月程度しか期間が無かったにも関わらず、ライトユーザーが多く会員化率が相対的に低かったブランド「3COINS」の会員数は約3倍にも増加したそうです。2020年3月の1ヶ月間のネイティブアプリとLINEミニアプリの初回ユーザー登録者数は1対2となっており、初回ユーザ登録はLINEアプリの方が圧倒的に楽、ということが見えてきました。

<店頭でのLINEミニアプリ利用案内POP>

今後はLINEが持っている様々なサービスを利用することで、パルのお客様が、パルのブランドを心地よくシームレスに体験できるようになれば、と堀田氏は言います。また、お客様の会員化が増えるにつれ、お客様のデータがもっと取れるような仕組みを考えていかなければいけないと考えているそうです。それと共に引き続き力を入れたいと考えているのは、販売スタッフの個別実績評価です。

「ボトムアップでのブランド構築と一対になる話ですが、弊社の体質として、成果主義が根付いています。店舗の目標や予算があって、それを達成した時の賞与の弾力性が高いんです。またブランドを運用している人も、利益を出すかどうかで弾力性のあるボーナスの貰い方をします。これを今後更に、リアル店舗だけでなく、デジタル接点を通じた販売実績も含めて、結果を出した販売スタッフに対して還元していくという仕組みを作っていきたいですね。ECの販路に結びつけるという功績ができる時代なので、そのあたりを多面的に評価するように進めています」(堀田さん)

コロナ禍により多くの店舗を閉鎖していた4、5月は、自社ECの売上げが2倍以上に伸びたというパル。しかしこの業績は、これまではリアル店舗でしか買っていなかったお客様からの購入が多かったことが分かっており、リアルな店舗接点の重要性が、更に重みを増しています。オンラインECとリアル店舗のお客様を区別するのではなく、リアル店舗のお客様がECを見た時、商品購入において迷うことがないように導線を考えたり、不安を払拭するような形にしなければならないと、今まで以上に考えているそうです。そんな同社の企業活動を、これからもクラスメソッドは継続してサポートしていきます。

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