劇場映画が好調な「ソニック」シリーズや「ぷよぷよ」などのゲームで御馴染みのセガ、パチンコ・パチスロ遊技機大手のサミーなどを傘下にもつセガサミーホールディングス(以下、セガサミーHD)。ITインフラのクラウド化、セキュリティガイドラインの作成など、DX推進に大きく舵を切っています。
そうした中、同社では2024年7月にAWS運用かんたん自動化ツール「opswitch」を導入しました。今回はITソリューション本部 グローバルセキュリティ推進室に所属し社内インフラの運用を担当する作本様に、opswitchの導入背景、効果、クラスメソッドの支援体制までお話を伺いました。
グループ全体でDXを推進。2022年からはAWSも選択肢に
同社ではコロナ禍によるハイブリッドワークの導入をきっかけに、セキュリティやDXに対する意識が社内で高まったといいます。オフィスだけでなく、自宅やコワーキングスペースなど、さまざまな場所から社内システムへアクセスする状況が増えたためです。
それにともない、2022年10月から同社はAWSの本格運用を開始。ITインフラの環境を従来のオンプレミスだけでなくクラウドでも運用するようになりました。加えて認証基盤としてAuth0の採用、セキュリティガイドラインの作成など、セキュアな環境づくりを推進。都度、クラスメソッドは技術支援を行ってきました。(関連記事:AWS導入事例、Auth0導入事例、セキュリティガイドライン作成支援事例)
その後も継続的にDX推進を続けていく中で、2024年7月にはAWS運用かんたん自動化ツール「opswitch」を導入しました。
opswitchのシンプルな操作性に感激
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「最初にデモで触った時に、直感的でわかりやすいと感じました。世の中には機能が多すぎたり、使った後どうなるかがわかりづらかったりするツールもあります。いっぽうでopswitchは自分が操作した先の動きが想像できますし、思い描いた通りに動いてくれます。シンプルな機能設計、かつ非常に使いやすい操作性で、使っていて楽しいと感じたのです」
opswitchはクラスメソッドが無償で提供しているAWS運用の自動化ツールです。EC2やRDSなどのインスタンスなどをスイッチ1つで起動・停止でき、スケジュールに従って自動化することも可能です。バックアップ作成も自動で実行できるほか、災害時などに役立つリージョン間コピーや、リソースの止め忘れチェックの機能もあります。
また、複数AWSアカウントを統合的に管理でき、社内の複数プロジェクトを横断的にジョブ設定できるのが大きな特徴。実行スケジュールは月次、週次、日次、1回だけ実行、都度実行から選べ、用途に応じて柔軟な設定ができます。
30を超えるプロジェクトアカウントを一括管理
現在、セガサミーHDでは30を超えるプロジェクトのアカウントを一括管理しています。対象のインスタンスはEC2が10台、RDSが5台ほど。メンテンナンス用・開発検証用など24時間稼働する必要のないものについては、スケジュール機能を使用して夜間は一括で停止させています。くわえて、バックアップ機能も活用しています。
opswitch導入後、費用・作業時間などのコスト削減を実感しているという作本さん。ほかに、「設定の煩雑さを解消できたのが嬉しい」と話します。
「従来はインスタンスを使用するアカウントごとに設定を変更しており、煩雑な作業が必要でした。また、設定を変えられるメンバーが社内に数人しかおらず、属人化しているという課題もありました。opswitchなら1つのページでインスタンスの起動・停止やバックアップのスケジューリングを完了でき、煩雑さが解消されましたね。インスタンスへの必要なタグの付与忘れも減ったので良かったです」
ユーザー側に立った日々の機能改善に感動
ほかにopswitchの優れている点にとして、作本さんは「多要素認証に対応している」ことも挙げます。
「当社では、外部のクラウドサービスを活用する際、多要素認証に対応していることが必須条件です。opswitchはその点もクリアしていたため、社内審査を難なく通過できました。インスタンスの起動・停止、バックアップ作成した際のメール通知や実行履歴が残ることも嬉しいです。社内で運用状況などを聞かれた際にもその履歴情報を一目見せればいいだけですので、長期的に活用できる機能だと感じます」
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「ちょうどアップデートを予定してはいたそうなのですが、私が質問するのを見越していたんじゃないかと思うほどの早さでした。ユーザー側に立って日々改善を繰り返している事実に感銘を受けましたね。基本的に質問すればスピード感をもって回答が得られますし、回答文の精度も高いので、技術支援に関しては非常に満足しています」
今後も活用範囲の拡大を検討
opswitchについて「非常に満足している」として、今後も継続して活用していきたいと話す作本さん。
現在まだ使用していないリージョン間コピーの機能などについても、今後、重要性が増すと判断されるアカウントが出てくれば、活用していきたいといいます。
最後に、作本さんはクラスメソッドへ期待したい点について、以下のように話してくれました。
「私自身技術者ではありますが、当然全方位に詳しいわけではありません。クラスメソッドには、私があまり詳しくない領域のフォローをお願いしたい。また、私たちに関わりがありそうな新サービスや新機能が出た際はもちろん、先端技術についても引き続き情報提供も期待しています」
グループ全体でDXを推進するセガサミーホールディングス。クラスメソッドは、感動体験を創造し続ける同社の挑戦を技術的な支援を通じて応援してまいります。