BEENOS株式会社は、世界と日本を双方向に繋ぐグローバルコマースを主軸に、リユースやエンターテインメントなどの分野にも流通プラットフォームを提供してきました。
国境を越えたECに積極的に取り組んできた知見を生かし、2021年1月にエンターテインメント向けECプラットフォーム「Groobee(グルービー)」をリリース。初期費用は0円で、リスク・負担なくECサイトを始めることできるため、初めての企業様にも挑戦しやすいサービスとなっています。また、Groobeeの機能として海外配送も可能にしているため、約120カ国・地域の海外ファンへ商品をお届けすることもできます。
本開発における課題点や、サービスインまでの約1年にわたる期間、どのように開発チームへクラスメソッドが貢献できたのか、BEENOS株式会社テクノロジー推進室サブマネージャーの柴田 健様に詳しくお話をうかがいました。
エンタメ向けECの課題解決にAWSでのコンテナ技術開発を選択
BEENOSは以前より、イベントなどの物販運営をサポートするモバイルオーダー&決済サービス「narabee(ナラビー)」の運営を行っています。柴田さんのチームは、この「narabee」のインフラを長く担当してきました。
そのため、エンターテインメント業界に特化した新しいプロダクトとして、SaaS型ECプラットフォーム「Groobee」の開発が決定したときには、自然な流れで柴田さんのチームが「Groobee」の基盤開発も担当することになりました。
「開発環境構築に際してインフラチームとして抱えていた課題は、大規模なSaaS型サービスの実績を持っていなかったこと。さらに、マルチテナントを想定したECサービスの経験がなかったことも不安要素でした。また、大きなイベントでは数万人規模の集客やアクセスが急に来てしまいます。narabeeでは“ギリギリ耐えた”ということも多かったと聞いていましたので、負荷をなるべく最適化しつつ運用コストを減らすことを、今回の開発で目指していきたいと思っていました」(柴田さん)
今回はこれらの課題を解決するため、手法としてコンテナ技術を採用することにしました。AWSを利用したコンテナ技術開発について、BEENOSとしては経験がゼロではありませんでしたが、大規模な開発に対する不安がありました。これらの課題点や不安点を払拭するため、クラスメソッドの提供するAWS総合支援「クラスメソッドメンバーズ」プレミアムプランの「AWSコンサルティング」を利用して、開発支援を依頼することに決めたそうです。
「私も随分前からAWSを触っていますが、AWSについて何か調べていると必ずと言っていいほど『DevelopersIO』が出てくるので、名前はもちろん知っていました。また以前から『AWS請求代行サービス』ではお世話になってもいました。社内からも『これを機にクラスメソッドさんと仕事をしてみたい』という要望もあり、開発支援をお願いすることになりました」(柴田さん)
「こうしたい」をAWSで具体化できる技術支援実績と知識
本件における、クラスメソッドへの依頼内容は開発環境のインフラ構築支援でした。インフラ構築については最初から具体的なイメージをお持ちだったため、内容を詰めた後はクラスメソッドから設計を提案。Terraformを利用しながら構築を進めました。週次でマイルストーンを確認し、課題を挙げるなど、随時コミュニケーションを取りながら進めました。
「サービス規模が大きい場合、サーバを並行にならべてトラフィックをさばいたりしますが、AWSの場合は具体的に何台必要なのか?
また負荷が集中してサーバがダウンしたとき、自動的に修復するような機能を備えることもできますが、起動の速いコンテナを使ったところで果たしてサービス停止時間を短くできるのか?
さらに、それらをAWSに落とし込むにはどうしたらいいのか、ということを具体的に知りたかったのです。検証する時間もない中、クラスメソッドさんにその辺も設計してもらったのは非常にありがたかったです」(柴田さん)
「クラスメソッドの皆さんとはSlackチャットでやりとりをしました。コミュニケーションが本当に早くて、なにか問い合わせしたらすぐに動いてくれて、すごくスピード感がありました。プロジェクトの途中でクラスメソッドさんに対して『これを追加でお願いしなきゃいけないな』『また変更になってしまうな』『言いにくいな』ということが沢山起こったんですが、かなり柔軟に対応していただけました」(柴田さん)
BEENOSが「こういう風にやりたい」と考えたことを、より的確に想像し、実現する。クラスメソッドのエンジニアに大きな裁量を与えていただき連携できたことで、業界的にも新しい試みだった開発環境の構築を、スピード感を持って対応することができました。
柴田さんとしても、クラスメソッドに環境構築を任せられたことで、10名程度稼働していたエンジニアを他の必要な業務に割り当てることができ、サービスインまでの忙しい期間、貴重な時間を有効活用できたと語っていただきました。
「クラスメソッドメンバーズ」を通じた長期的な支援
「半年くらいでサービスローンチする予定が、蓋を開けたら1年位のプロジェクトになり、当初考えていたよりもさらに大規模なプロジェクトとなりました。またプロジェクトの途中でサービス側の要求に大きな方向転換がいろいろあったため、クラスメソッドさんには2020年秋以降にも引き続き支援いただくことになりました。お陰さまで、なんとか今年の1月にサービスを公開することができました」(柴田さん)
2021年1月にサービスリリースした「Groobee」ですが、開発はサービスインした後も続いており、アプリケーションエンジニアの方々によってクラスメソッドが構築した開発環境は使われ続けています(※本インタビューは2021年3月に行われました)。
「Groobeeの件が終わった後も、『クラスメソッドメンバーズ』を通じて日々お世話になっています。先日AWSで障害が発生した時にも『御社は大丈夫ですか』とご連絡いただいたおかげで、障害に迅速に対応できたということがありました。
今後も個人的にはお願いしたいことが沢山ありますので、何かの機会には真っ先にお声をかけさせていただきたいと思っています」(柴田さん)
クラスメソッドの提供するAWS総合支援「クラスメソッドメンバーズ」では、利用料金が一律割引となるAWS請求代行に加え、オンプレからのマイグレーションやセキュリティ対策、監視や運用代行までお客様の課題に併せて、必要な時に自由に追加いただけるオプション、「プレミアムプラン」をご用意しています。今後もお客様のご要望に柔軟に寄り添い、クラスメソッドの技術力を強みとした支援を行っていきたいと思います。