日本最大級のビジネススクールを支援
“いつでも、手軽に使える”データ活用基盤を構築

株式会社グロービス

マーケティングチーム マネジャー 柳田佳孝様
マーケティングチーム アソシエイト 大川内仁美様
マーケティングチーム エキスパート 樋口隆行様
株式会社グロービス
公開日:2018年12月4日
BEFORE
  • 基幹システムにSalesforce.comを採用し受講生の情報を統合
  • CRMのためデータの可視化や分析の角度には限界
  • 様々な立場の社員が手軽に欲しい情報を見られる状態を目指す
AFTER
  • ビッグデータ分析基盤とBIツールのパッケージ導入を支援
  • 低コストでスピーディなデータの結合・抽出を実現
  • 横断的なデータ分析でWebページの使い勝手や業務を改善

「ヒト・カネ・チエ」の生態系を創り、社会の創造と変革を担う

グロービスは、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」というビジョンを掲げて、1992年に設立されました。

“カネ”の面ではベンチャーキャピタルであるグロービス・キャピタル・パートナーズがベンチャー企業の経営資源をバックアップし、“チエ”の面では『グロービスMBAシリーズ』などの出版物や『GLOBIS知見録』『GLOBIS Insight』といったナレッジライブラリを通じて、経営・ビジネスに役立つコンテンツを発信しています。

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そして“ヒト”の面では、グロービス・マネジメント・スクールやグロービス・エグゼクティブ・スクールを開校し“社会に創造と変革をもたらす”ビジネスリーダーを育成・輩出しています。グロービス・マネジメント・スクールの累計受講者数は10万人以上にものぼり、法人向け人材育成サービスの累計受講者は3,400社・100万人を超えています。

「グロービスは単にビジネス知識を得るだけの学校ではありません。どの科目においても大切にしていることは、経営の理論を実務で活かすための『思考力』を鍛えることです。こうした実践的な能力開発に加えて、自身の成長やビジネスにつながるネットワークの構築、つまりヒトとヒトとのつながりも重要視しています。当スクールでは、受講生同士のネットワークを構築するためのさまざまな仕組みがあり、人生において本当に価値のある人脈を形成できる機会を提供しています。今後もより多くの方にグロービスの質の高い学びを提供し、社会の創造と変革を担うビジネスリーダーを育成していきたいと考えています」と、マーケティングチーム マネジャーの柳田佳孝様は述べています。

グロービスは、学習効果向上や人的ネットワークの構築をサポートする取り組みとして、2017年にシステム基盤を刷新。その中で、受講生向けのSNSの提供も開始しました。同社では、授業と授業の間をただのインターバルではなく、学習効果を高めるために、クラスメートと講師で構成されるSNSを介して、授業の振り返りや疑問点に関する意見交換を行ったり、クラスでの学びを仕事で活かした事例を共有しています。また、SNS上では、勉強会や懇親会などのイベントを立ち上げることができ、出欠確認を行える機能もあります。こうした営みを通して、一気に仲間との絆が深まっていくとのことです。

苦労なくデータを“手軽”に活用できる基盤

受講生が増え、キャンパスやスタッフが増えていくと、サービスレベルを維持・向上しながら、できるかぎり効率的な運営を行う必要があります。そのため同社ではITを活用し、データを基にしたビジネスにも力を入れてきました。最近では、基幹システムを刷新・強化するためにSalesforce.comを採用し、受講生の情報統合を図りました。

ところが、Salesforce.comはあくまでCRM。情報の可視化や分析の切り口には限界があり、「より細かく多様な情報を組み合わせて分析し、顧客提供価値をよりスピーディに向上したい」というグロービスのニーズに答えることができていませんでした。

そこで、ビッグデータ解析の基盤の構築に着手。既存の環境でも、複雑なクエリを駆使してデータベースへアクセスすれば、なんとか分析することはできました。

しかし、マーケティングチーム アソシエイトの大川内仁美様は、「誰かが頑張って可視化するという特定の人に依存する状況から脱却したかったのです。情報を収集して加工するだけで何日もかかるようでは、PDCAのスピードを上げることは不可能です。苦労することなく、毎日欲しい情報を“手軽にみんなが”見られる状態を作りたいと考えていました」と、当時を振り返ります。

グロービスでは、システムや技術の選定にあたり、いくつかの要件について細かく検討しました。

まず同社では、一般の方向けのWebサイトのほか、受講生向けのマイページ(前述のSNSもマイページ内の機能の一部)も提供し、受講生の情報は、Salesforce.comで統合管理しています。これらのデータを集約し、ワンストップで見やすくすることが最初のステップです。受講生やWebサイトユーザーの行動を把握することで、経営層から現場スタッフまでが必要な情報をスピーディに獲得し、意思決定や業務改善のサイクルを高速化したり、SNSの運用改善や導線改善・機能追加の検討といったことも可能になります。

毎日大量のデータを扱うため、インフラはパフォーマンスや安定性に優れていることも必要です。受講生の個人情報や行動情報は非常にセンシティブな情報ですから、安全性も欠かせません。一方で、受講生は増え続けています。加えて将来的には、マーケティングオートメーションツールなど他のデータソースを取り入れる可能性もあります。そのため、インフラの拡張性も重視していました。

そうした条件に当てはまるのは、やはりパブリッククラウドです。同社は、いくつかのサービスを検討したりテストしたりした結果、実績が豊富で信頼性が高く、使い勝手のよいツールがそろっており、細かな要件に耐えうるものとして「Amazon Web Services(AWS)」を選びました。もともと受講生向けのマイページの基盤がAWS上に構築されていることや、他部門でAWSを活用しており、インフラとしての活用実績があったことも後押しとなりました。

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低コストで運用も任せられるデータ分析基盤を構築

ビッグデータ分析システムの構築にあたり、グロービスはクラスメソッドをパートナーとして選びました。AWSの構築・導入実績が豊富で、運用をすべて任せることができるからです。最新技術にも注力しており、BIツール「Tableau」を取り扱えることもポイントでした。

システムの内容を精査していくと、クラスメソッドの「カスタマーストーリーアナリティクス(以下CSアナリティクス)」がマッチすることがわかりました。基盤の構築やチューニングといったサービスとTableauをベースとしたBIツールがパッケージ化されているため、安価かつスピーディに導入することができます。

「以前、データ分析基盤の構築をコストの問題で諦めたこともありました。クラスメソッドであれば、BIツールを含めたデータ分析基盤の構築とその運用を非常に低コストで実現することができます。もともとスクラッチで開発することを検討していましたが、CSアナリティクスであればさらにコストを抑えることができ、多くのスタッフが気軽に利用できるBI環境を提供できると考えました」(大川内様)

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グロービスが構築したビッグデータ分析システムは、図のとおりです。Salesforce.comや受講生向けSNS、WebアクセスログといったデータをAmazon S3に取り込み、TalendでETL処理をしてAmazon Redshiftに集約。BIツールから閲覧するという仕組みです。

現在のところグロービスのマーケティングチームでは、これらのデータを横断的に分析することで、Webページのユーザビリティを改善したり、受講生や受講を検討されている方とのタッチポイントの改善・品質向上を図ったりしています。また営業チームや受講生とのリレーション構築を担当するチームからの相談に応じ、データを集計してトレンドや指標などを提供することもあります。
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「Salesforce.comのレポート機能だけではデータ構造の都合により一度に結合できないデータテーブルがあり、分析用のデータ準備だけで相当な時間がかかっていました。Redshiftに取り込むことによって用途に合わせたデータの結合・抽出も早く簡単にできるようになり、さまざまな分析を試せるようになりました」と、マーケティングチーム シニア・エキスパートの樋口隆行様は述べています。

さらに樋口様は、クラスメソッドについて、「AWSに関する高い技術力とこちらの課題に応じた提案が魅力です。出し惜しみなく情報を提供してくれ、今回のスモールスタートも今後の拡張を見据えた汎用化を持たせることができたと感じています。Backlogを通じた運用もわかりやすく、安心して任せることができます」と高く評価しています。

学びの場をサポートするビッグデータ分析

今後、同社ではデータソースの拡張を図り、さらにさまざまな分析に活用していきたいと考えています。またCSアナリティクスのユーザーを拡大し、経営判断から現場業務に至るまで、あらゆる活動を支援する分析基盤となることを目指しています。

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「私たちのチームのミッションは、将来の”創造と変革の志士”となるビジネスリーダーを増やすことです。しかしビッグデータの活用は、受講生により価値の高い教育を提供したり、講師を支援して授業の品質を高めたりする目的にも役立つはずです。学びの場をサポートするITとして、活用の幅を広げていきたいと考えています」(大川内様)

柳田様は、将来的にデータが増えていくと、新しい課題が生まれてくると予測しています。そのときにクラスメソッドには、既存のツールやシステムにとらわれず広い視点で新しい提案を行うことを期待したいとのことです。

グロービスは、テクノロジーでイノベーションを起こすことを「テクノベート」と名付けて、関連するカリキュラムの開発を進めると同時に、社内でも実践していこうと取り組んでいます。今回のデータ活用もその一環です。今後もクラスメソッドの技術力が、グロービスのテクノベートを支えていくことでしょう。

この事例はCSアナリティクスをご利用いただいています

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