共通ID連携基盤のAWS移行に向けて
ベストプラクティスに沿ったアーキテクチャ設計を提案

日本デジタル配信株式会社

プラットフォーム推進本部サービス開発運用部 部長 川松 明輝様、マネージャー 須藤 巧一様、アシスタントマネージャー 江井 良真様
日本デジタル配信株式会社
公開日:2023年6月20日
BEFORE
  • AWSに関するノウハウが社内になくインフラ設計全般が不安
  • セキュリティと可用性を確保したインフラ設計が必要
  • オンプレミスのシステム環境で機動的なインフラ運用ができない
AFTER
  • AWSのベストプラクティスに沿ったアーキテクチャ設計を実施
  • セキュアアカウントサービスを活用してセキュリティを確保
  • コンテナの活用やCI/CD化によりインフラ運用を自動化

ケーブルテレビ向けデジタル放送配信事業を軸に、多彩なソリューションの提供に取り組む日本デジタル配信株式会社(以下、JDS)。同社はケーブルテレビ事業者各社のユーザーIDを業界共通IDとして管理する「ケーブルIDプラットフォーム」の運用基盤を、オンプレミス環境からAWSに移行するにあたってクラスメソッドのAWSコンサルティングを活用してインフラ設計を行いました。

業界の共通ID連携基盤をクラウドに

同社が提供するケーブルIDプラットフォームを連携することで、ケーブルテレビ各社は外部サービス事業者との早期連携が可能となり、利用者に多様なサービスを提供できるようになります。例えばケーブルテレビの視聴者がケーブルIDプラットフォームを通じて認証・認可を受けることにより、複数のOTTサービス(インターネットを介したメディアサービス)をケーブルテレビのユーザーIDひとつで楽しむことができます。

「ケーブルテレビ事業者にとっても、サービス事業者用の連携システムを個々に開発・運用するより、業界共通のケーブルIDプラットフォームを利用するほうが導入が簡単で、コストや運用負担を抑えることもできます。JDSは、日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)と連携してケーブルIDプラットフォームを開発し、2017年7月のサービス開始以来システム運用を担っています」(川松さん)

当初はオンプレミス環境で運用してきたこのプラットフォームですが、運用開始から5年が経過してハードウェアの老朽化が進んでいました。そこで、契約更新を機にクラウド活用を検討し、AWSへの移行を決めました。

「オンプレミス環境ではサーバーリソースを追加するのにもベンダーに申請する必要があり、機動的にシステムを増強することができません。セルフサービスでの運用を目的にクラウドの活用を決定し、圧倒的に情報量が多く、自社での情報キャッチアップや開発・運用しやすいAWSを採用しました」(須藤さん)

とはいえ、同社では一部の小規模システムでAWSを活用していた実績がある程度で、自社内にAWSに関する実践的なノウハウはありません。そこで設計支援のパートナーとして、複数のクラウド専業ベンダーの中からクラスメソッドを選定しました。

日本デジタル配信株式会社
「決め手は、技術レベルの高さです。私自身、クラスメソッドの技術メディア『DevelopersIO』を愛読し、情報の質と量には圧倒されていましたので、それも踏まえて比較検討した結果クラスメソッドに決めました。私たちからの問い合わせに対するレスポンスがもっとも早かったのもクラスメソッドで、初回のコミュニケーションがスムーズに進んだことも好印象でした」(江井さん)

マネージドサービスを中心にAWSのベストプラクティスで設計

クラスメソッドが今回のインフラ設計に参画したのは2023年2月からの3カ月間です。JDSが事前に検討、作成した原案をもとに、具体的な設計に落とし込んでいきました。プロジェクトは週1回の定例ミーティングと、プロジェクト管理ツール(Backlog)上での不定期ミーティングで実施。すべてがオンラインのコミュニケーションでしたが、スムーズに進みました。

ケーブルIDプラットフォームの刷新に伴い、それに関連する「ケーブルID基盤」と「個社ID基盤」の2つをAWS上へ移行する前提で検討を進めました。設計内容としては、ケーブルIDの管理基盤としてコンテナを活用し、マネージドサービスのAmazon ECS(AWS Fargate)で構成しました。データベースもマネージドサービスのAmazon Auroraで構成して運用負荷を軽減しています。個社IDの基盤は、アプリケーションの改修は実施せずにAmazon EC2による通常のクラウド移行とし、DBにはAuroraを採用しました。

日本デジタル配信株式会社
セキュリティ面では、クラスメソッドの「セキュアアカウントサービス」を活用してAWSのベストプラクティスで設計し、アカウント管理の漏れやリスクがないように細心の注意を払いました。

BacklogのGitによるCI/CD環境を構築

さらに今回、BacklogのGitによるCI/CD環境を構築し、Backlogから自動的にデプロイができるようにしています。

「今回の設計テーマは、ケーブルIDの管理基盤でのコンテナ活用と、CI/CDによるデプロイの自動化でした。この2つの領域に関しては自社内にノウハウが乏しいため、経験豊富なクラスメソッドにお願いしました。また、ケーブルIDプラットフォームが止まってしまうと、利用者は各種サービスが利用できなくなってしまいます。そこで、24時間365日止めることなくデプロイできるように、ブルー/グリーンデプロイメントの手法を採り入れました」(須藤さん)

今回のプロジェクトは、設計までの支援で終了ですが、無駄を省いてスムーズに進んだこともあり、全体的な設計コストは想定以上に安価に抑えることができたといいます。プロジェクトを通して同社のサービス開発運用部の開発メンバーにもAWSのノウハウが蓄積され、3カ月間で大幅に技術レベルが向上しました。

「以前から開発メンバーが中心となってAWSの社内勉強会を開催してきましたが、実際のプロジェクトに深く関わったことでメンバーたちの理解度は格段に深まりました」(川松さん)

2023年7月からは、今回の設計をベースに具体的なシステム構築に着手する予定で、クラスメソッドも有力なパートナーの1社として検討する意向を示しています。

「具体的な構想はこれからですが、構築フェーズに入ると新たな課題が出てくることも考えられますので、ご縁があれば何らかの形で支援をお願いしたいと思います」(須藤さん)

DevOpsによる開発・運用の改善、開発の高速化へ

サービス開発運用部としては、今後、AWSを活用した内製開発を加速させる予定で、DevOpsによる開発・運用の改善、開発の高速化に取り組んでいく考えです。

日本デジタル配信株式会社 「ケーブルIDプラットフォームのAWS移行とCI/CD化により、DevOpsに対応できる基盤が実現する見通しが立ちました。ただし、DevOpsに向けた人材育成やチームビルディングに関するノウハウはまだまだ不足していますので、クラウドメソッドのノウハウが活用できればと期待しています」(須藤さん)

また、JDS全体としてもオンプレミス環境で運用している各種システムを、インフラ更新や保守サポート更新などの機会にAWS移行することも想定され、今回のノウハウを横展開していくことも検討しています。

「デジタル化の先にある新たなメディアライフ」の創造を目指し、新たなことにチャレンジを続けるJDS。その期待に応えるべく、クラスメソッドは、クラウドアーキテクチャの設計から構築まで、最適な支援ができるように引き続き技術力を高めてまいります。

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