社名変更を機にWebサイトをAWS移行。クラウドネイティブな次世代システムアーキテクチャ実現を目指す

PayPay銀行株式会社

執行役員 IT本部副本部長 兼 開発三部長 島崎建(写真:右)/開発二部 部長代理 杉本英貴(左)/開発三部 岸麻美(中央)

公開日:2021年8月10日

  • 社名変更に合わせてWebサイトのリニューアルが発生
  • サービスをスピーディに進化させるためにクラウドネイティブなシステムが必須
  • クラウドシステムの内製開発体制の整備とエンジニアの技術力向上が課題

  • 金融機関に求められる可用性と高いセキュリティ基準を満たしたシステムを構築
  • AWSのマネージドサービスの活用で運用管理の負荷を軽減
  • クラウドを中心とした次世代システムに向けたノウハウと経験を獲得

2000年に営業を開始して以来、日本初のインターネット専業銀行として革新的なサービスを提供してきたジャパンネット銀行は、2021年4月5日にPayPay銀行へと社名を変更して新たなスタートを切りました。
普通預金口座数は2021年3月末の時点で512万、年間決済数も約3億2051万件に達しています。「スマホで日本一使われる銀行」を目指す同行は現在、キャッシュレス決済サービス「PayPay」との連携ではさまざまな取り組みを実施。PayPayユーザーはPayPay残高の出金手数料を無料、PayPayアプリ内に個人向けローンのメニューを設けるなど、PayPayユーザーがより便利にPayPay銀行を利用できるサービスがあります。

これまで同行は銀行のお客さま向けシステムを、オンプレミス環境で運用してきましたが、社名変更を機に銀行の「顔」となるWebサイトをAWSに移行して刷新することを検討し、移行パートナーにクラスメソッドを採用しました。2カ月の短期間でインフラ環境を構築し、アプリ開発を経て新Webサイトをオープンしています。Webサイトの刷新と、今回同時に実施した参照系APIの開発について、IT本部副本部長 兼 開発三部長の島崎建さん、開発二部の杉本英貴さん、開発三部の岸麻美さんにうかがいました。

新会社の「顔」となるWebサイトをAWSに移行

PayPay銀行がAWSを初めて採用したのは、お客さまへの影響が少ない社内業務向けのOA系システムでした。サーバーの老朽化やOSの保守切れを機に2014年から2016年にかけて、オンプレミス環境から移行したのが始まりです。現在は、次世代システムアーキテクチャの構築に向けて、IT本部内横断のプロジェクトチームを立ち上げ、銀行ビジネスのコアシステムである勘定系システムや、顧客と直接関わるインターネットバンキングシステムにおけるオンプレミスとクラウドを組み合わせた最適な構成を目指す対応を進めています。

「勘定系システムやインターネットバンキングシステムはこれまではオンプレミス環境で運用してきましたが、本来は必ずしもその環境に実装する必要のない機能まで配置していたために、拡張や機能追加に支障が出ていました。ビジネスの変化に迅速に対応し、サービスを顧客ニーズに応じて進化させていくために柔軟性の高いクラウドを組み合わせ、クラウドネイティブなアーキテクチャやコストの変動費化メリットを得られるようにすることが狙いです」(島崎さん)

その中で、今回の移行ターゲットになったのは、社名変更を機にドメインを「paypay-bank.co.jp」に切り替えるWebサイトと、サービスログイン後の振込の手続きで振込先銀行の支店名検索する際に実行するAPIの2つです。

「最初に移行するシステムとして、周囲に与える影響が少ないものを検討しました。Webサイトはスタティックなファイルの運用で、バックエンドのシステムとも連動が少ないためリスクを最小限に抑えることができます。振込先の銀行・支店名検索のAPI機能も今後を見据えてまずは簡易なものから移行することにしました」(島崎さん)

クラウドサービスは、以前のOAシステムで実績があり、FISC(金融情報システムセンター)安全対策基準に準拠できるAWSを採用。移行パートナーは複数のAWSパートナーを比較・検討した中からクラスメソッドを採用しました。

「クラスメソッドには、2018年にクラウド音声サービスのAmazon Alexaを活用した残高照会サービスの開発支援をいただいた実績があり、その際に技術力の高さを高く評価していました。また、クラスメソッドは技術ブログDevelopersIOなどで積極的に情報を発信していて、私たちも以前から参考にしてきた経緯もあり、今回のプロジェクトでお声かけさせていただきました」(杉本さん)

サーバーレスやマネージドサービスを積極的に活用

各種調査や要件定義などを経て、2020年10月にクラスメソッドと本契約を結んだ同行は、11月から12月までの2カ月間でWebサイトのインフラを構築しました。その後、アプリの開発を経て社名変更した2021年4月5日にオープンしています。

新しいWebサイトは、CDNサービスのAmazon CloudFrontを採用し、Amazon S3をオリジンサーバーとするシンプルな静的コンテンツで構成されています。アーキテクチャはAWSの提供するサービス活用集やDevelopersIOなどを参考に同社がAWSとともに叩き台を作成し、クラスメソッドとの議論を経て詳細を詰めていきました。

「とにかく開発期間が短く、急ピッチでのインフラ構築になりましたが、クラスメソッドには多大なご協力をいただき、何とか間に合わせることができました。サービスや構築に関する質問にも迅速に対応をいただきましたし、複雑なAWSの用語も丁寧に説明していただき、円滑にコミュニケーションを取ることができました」(杉本さん)

振込先銀行・支店名を検索するAPIも2020年11月から検討をスタートし、2021年2月に開発完了、3月にリリースしています。

こちらはAmazon API Gateway、AWS Lambda、Amazon Aurora、AWS WAFなどサーバーレス、マネージドサービスを積極的に活用してアーキテクチャを構成しています。
開発を効率化するCI/CDでは、AWS CodePipelineをはじめとするAWS Codeシリーズを採用。セキュリティ面は、権限管理や暗号化の機能としてAmazon GuardDuty、AWS IAM、AWS KMS、AWS CloudTrailなどを採用し、金融サービスに求められる厳しい要件を満たしています。

障害・セキュリティイベントの通知手段としてCloudWatchのアラームやGuardDutyなどから発生するイベントをチャットに通知するため、DevelopersIOの記事を参照しながらLambda関数も作成しました。

「自社ではLambdaが稼働するアプリ領域やデータベース設計を中心に担当し、クラスメソッドにはDB、ネットワーク、CI/CD、セキュリティに関するAWSリソース設計・作成など多方面から支援をいただきました。私たちにとってAWSのマネージドサービスを使ったロジックの開発は初めての経験で、試行錯誤の連続となりましたが、クラスメソッドには設定に関する質問などにも迅速に回答をいただき、非常に助かりました。コロナ禍で開発中はすべてオンラインのミーティングでしたが、打ち合わせではアジェンダを用意してリードしていただいたおかげで不明点も明確になり、スムーズに進みました。クラスメソッドのSEは全体的に技術力が高く、安心して取り組むことができました」(岸さん)

開発内製化に向けて自社エンジニアがノウハウを蓄積

2021年6月現在、新たにオープンしたWebサイトと銀行・支店名検索APIともに安定して稼働し、システム障害などのトラブルは発生していません。平日の日中がピークとなるWebサイトへのアクセスについてもパフォーマンスの低下はなく、PayPay銀行の新たな「顔」としての役割を果たしています。

「今回はログイン前サイトのみのクラウド移行にとどまりますが、事業拡大に向けたオフロードを実現し、次世代システムアーキテクチャへの移行プロジェクトとして、対顧客向けサービスにおいて第一歩を踏み出せたことには意味がありました。また、検索用APIを内製で開発したことで、自社のエンジニアがクラウド上での開発ノウハウを蓄積し、今回のアーキテクチャを横展開していく経験を積めたことも大きな成果です。すでに次のAPIの開発にも着手しています」(島崎さん)

開発を担当した岸さんは「オンプレミスでのシステム構築は時間がかかりますが、クラウドなら好きなタイミングで自由にサービスを使って構築することができるので、新しい技術を使った開発は楽しいです」と話しています。杉本さんも「サーバーレスやマネージドサービスを基本に構成しているため、オンプレミスのように運用の手間がかからず、開発の時間を新しいことを考えるのに集中できるのも助かります」とコメントしました。

クラウドシフトの加速にノウハウは必要不可欠

AWS移行を足がかりに今後もクラウドシフトを進めるPayPay銀行。システム移行だけでなく、新技術も積極的に取り入れてサービスを進化させていく、としています。

「クラウド化という手段を目的化するのではなく、適材適所で必要なものを見極めながら、次世代のアーキテクチャを実現します。また、Alexaのような顧客接点のサービスでもクラウドサービス採用を検討していきます」(島崎さん)

そのためには開発力を高めるのはもちろん、パートナーの力を借りることも欠かせません。同行では今後の支援にも期待を寄せ、島崎さんから「クラウドシフトを加速していくうえでも技術力のあるクラスメソッドのノウハウは必要不可欠です」とご評価もいただきました。

クラスメソッドは、高い可用性とセキュリティが求められる銀行システムの安定運用に向けて確実な技術を提供し、クラウドネイティブなアーキテクチャへと移行を進めるPayPay銀行を支援してまいります。

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