膨大な個人データを取り扱う
人材マッチングシステムのインフラにAWSを活用

ポーターズ株式会社

執行役員 CTO Product & Service Gr. 川口 登 様
Product & Service Gr. マネージャー 大石 光洋 様
ポーターズ株式会社
公開日:2019年7月10日
BEFORE
  • 統合型人材マッチングシステムのリリースを機にAWS移行を検討
  • Amazon VPCが国内でのサービスを開始し置き換えを希望
  • 外部委託していた監視サービスのコスト感が不満
AFTER
  • 安価なAWS監視に加えて障害発生時の調査を実施
  • EC2-Classic環境をVPCに移行する技術支援
  • RI最適化やAWS利用費割引含め約1,500万円のコスト減

人材ビジネスを支援して雇用創出と拡大に貢献するクラウドサービス

2001年8月29日に設立されたポーターズ株式会社は、人材ビジネスのためのアプリケーションプラットフォームを提供している企業です。

同社が提供している主要サービスは、人材ビジネスを支える統合型人材マッチングシステム「HRビジネスクラウド(PORTERS HR-Business Cloud)」です。このシステムでは、人材紹介、人材派遣、特定派遣、採用アウトソーシング、再就職支援など、人材ビジネスにかかわるあらゆる企業の事業活動を支援しています。

クラウドシステムだからこその、安全で低コスト、早期導入を実現でき、主要求人媒体との連携や、自社Webサイトとの連携も簡単に実現でき、カスタマイズの自由度も高い人材マッチングシステムとなっています。

HRビジネスクラウドの導入企業数は現在1500社以上、アクティブユーザー数では5000ID超を記録しており、人材マッチングシステムとしては国内No.1の実績を誇っています。

物理ハードウェア調達コストから解放され、インフラに柔軟性を

ポーターズがHRビジネスクラウドをリリースする前に提供していた主要サービスは、人材紹介業を行うために必要不可欠な「顧客(企業情報/求人情報と転職者情報)管理」「マッチング・推薦」「KPI管理につながるプロセスマネジメント」「セキュリティ対策」など、人材紹介業務に必要な機能を網羅した業務プラットフォーム「プロ・エージェント」でした。

その当時、インフラとして利用していたのは、オンプレミス型のデータセンターです。しかし2012年4月にHRビジネスクラウドをリリースしてからは、ハードウェアベースで構成を考えなくてはならないオンプレミス型データセンターの継続利用を検討するようになっていました。

その頃、Amazon Web Services(AWS)が日本でも注目されつつあったことから、インフラをAWSへと移行する検討を始めたと、執行役員およびCTOでありProduct & Service Gr.に所属する川口登様は話します。

「インフラに柔軟性を持たせたかったのと、物理的なハードウェアの調達にコストや手間をかけたくなかったことからAWSに着目しました。ただ、HRビジネスクラウドは個人情報を大量に取り扱うシステムです。そこで当時は、クラウドサービスを選択しても良いのだろうかという思いもありました。しかし、ホワイトペーパーやリリースされている資料などを詳しく検討してみたところ、インフラをAWSに移行しても大丈夫じゃないかという結論に達したのです」

そこで2012年9月にはAWSと直接契約をしてAWSのアカウントを作成し自力で運用を行うようになりました。しかし、ちょうどその頃、AWSに企業専用のプライベート領域を割り当てるサービスであるAmazon VPC(Amazon Virtual Private Cloud)が日本でも正式に提供されるようになったことで、「VPCへと置き換えたい」というニーズが発生していました。

それと同時に、外部に委託していた監視サービスについても同社が求めているコスト感と見合わないという課題もありました。

そこでAWSの営業担当に対して、「どこか他に良いパートナーはいませんか?」と聞いたところ、クラスメソッドの名前が挙がりコンタクトを取ることになったのです。

「当時、クラスメソッドからは24時間365日のAWS有人監視サービスをご提案いただきました。このサービスは、それまでの監視サービスと比較して安価に提供してもらえることでクラスメソッドに興味がわきました。また、クラスメソッドの代表ともお話をしたのですが、きちんと技術的なことまで担保しながら会話ができるところに安心感を抱いて契約を決めたのです」(川口様)

ポーターズ株式会社
そこでポーターズは、2013年3月、VPCと監視サービスについてクラスメソッドと契約を締結。EC2-Classic環境すべてをVPCに移行するという作業を、同社のインフラ担当と、クラスメソッドのエンジニアとが一緒になって進めていきました。

そのほか同社では、AWSのプロビジョニングツール「CloudFormation」や「Chef-solo」といった他のプロビジョニングツールを使用してのデプロイの自動化を目指していました。クラスメソッドからはノウハウに対する技術サポートを受けることで、このデプロイの自動化も実現したのです。

「当時、Web上で検索をしてもAWS関連のノウハウは、ほとんど見つけることはできませんでした。その点で、クラスメソッドの技術サポートには大いに助けられました」(川口様)

エンジニアの知見と見解をもらえる技術サポートに満足

現在ポーターズでは、WebサーバーをEC2(Amazon Elastic Compute Cloud)のt3系で100台程度を利用しているほか、データベースとしてAmazon Auroraをマスターとレプリカで20台ほど利用しています。

また今では、同社に在籍しているエンジニアがAWSをスムーズに運用・メンテナンスをしています。ただそれでも、自社で解決できない問題が発生したときには、「クラスメソッドのサポートを利用しています」と、Product & Service Gr.のマネージャー大石光洋様は次のように話します。

「なにか新しいサービスを使いたいとき、まずは弊社自身で調べるのですが、そのときはたいてい、クラスメソッドの技術ブログ『Developers.IO』を参考にさせてもらっています。ただし、本当に困ったときにはクラスメソッドのサポートを利用しています。例えば、EC2の動作に異常が発生したときです。そのときは、クラスメソッド経由でAWSに問い合わせ回答を得てもらうだけでなく、クラスメソッドの知見を加えた調査を行っていただけています。その上で、『こういう問題があるのかもしれません』とエンジニアの見解をもらえるところはありがたいですね」

ポーターズ株式会社

クラスメソッドの技術支援により、社内にAWSの知見が蓄積

ポーターズでは、インスタンスの長期利用予約でオンデマンド料金から大幅な割引を受けられるRI(リザーブドインスタンス)に変えていこうとしています。ただ、このRIの適用の仕組みが複雑となっていることが難点となっています。その点、クラスメソッドが「同社に最適な形態はどのようになっているのか」といった内容をフォローすることで、RI購入のボリューム見積りを自社で行えるようになっています。

現在、ポーターズがクラスメソッド経由でAWSを利用するようになってから5年以上が経過。その間のコストメリットは、DBだけで1000万円程度、EC2を含めると1500万円程度にまでなるといいます。

「クラスメソッドの技術支援のおかげで、弊社内にもAWSに対する知見が蓄積されてきたと感じています。それと同時に、AWS自体も進化しており、監視機能が標準装備されるようになっています。そのため今では、監視を自社内で行えるようになりました」(川口様)

海外展開するサービスもクラスメソッドが支えていく

人材ビジネスに関わる企業の活動を支援し、雇用の創出と雇用の拡大に貢献しているポーターズ。今後は、積極的に海外展開を図っていこうとしています。

「システムは東京に構築したまま、一部は既に海外展開を進めています。そのために現在のところ、AWSは東京リージョンのままで利用しています。しかし、タイやフィリピンなどといった東南アジア圏でサービスを展開したときにレイテンシー問題が発生するようであれば、シンガポールリージョンの利用を検討しています。またインドでは、自国内にあるデータセンターでないとサービスを展開できないようになるという話もあります。このような制約がある場合には、例えばインドのムンバイリージョンを利用すると行ったことも検討しています」(川口様)

将来的にはアジア圏全体の人材マッチング事業を手がけていこうとしているポーターズのインフラを支えるのは、今後もクラスメソッドのサービスであり続けるでしょう。

この事例はAWSコンサルティングをご利用いただいています

クラスメソッドのAWSコンサルティングは、公式資格を持つエンジニアがお客様の要件にマッチしたAWSのクラウドインフラ設計、サービス選定をご提案。AWSの広い知見を活かし、コスト削減からハイパフォーマンスな構成までじっくりとアドバイスします。

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