AWS本格導入に舵を切り、基幹システムを移管
技術アドバイザーによる継続支援で内製化推進中

ロイヤルホールディングス株式会社

システム運用部 共通システム管理課 浅見 高志 様
ロイヤルホールディングス株式会社
公開日:2021年7月15日
BEFORE
  • 社内に専門的知見が無い状態からのAWS本格導入スタート
  • 基幹システムをオンプレミスからクラウドへ移行することで、運用面も含めたコストを圧縮
AFTER
  • 思い立ったときに自力でサービスを試運用し、実現可能性を試せるようになった
  • クラウド運用することによってコスト圧縮に加え可用性が高まった
  • コロナ禍でビジネス上求められる構成上のフレキシビリティに対して即時対応できる

ロイヤルホールディングスは、ロイヤルホスト、天丼てんや等の外食事業をはじめ、空港・高速道路や病院など大規模施設内で食を提供するコントラクト事業、ホテル事業、食品事業まで幅広い事業展開をしています。2018年から基幹システムを徐々にAWSに移行していき、本インタビューが行われた2021年5月には、システムのほとんどがAWS上で動いているという状況です。

2018年、ロイヤルホールディングスは請求代行サービスに加えAWSを総合的に支援する「クラスメソッドメンバーズ」にご加入いただき、現在に至るまで3年もの期間を「AWS技術アドバイザー」としてプロジェクトをご一緒してきました。

AWS技術アドバイザー」は、高度な技術力を持った専任のエンジニアが時間単位でコンサルティングや自走支援を継続的に行うサービスです。このサービスを通じて支援したプロジェクトは約20件を数え、その内容も多岐にわたっています。

2018年といえば、日本政府が「クラウド・バイ・デフォルト原則」を発表して話題になった年です。時流を適切にとらえ、システムの入れ替えを徐々に行ってきたロイヤルホールディングスのシステム運用部。クラスメソッドの自走支援を長期間ご契約頂いてきたことにフォーカスし、どのような課題や意図をお持ちなのか、また今後の展望について、詳しくお話をうかがいました。

“クラウド”に求めたのはコスト圧縮と可用性の担保

ロイヤルホールディングスのシステム運用部は、システムインフラやネットワーク、サーバー、オフィスや店舗の共通システムの運用保守を担っています。自社メンバーと協力会社の常駐メンバーで実務を行う体制です。当初はデータセンターのIaaSを利用していましたが、コスト削減、そして可用性の担保という点で、クラウドを利用することがロイヤルホールディングスとしてはメリットがあると判断し、クラウド化の方針が2018年に決まったそうです。

「2018年当時、クラウドサービスとして圧倒的に技術先行していたAWSの導入について、店舗売り上げ管理システムのバージョンアップを企画する際に本格的に考え始めました。AWSは試験的に利用していましたが、このプロジェクトを機に改めてAWSのベンダーを再選定することにしました。共通インフラとしてAWSを利用するにあたって、監視、ネットワーク構成なども含めた提案依頼を数社にお願いいたしました。」(浅見さん)

選定に際しては、開発ベンダーとして評価すると共に、自走のための技術支援を受けられるかどうかということも重要な点として考えていたといいます。AWSの知識がほぼ無い状態からのスタートであることに加え、外部協力会社との連携を図っていく上で、AWSの知見を社内に積み重ねていきたいという希望もありました。

「比較検討しましたが、クラスメソッドさんの提案が総合的に一番良いということになりました。クラスメソッドメンバーズ加入による一律5%割引の請求代行サービスでコスト圧縮が実現できることに加え、手厚い技術サポートがあることが決め手の一つであったことは間違いありません。契約当初から、技術支援ありきでサービスを利用させて頂いています」

AWS導入に舵を切って3年、「AWS技術アドバイザー」を利用してナレッジを蓄積

AWS本格導入の先鞭を切った「店舗販売管理システム」の環境構築は、クラスメソッドに委託されました。全体設計、ネットワーク構成から、ロイヤルホールディングスのデータセンターからの繋ぎ込み、監視サービスについてなど、総合的な提案にはじまり、詳細なネットワークやサービス設計やインスタンスの立上げまでを担当しました。立ち上げた後の運用やメンテナンスはロイヤルホールディングスのメンバーで行われています。

「急に全てをAWSにのせ替えるのではなく、2018年から段階を踏みながら、少しずつ移行してきました。機器、ハードの交換時期やソフトのバージョンアップタイミングなどが、入れ替えのきっかけとなることが多いです。大丈夫かどうか様子を見ながら進めていますので、これまで大きな混乱も特にありませんでした。」(浅見さん)

「AWS技術アドバイザー」のサービスは、特定のプロジェクトがない状況でも継続して専任のエンジニアが担当しつづけることで、その都度出てきた課題について開発経緯や運用状況をふまえた的確なアドバイスができることが特長です。ロイヤルホールディングスへも月1回の定例会やQ&Aを通じて、AWSを導入した2018年から3年以上にわたり支援を続けてきました。

AWS技術アドバイザーを通じた支援は、会計システムや生産指示システムなどの大きなプロジェクトから小さな改善まで多岐にわたります。

クラスメソッドの技術支援は、月1回のミーティングとテキストベースでの技術アドバイスを組み合わせたもので、契約した月内稼働時間で自由に質疑応答ができる内容となっています。定例会にはエンジニア、非エンジニア問わず、意欲あるメンバーが毎回6人程出席しているといいます。

「契約当初は“自走支援”にはまだ程遠い状況でしたので、構築そのものを手厚くフォローして頂きました。それから1年経って、あらためて『自走がゴールである』ということを意識して取り組み始めています。AWSのドキュメントは手厚く用意されてはいるものの、分かりづらいところも多いんです。クラスメソッドのような知見のある方に翻訳してもらうことで、スムーズに理解することができて助かります。」(浅見さん)

月1回の定例会では、今困っていることの相談や検討はもちろんのこと、今後、自走力が高まったタイミングでロイヤルホールディングスにとって“使える”かもしれないサービスや、また新しくリリースされたAWSサービスについて、クラスメソッドからの「半歩先を読んだご紹介」も行っています。実際に、マネージド型脅威検出サービス「Amazon GuardDuty」は、この定例会での紹介がきっかけとなり、導入いただきました。
また、こうしたやりとりを経て、ロイヤルホールディングスの社内にも徐々にAWSのスキルが蓄積されていっています。

「最近は、Amazon Connectを使ったのクラウドコンタクトセンター構築を立ち上げました。このコロナ禍の影響で出社制限がかかり、会社の電話に物理的に出られなくなったため外線代わりにしようと思い立ったんです。検証を始めて、すぐに実装フェーズへ移ることができました。社内ネットワークの通信設定に少し苦戦しましたが、1ヶ月半程度で本格利用を開始しました。自走する力が高まったことで、これまでとは比べものにならないほど早いスピード感でリリースすることができました。」(浅見さん)

本プロジェクトについて、クラスメソッドからは、他社の利用傾向や使いやすい方法などをアドバイスしましたが、ほとんどを内製で構築することができたと言います。今ではホテル事業で、お客様からのコールをとる形で本格的に利用されているそうです。

コロナ禍において、運用のフレキシビリティがビジネス上の鍵に

AWS導入の大きな目的の一つはコストの圧縮でした。ハード交換タイミングでクラウドへの移管をしてきたロイヤルホールディングスですが、ハード面だけでなく運用全体で見ると「大幅なコスト削減になっている、と自信を持ってお伝えできます」と語ってくださいました。

「このコロナ禍で飲食産業全体が大きな打撃を受ける中、弊社グループは特に、飛行機の減便で機内食の需要が大幅に減ってしまいました。そこで、関連するシステムについては、マルチAZ構成にしていたものをシングルにするなどしてコスト削減をはかっています。このような構成変更についてはオンプレと比べると圧倒的なスピード感で実現できます。クラウド運用のフレキシビリティが助けになりました。」(浅見さん)

コスト削減については、クラスメソッドから紹介したリザーブドインスタンスやSavings Plansの利用もさらに大きな効果をあげているそうです。

また、AWS本格導入の始まりからクラスメソッドの技術支援、そしてレクチャーにて知見を積み重ねているロイヤルホールディングスですが、「技術支援はこれからもまだまだ、必要不可欠なサービス」と認識していると言います。

「AWSの利用については、スピーディに試行錯誤することができるようになったことで、選択肢として考えられる幅が大変広がりました。EC2サーバーの立ち上げについても、契約当初は他Iaasサービスでは契約含め最低でも2ヶ月程かかっていましたが、AWSでは仕様さえ決めてしまえば現在は数日で立ち上げることができるようになっています。クラスメソッドさんは引く手数多なんだろうと思うのですが、これからも色んな事にチャレンジしていきたいと思っていますので、引き続き技術支援をお願いしたいですね。」(浅見さん)

コロナ禍が続き、飲食業界に大きな打撃が出ている状況を踏まえ、デジタル化、オンライン化への取り組みは熱を増しています。オンライン販売やモバイルオーダーなどの強化をしたい、AWSを利用したロイヤルホールディングスの“自走支援”について、クラスメソッドはこれからも技術力で貢献してまいります。

この事例はAWS総合支援サービスをご利用いただいています

AWSコンサルティングパートナーアワード受賞のクラスメソッドは、お客様のAWS活用を様々な形でサポートします。AWS利用料を割引提供する請求代行から構築運用、クラウド移行などの技術支援までお客様のご要望に沿ったサービスをご提案します。

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