月間十億件以上のプッシュ通知を支える
データ高速処理基盤を構築

株式会社シグニティ

プロダクト事業部 事業部長 笠原俊様
プロダクト事業部 プロダクトマネージャー 石松良介様
株式会社シグニティ
公開日:2019年1月07日
BEFORE
  • マーケティングデータ活用のため環境の見直しを迫られる
  • 数十億以上のユーザー属性情報を高速処理できるシステムが必要
  • 大規模データを高速にさばけるサービスとしてRedshiftに注目
AFTER
  • Redshiftを活用したデータ統合基盤の提案
  • 大量のデータ更新を安価で高速化する迅速な構築支援
  • AWS以外の質問にも迅速かつ高品質な対応が好評

PWAのベースとなるプッシュ通知の導入を牽引し、販促ROI向上に貢献

シグニティは、プッシュ通知サービス「COINs」とPWA(Progressive Web Apps)技術を中核に、システム開発や開発コンサルティングなどのサービスを提供する事業者です。

AndroidやiOSなどのスマートデバイスでは、“アプリ”の形式でソフトウェアやサービスを提供します。いわゆるネイティブアプリは、Google PlayやApp Storeなどのストアを経由して提供します。プラットフォームが用意されていることは利点ですが、厳しい審査があるためローンチまでに時間がかかり、また収益の一部を手数料として支払う必要もあります。また、各種端末でサービスを提供しようと思ったら、それぞれに対応したアプリを開発しなければなりません。

PWAは、Webサイトをアプリと同じように利用できる仕組みの総称です。プッシュ通知やホーム画面へのアイコン配置など、ネイティブアプリで実現している機能をWebサイトに実装することができます。エンドユーザーは、ネイティブアプリを利用している感覚で、すぐに利用を始めることができます。また、サービスベンダーは、サービスをWebで完結することが可能です。

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「PWAの最大のポイントはプッシュ通知です。この機能をWebサイトで提供するからこそ、ネイティブアプリのようにカスタマーとのリレーションを強化できるのです。従来のマーケティング施策をプッシュ通知に置き換えることで販促コストが10分の1まで抑えられ、会員基盤も構築できます。COINsは、PWA時代に求められる最新の通知ソリューションなのです」と、プロダクト事業部 事業部長の笠原俊様は述べています。

月間十億件を高速かつ安定的に配信するプラットフォーム

COINsは、1,500万の登録ユーザーを抱え、月間十億を超える配信を提供する国内最大規模の通知サービスです。通信キャリアやメディア、アパレルなど、大小さまざまな事業者が利用しています。

プッシュ通知はその特性上、配信量が増えれば増えるほど、配信速度が低下するのが一般的です。しかし現在のCOINsでは、独自の通知技術によって配信先を管理し、リアルタイムに近いタイミングで大量のプッシュ通知を配信することができます。数百万件のリストでも、早ければ数秒、長くとも数分で配信が完了します。また、行動履歴や年齢、居住地などのオーディエンスデータと連携することで、ユーザー個別の属性に合わせた配信を高速に行うことも可能です。

もちろんCOINsも、開発当初から現在のパフォーマンスを実現できたというわけではありません。さまざまな技術・ノウハウを組み込んで配信スピードを向上させてきました。しかし、多数の企業とカスタマーをつなぐ役割を担い、企業の細々としたニーズに対応するためには、プラットフォームを見直す必要がありました。

現プラットフォームでも、ある程度高速化と安定化は図ることはできましたが、サービス用のデータとマーケティング用のビッグデータが同環境内に共存しており、マーケティングデータを更に活用するには、設計に無理が生じ実現が難しい状況でした。

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「COINsの会員は、2019年度には3,000万人に到達すると予測しています。また、将来的には会員に数十の属性情報が付与され、単純計算で数十億以上のユーザーセグメント情報を抱えることになります。従来のプラットフォームでは対応しきれないため、より大規模なデータを高速に処理できるサービスとして、『Amazon Redshift』に注目しました」と、プロダクト事業部 プロダクトマネージャーの石松良介様は振り返ります。

CSアナリティクスですばやく安価にRedshift環境を構築

シグニティは他社の勧めもあり、Redshift導入を含めた現状の課題についてクラスメソッドへ相談しました。AWSのサポート力では業界でも知られており、大小多数の実績もありました。Developers.IOを通じて、惜しみなくノウハウを提供する技術力にも注目していたとのことです。

もともとシグニティではスクラッチで仕組みを開発する必要があると考えていましたが、詳細に検討してみると「カスタマーストーリーアナリティクス(以下、CSアナリティクス)」によって最適化できることがわかりました。CSアナリティクスであれば、迅速に開発でき、コストも抑えることが可能です。

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最終的に実装されたシステムは図のとおりです。オーディエンスデータやマーケティングデータをRedshiftに集積します。サービスのシステムに大きな影響を与えることなく、疎に連係を図ることができるのもポイントでした。

「Redshiftの実力は知られたとおりででした。クラスメソッドが最適な設計を提案してくれたこともあり、Redshiftが苦手とする大量データ更新の高速化にも成功しました。CSアナリティクスによって工数を抑え、短期かつ安価に構築できたのも大きなメリットです。CSアナリティクスは構成がわかりやすいため、トライ&エラーを実施しやすいのもポイントですね。追加要望にも、すばやく柔軟に対応してくれたことも印象的です」(石松様)

クラスメソッドは、従来のシステムの解析と最新システムの設計、サンプルコード、プロトタイプ、そしてAWSのサービスを活用するためのアドバイスなどを提供し、構築そのものはシグニティが担当しました。「構築を丸投げする方式では、知見を獲得することができません。クラスメソッドは、AWSを活用するための先生として、惜しみなく知識を共有してくれました」と、石松様は評価しています。

また笠原様は、クラスメソッドがAWS以外の技術も広く精通している点に驚いたそうです。「エンジニアから営業担当者まで幅広いスキルを有しており、さまざまな問い合わせに対して迅速かつ高品質で、柔軟に答えてくれたことが、COINsの強化につながりました」と述べています。

クラスメソッドのサポートでCOINsは進化する

シグニティは、COINsをより便利なサービスへと進化させ、カスタマーエンゲージメント向上のための強化を図り、ユーザー企業のさまざまな要望に応えていきたいと考えています。

具体的な施策として検討しているのが分析機能です。CSアナリティクスには、BIツールとして知られた「Tableau」のOEM版が付属しており、追加費用なしで利用することができます。まずはデータを可視化してどのような分析が役に立つかを検討し、プロトタイプの開発を検討したいとのことです。

「私たちは、COINsのプッシュ通知サービスを通じて、PWAのマーケットを牽引していきたいと考えています。日本企業のカスタマーエンゲージメントの強化をサポートし、いずれはアジア圏にも進出したいと考えています。クラスメソッドは、インフラからBI/AIの領域にも幅広く精通しており、私たちのビジネスを強力にサポートしてくれるものと期待しています」

PWAは、新しいサービス提供の方式として大いに期待されています。シグニティとCOINsが持つ強力な“発信力”は、多くの企業のPWA活用とマーケティングを支援することでしょう。クラスメソッドは、この発信力を陰からサポートし、PWAの発展にも貢献していきます。

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この事例はCSアナリティクスをご利用いただいています

クラスメソッドはAWS、GCP、SnowflakeなどクラウドDWHを活用して最短1ヶ月で導入可能なデータ統合サービス「CSアナリティクス」を提供しています。社内のデータを活用したいお客様はぜひご相談ください。

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