AWS Transit Gatewayで
VPCとオンプレミスネットワークを相互に接続
シンプルなネットワークにより開発工数を削減

株式会社ストライプインターナショナル

ITシステム部 部長 野村秀憲 様

公開日:2022年3月14日

  • 複数のVPC間の接続が複雑化し、システム開発工数が増加
  • AWS Direct Connect Gatewayによるオンプレミス環境とVPCの接続数の限界

  • VPC間の接続がシンプルになり、システム間の接続漏れが解消
  • システムのクラウド移行や新規構築時の開発工数が削減
  • オンプレミス環境とVPCの接続の上限の解消による拡張性の確保

ストライプインターナショナルは、「ライフスタイル&テクノロジー」を事業領域として、アパレルブランドの「earth music&ecology」や「AMERICAN HOLIC」、ライフスタイルブランドの「Maison de FLEUR」などを展開しています。経営理念に「セカンドファミリー」を掲げ、仕事上の関係よりも親密で、信頼し合える関係を、社員同士から関係各社、顧客まで広げることを目指しています。

連結売上高1,011億円(2020年度)の事業を支える基幹システムや情報系システムは、2018年から徐々にアマゾン ウェブ サービス(AWS)へ移行してきました。複数の仮想プライベートクラウド(Amazon VPC、以下VPC)間は、2つのVPC間を接続する「VPCピアリング」を利用していましたが、VPCの数が増えるに従い接続が複雑化し、管理負荷がかかるようになっていました。

そこで同社は、クラスメソッドのコンサルティングサービスを採用し、中央ハブを介して複数のVPCとオンプレミスネットワークを接続するAWS Transit Gatewayを導入しました。これによりシステム導入時や改修時の接続設定に関する工数が軽減され、構築時間の短縮が実現しています。導入プロジェクトについて、ITシステム部 部長の野村秀憲さんにうかがいました。

VPCの増加により、システム間の連携が複雑化

20以上のブランドを展開し、約800の店舗を擁するストライプインターナショナル。事業を支える基幹システムや情報系システムは、IT要員のリソース確保や、保守コストの軽減を目的に、2018年からクラウド移行を開始しました。現在、販売管理、在庫管理、会計管理、POSなどの基幹・業務系10システム、メール、資産管理などの情報系8システムがAWS上で稼働しています。これらのシステムは、セキュリティーの確保やベンダー管理の目的から複数のアカウントで複数のVPC上で運用していますが、クラウドシフトが進んでVPCの数が増えるに従い、2つの課題が顕在化してきました。

(1)VPC間の接続の複雑化
同社は当初、VPC間は2つのVPCを接続する「VPCピアリング」を用いて連携していました。ところが、VPCの数が増えてくると、VPCピアリングでは対応しきれなくなってきました。2021年3月時点で8つのVPCがあり、30以上のVPCピアリングによって複雑なメッシュ状に接続されていました。

「その結果、新たなシステムをクラウド化するたびに、システム間連携で工数が発生し、開発にも長い時間を要するようになりました。稼働後の管理負荷もかかるため、VPC間の連携を簡素化したいと考えていました」(野村さん)

(2)オンプレミス環境とVPCの接続の限界
同社の岡山本社、東京本部、物流拠点、約800の店舗などのオンプレミス環境とAWS上のVPC間は、AWSの専用線接続サービスAWS Direct Connect 、AWS Direct Connect Gatewayを介して、通信キャリアのVPNサービス経由で接続していました。ところが、AWS Direct Connect Gatewayで接続できるVPCの数は10個までの制限があり、将来のシステム拡張に支障をきたす恐れがありました。

「今後もAWS上にシステムを構築していくと、AWS Direct Connect Gatewayの接続上限にすぐに達してしまうという危機感があり、いち早くこの状態を解消する必要がありました」(野村さん)

AWS移行の実績や技術レベルの高さを評価してクラスメソッドを採用

上記の課題解決を目指した同社は、2021年3月にクラスメソッドに対応策を相談したところ、AWS Transit Gatewayの導入を提案されました。AWS Transit Gatewayは、中央ハブを介してVPCとオンプレミスネットワークを相互に接続するサービスです。これによりネットワークが簡素化され、複雑なVPCピアリング接続や、オンプレミス間の接続を解消することができます。そこで同社は本番環境の一部を使ったPoCで動作を確認し、AWS Transit Gatewayの導入支援をクラスメソッドに要請しました。

「クラスメソッドには2018年から3年にわたって、基幹システム等のAWS移行を支援していただいてきた実績もあり、迷うことなくお願いすることにしました。クラスメソッドは、すべてのエンジニアの技術レベルが高く、相談すれば必ず課題を解決してもらえるという信頼感があります。当社のITシステム部にはAWSを使った開発経験があるメンバーも少ないため、現場の担当者にもわかりやすく説明していただける期待感もありました」(野村さん)

導入プロジェクトは2021年8月よりスタート。同年12月までの4カ月間ですべてのVPC間の接続とオンプレミス間の接続をAWS Transit Gatewayに切り替えました。2022年1月時点では、ハブとなるAWS Transit Gatewayを介して12個のVPCとオンプレミス環境の拠点が接続されています。

「AWS Transit Gatewayへの接続切り替えは、トラブルによるシステム停止リスクを回避するため、店舗向けの情報系システムなど、業務に影響が少ないものから着手し、徐々に会計や販売管理などのシステムを切り替えることにしました。優先度を決めた後は、移行手順やスケジュールをクラスメソッドに綿密に立てていただき、計画通りに進めていきました。切り替え時間は、1つのVPCあたり3分から5分程度。1時間のバッファを確保した中で、システムをほとんど止めることなく対応することができました」(野村さん)

VPC上で稼働しているシステムは、システム間で各種情報をやり取りしているため、AWS Transit Gatewayの導入時は、アプリケーションの保守ベンダーとの連携も必要となります。そこでプロジェクトは、ストライプインターナショナル、クラスメソッド、アプリベンダーの複数社体制で実施。クラスメソッドは、アプリベンダーへのAWS Transit GatewayやAWS Direct Connect Gatewayの機能説明、通信遮断時のフェイルオーバーの動作確認、パラメーター設定、QAなどにも対応しました。

「アプリベンダーとクラスメソッドで直接連携していただけたことで、コミュニケーションロスが起こらず、意思疎通がうまくいきました。プロジェクト中は、タスク管理ツール(Backlog)でインフラ・ネットワーク側とアプリ側の双方の進捗状況が確認でき、不安なく進めることができました」(野村さん)

クラスメソッドとしては、AWS Direct Connect GatewayとAWS Transit Gatewayを介して、オンプレミス環境とVPC間を相互接続するという国内事例が少ない中、VIF(仮想インターフェース)をプライベートVIFからトランジットVIFに切り替えたり、通信キャリアの閉域網接続サービスを採用したりしながら、シンプルなネットワークを構築しました。

VPCやオンプレミス環境の接続に関する課題をすべて解決

AWS Transit Gatewayの導入により、当初の課題であったVPC間の接続の複雑化と、オンプレミス環境とVPC間の接続の限界の2つの課題は解決されました。

これまでメッシュ状に接続されていたVPC間はシンプルな接続になり、新たにAWS上にシステムを構築したり、AWS上の既存システムに改修を加えたりした際も、VPC間の通信に関する動作確認の工数や、接続漏れによる修正対応の工数などが削減でき、構築期間の短縮につながりました。

「VPCピアリングでは、新しいシステムをつなぐたびに接続漏れが発生し、確認も含めてインターフェースの開発に2~3日はかかっていましたが、現在はすぐに相互接続が実現し、柔軟性が飛躍的に向上しています。2022年1月に追加でシステムをオンプレミス環境からAWS上に移行した際も、スムーズに接続ができました」(野村さん)

オンプレミス環境とVPCの接続においても、10個までの上限がなくなり、精神的な負担が解消されました。オンプレミス環境の拠点からは、VPNを経由してセキュアに接続ができるようになり、通信経路も冗長化によって可用性が確保されています。

AWS Transit Gatewayの導入を支援したクラスメソッドについては、技術レベルの高さはもちろんのこと、的確な進捗管理や、コミュニケーション能力の高さを改めて評価。2018年からの継続的な支援サービス(クラスメソッドメンバーズ)についても、柔軟な対応に感謝しているとのことです。

「AWS移行を中心とした3年間のプロジェクトにおいて、クラスメソッドはすべての案件を確実に遂行していただき、安心して任せることができます。スケジュールや費用面においても、工数単価方式への契約変更や、エンジニアの柔軟なアサインなど、対応力の高さに信頼を寄せています」(野村さん)

クラウドネイティブなアーキテクチャへのシフトと、クラウド人材の育成を推進

オンプレミス環境のシステムのクラウド移行をほぼ終えた同社は今後、クラウドネイティブなアーキテクチャへのシフトと、分析基盤の再構築を進めていく計画です。

「まずは2年計画で基幹システムをAWS上に再構築する予定で、現在はグランドデザインを作成しています。その際、AWSのマネージドサービスやサーバーレスを活用しながらシステムの柔軟性を高めていく予定です。分析環境についても、あらゆるデータが蓄積できる基盤を構築し、800店舗の業務を支えるデータ分析の高度化、MAツールとの連携などを目指していきます」(野村さん)

これらの構想を実現するためには、内製化が必須と考える同社では、クラウド人材、AWS人材の育成が新たなテーマとなっています。そのため、今後は社内の開発体制を整えると同時に、AWSの教育プログラムを導入していくといいます。

「クラウドやAWSのトレーニングプログラムを積極的に活用し、技術レベルの向上を加速させる予定です。クラスメソッドには、内製化支援サービスや、AWSトレーニングサービスの提案に期待しています。内製開発が難しい領域については、引き続き最適なエンジニアのアサインの支援、最適化に向けたアセスメントサービスの提供をお願いできたらと思います」(野村さん)

アフターコロナに向けて、積極的なデジタル化を進めるストライプインターナショナル。クラスメソッドは、今後も高い技術力でサポートを続けていきます。

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