Alteryxを活用してレポーティング業務の効率を30倍へ

東洋エンジニアリング株式会社

IT企画管理本部 ITサービス部 齊藤隼太郎様
エンジニアリング・技術統括本部 DXエンジニアリング部 エンジニアリングICTチーム シニアエンジニア 土屋大輔様
工事本部 工事技術部 シニアエンジニア 篠﨑泰明様
東洋エンジニアリング株式会社
公開日:2018年11月13日
BEFORE
  • 産業プラント建設で部品や人員の膨大なデータを扱う
  • ExcelやAccessによるデータ管理や加工が負担に
  • 中期計画ではIT活用でノンコア業務の削減を目指す
AFTER
  • 社内にAlteryxを普及するワークショップを含む導入支援
  • 複数データベースの整合性チェック作業で大幅に時間短縮
  • Excel比10~30倍もの業務効率化が可能との試算

産業プラント建設はノンコア業務の効率化が急務

東洋エンジニアリングは、エネルギーや石油化学・肥料、資源開発などの各種産業プラントの建設において、設計(Engineering)・調達(Procurement)・工事(Construction)の全フェーズを一括して請け負う総合エンジニアリング事業者です。1961年の創業以来、50以上の国・地域で数千件のプロジェクトを遂行してきました。

特に尿素プラントは、当初から取り組んできたビジネスの1つです。尿素合成技術「ACES21」をはじめ、複数の関連技術を自社開発し、ライセンサーとして世界へ技術を供与しています。エチレンプラントでも世界有数の建設実績を持ち、大規模な設備も数多く手がけています。

長年のノウハウ・経験を生かし、各種発電(バイオマス含む)、水処理、製薬といった多様な分野の設備を建設するほか、製造・物流分野のシステム改革・業務改革なども幅広くサポートしてきました。

「産業プラントはその性質上、設計・調達・工事の各フェーズで条件や状況が異なるため、プロジェクトを1つ1つ手作りし、長期間にわたって確実にコントロールしていく必要があります。また、多数の海外拠点で現地のエンジニアや作業員を雇用し、的確にサポートしていかなければなりません。そうして培ってきたプロジェクトマネジメント力は、当社の強みの1つです」とIT企画管理本部 ITサービス部 齊藤隼太郎様は述べています。

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しかし、いかに強力なマネジメント力を保有していても人材には限りがあります。そこで東洋エンジニアリングでは、ITを活用してスタッフがコア業務に専念できるようにするデジタルトランスフォーメーションを推進しています。中でも業務効率化の領域では、2018年から2020年にかけてノンコア業務の30%を削減するという目標を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。

数百万個の部品1つ1つが格納された巨大なデータベース

プラントの建設プロジェクトを推進する際には、膨大な量のデータを取り扱います。部品の1つ1つ、人員の1人1人を細かに管理しなければなりません。これまで東洋エンジニアリングでは、そうした細々とした管理をExcelやAccessを利用して行っていました。本社の管理業務担当者から現場のエンジニアまで、多くのスタッフがExcelを活用していますが、あまり効率がよいとは言えませんでした。

エンジニアリング・技術統括本部 DXエンジニアリング部 エンジニアリングICTチーム シニアエンジニアの土屋大輔様も、ExcelやAccessを用いた業務で悩んでいたスタッフの1人です。DXエンジニアリング部では、プラント建設に関連する部品の3Dデータを取り扱っており、プロジェクトの依頼に応じて、データを基にレポートを作成することもあります。

「プラントの部品は、数百万個に及び、その細かな部品1つ1つに至るまで3D CAD内にデータ化されています。1つのプロジェクトの3Dデータベース内には数万以上のテーブルがあり、その各テーブルには数万〜数百万のレコードが格納されているという膨大なものです。それらのデータベースから、プロジェクトごとに必要に応じてデータを抽出するために、数十個のテーブルをSQLで結合してCSVファイルへ出力し、その後ExcelやAccessで加工していました。これまで作成したSQLは数百種類にも及びますが、データを抽出するだけでも長時間かかり、その後の加工も含めて大きな作業負担を感じていました」(土屋様)

全社的なデジタルトランスフォーメーションの取り組みの中で、こうした業務負荷を軽減するため、東洋エンジニアリングが注目したのが「Alteryx」です。市場に登場し始めたBIツールの情報を収集していたところでAlteryxに出会い、既存の課題解決に活用できると考えました。国内で積極的にAlteryxを取り扱っている事業者としてクラスメソッドに相談し、まずはDXエンジニアリング部を中心にトライアルを開始しました。

Alteryxのワークフローならミスやトラブルも抑制できる

土屋様は、すぐにAlteryxの利点に気づきました。従来は3Dデータベースから必要なデータを抽出する際に、レポート種類別にSQL作成が必要でしたが、Alteryxを用いると、複雑な条件処理がAlteryxで容易に行えるので、SQLの種類を大幅に減らすことができ、趣旨の異なる複数のレポートも同時に作成する事ができました。SQLとExcelで長時間かかっていた作業が、たった数十秒で完了してしまいます。

2018年4月にAlteryxの利用を開始した土屋様は、2018年9月時点ですでに数百種類ものワークフローを作成し、さまざまなレポーティングに役立てているそうです。

例えば設計品質管理(QC)の領域では、複数のデータベースを照合して整合性をチェックするという業務が発生します。Alteryxはこの作業に長けており、結果の検査に長時間かかっていた作業を大幅に短縮できました。

「Alteryxは、ワークフローの作り方を覚えれば利用は非常に簡単で、Excelに代わる普段づかいのできるツールです。Excelに比べて10~30倍、Accessと比べて5~10倍もの業務効率が図れると試算しています。これまではデータが大きすぎてExcelの関数が実質的に使えないなどという場面もありましたが、Alteryxであれば、そうした不可能だった分析も実現できると考えています」(土屋様)

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工事本部 工事技術部 シニアエンジニアの篠﨑泰明様も、Alteryxに大きな興味を抱いているスタッフの一人で、同部も積極的に導入に向けて活動しているそうです。

工事の領域でも、膨大な設計情報などを取り扱っています。1つの案件で数万〜数十万行ものシートを作成・集計する必要があるうえ、プロジェクトごとにフォーマットが異なります。またデータが大きいため、ちょっとした変更作業でも数日間かかっていたそうです。

「Alteryxならば、フォーマットが異なっていても簡単にその差を吸収してくれますし、膨大なデータもすばやく扱えるため、作業負担は数分の1に抑えられます。またワークフローとして作成するためデータのつながりや流れがわかり、ミス・トラブルの軽減や属人化の抑制も図れると期待しています」(篠﨑様)

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クラスメソッドのサポートで全社にAlteryxを広めたい

土屋様は、全社的にAlteryxを活用することで、非コア業務を削減できると考えています。そこでクラスメソッドのサポートを受け、Alteryxの利用方法や業務効率化のメリットを伝えるワークショップを開催しました。篠崎様の工事本部をはじめ、興味を持ってくれた担当者も多く、まずは標準化を進めてより多くの部門に広めていきたい意向です。

篠﨑様は、工事現場での活用を広めたいと考えており、現場で活躍する多国籍のエンジニアに対するレクチャーが必要だと考えています。そこでクラスメソッドと米アルタリクスのサポートを活用して、英語のオンラインセミナーを開催する計画です。

「クラスメソッドは、問い合わせに対するレスポンスもよく回答も的確で、技術力に優れた信頼できるパートナーだと考えています。Alteryxは、プロジェクトどうしのサマリー情報を比較するなど、経営陣が必要とするデータ分析にも活用できるツールです。そうした両者のメリットを全社に伝えて、トランスフォーメーションを推進していきたいと考えています」(齊藤様)

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クラスメソッドは、Alteryx製品のライセンス販売や公認トレーニングを通じ、お客様のAlteryx導入をサポート。アジア太平洋地域のAlteryxパートナー・オブ・ザ・イヤー受賞に裏打ちされた知見をもとにお客様を支援しています。

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