やりたいことを実現できる旅行サービスを目指し
オンプレミスからAWSへ移行

クーコム株式会社

システム開発課 執行役員 三浦克浩様
クーコム株式会社
公開日:2018年9月9日
BEFORE
  • オンプレミスで運営する旅行予約サイト会員数が右肩上がり
  • サーバ劣化による障害を防ぐため柔軟に拡張できる基盤が必要
  • システムの複雑さからインフラのみクラウドへ移行
AFTER
  • 従来のインフラをAWSに最適化しつつ再現
  • 最小限のダウンタイムで最難関のデータ移行を実現
  • 旧システムよりはるかに安定的な稼働

人気上昇中! 有料会員制の旅行予約サイト

クーコムは、有料会員制の宿泊・レンタカー予約サイト「TOCOO!」を運営している旅行代理店です。TOCOO!の特長は、旅行業界でも唯一 “有料会員制”を採用している点にあります。

一般的な宿泊予約サービスの場合、旅行者の会員登録は無料で、サービスに加盟した宿泊施設から手数料を徴収して運営されています。そうなると手数料は結果的に宿泊料金に上乗せされるため、利用者の負担となります。一方、TOCOO!の利用者は年会費を払ってサイトに登録するので、クーコムが宿泊施設から手数料を徴収することはありません。利用ごとの手数料がかからないサブスクリプション型のサービスなので、宿泊施設の“卸価格”で、安価に宿泊できるのです。

クーコム株式会社
「私たちは、品質の高いホテルや旅館を、もっと身近に手軽に利用して欲しいという思いからTOCOO!を運営しています。会費は定額制ですから、旅行すればするほどお得になります。ほかにも割引クーポンや会員専用のサービスなど魅力的な仕掛けを用意しており、100万人以上の会員が旅行を楽しんでいます」と、システム開発課 執行役員の三浦克浩様は説明します。

また昨今の訪日外国人は、いわゆるパッケージ旅行ではなく、宿とレンタカーを自分で予約して長期滞在し、「自由に日本を楽しみたい」という利用者が増えているそうです。訪日外国人向けのレンタカー予約サービスでも長年の経験を持つクーコムは、より多くの観光客に楽しんでもらうため、日本の良質な宿の紹介にも力を入れていきたいとのことです。

負荷に耐えきれないオンプレミスの限界

クーコムは、TOCOO!のサービスを物理サーバで構成されたオンプレミスのシステムで運営していました。会員が増えて大きな負荷がかかるようになり、長期間利用しているハードウェアの劣化も相まって、アクセス障害が発生することも増えていました。また、メールマガジンを発行すると会員の流入が増えるものですが、コンバージョンレートが十分に上昇しないというケースもありました。少数精鋭で運用していたこともあり、ハードウェアの拡張やソフトウェアの改修も間に合いません。

「TOCOO!は順調に成長しており、会員数は右肩上がりに増えています。データセンターの契約が高額であったこともあり、オンプレミスシステムには限界を感じていました。安定的にサービスを提供でき、柔軟に拡張できるプラットフォームが必要だと考えていました」(三浦様)

オリンピックのようなイベントのときに“スパイク”が発生しても安定性を保てること。将来的にサービスを強化したり、新しい機能を追加したりできる拡張性を持つこと。スケールアップとスケールアウトの双方に強みを持つプラットフォームと言えば、もちろんクラウドです。また三浦様は、認証・アクセス制限の一元管理やJenkinsなどを用いた開発支援など、クラウドサービスだからこそ実現できることにも期待していました。

とはいえ、人的リソースが不足する中で、一足飛びにクラウドネイティブなシステムを構築するのは危険です。長年にわたってさまざまなシステムを構築してきたこともあり、複雑化も進んでいました。そこで三浦様は、まずアプリケーションの改修は最低限に抑えて、インフラのみをクラウドサービスへ移行することを計画しました。

三浦様は、さまざまなベンダーやさまざまなクラウドサービスを横断的に調査・検証し、最終的にクラスメソッドとAmazon Web Services(AWS)のタッグを選びました。

「AWSを選んだというよりは、クラスメソッドを選んだというほうが正確ですね。見積もりの段階から提案が具体的で、情報をオープンにしてくれたこと。構成案の精度が高く、高度な技術力が垣間見えたことが決め手です。知名度も高く、実績も豊富で、クラスメソッドなら私たちの希望を実現してくれると確信したのです」(三浦様)

クーコム株式会社

クラスメソッドの総合力でストレスなしのインフラを構築

クーコムでは、データセンターの契約満了に合わせてAWSへの移行を実施しました。当初の計画どおり、アプリケーションの改修は最小限にとどめ、TOCOO!の予約サイトやメールマガジン配信を含めて、商用サービスのプラットフォームを対象としました。

移行の結果、従来のオンプレミスシステムと比べてはるかに安定的に稼働していると、三浦様は述べています。ハイパフォーマンスなインスタンスを選んだこともあって、移行後にも不定期にアクセス増加が発生して一時的に負荷が高まることがあるものの、自然に解消されるようになりました。これまで毎日のように発生していたアラートも、今では最小限にとどまっており、そもそもインフラに起因したトラブルは発生していません。

メディア紹介などのタイミングで膨大なアクセスが発生することもありますが、インスタンスの拡充で事前に対策を採れるため、悩まされることがなくなりました。運用コストも大幅に軽減されており、経営層からも好印象とのことです。

クラスメソッドは、移行に際し、従来のインフラを再現することに努めました。もちろんAWSに最適化して、冗長性や安定性の向上も図りました。例えば、メール送信サーバー。以前はアクティブ・スタンバイ構成で片側のリソースが余っている状態でしたが、NLBを活用することでアクティブ・アクティブ構成を簡易に構築することができ、可用性の確保と処理能力の向上に寄与しました。同様に、ElasticacheのRedisを利用したクラスタ化構成や、RDSリードレプリカの活用も、冗長性と安定性の確保に非常に役立っています。三浦様は「安心して任せることができ、迅速にインフラを整えてくれた」と述べ、アプリケーションの改修に集中できたことを高く評価しています。

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最も難しいデータ移行は困難な作業でしたが、クーコムはクラスメソッドと共に解決策を導き出して、最小限のダウンタイムで実施することができました。

またクーコムにとって、今回の移行は大がかりなプロジェクトであり、本格的なAWS活用も初めてのことだったため、さまざまな疑問や課題を抱えていました。そこで三浦様は、AWSやその他のシステム・技術に関わるコンサルティングサービスを大いに活用しました。

クーコム株式会社
「クラスメソッドは、私たちのこまごまとした質問に対して迅速かつ的確に答えてくれました。当社の担当者でなくとも他のスタッフと協力して解決策を導き出す姿勢、チームとしてサービスを提供してくれる姿勢が印象的でした。個の技術力だけでなく、組織としての総合力の高さを実証してくれました」(三浦様)

AWSならなんでもできる - 「TOCOO!」進化への第一歩

三浦様は、TOCOO!のインフラをAWSへ移行したことによって「やりたいことができるようになった」ことを実感しています。これまで諦めていたこと、ガマンしていたことを、具体的に検討できるようになったことは大きな前進であるという評価です。

AWSの新しい機能を用いて新しいサービスを開発することも可能ですから、セキュリティ対策の強化や分析機能の拡充など、よりよいサービスへリニューアルすることも計画できます。

また三浦様は、商用サービスだけでなく業務システムの移行も検討しています。オフィス内にもこまごまとしたデータやアプリケーションが散在しているため、こうしたシステムをAWSへ統合し、統制を利かせつつ業務効率を向上させていきたいと考えています。

「AWSへ移行することで、何でもできるようになったと感じています。クラスメソッドには、その豊富な知見と技術力を生かして、よりよいサービスを作るための提案を継続してほしいと考えています」(三浦様)

さらにクーコムでは、AWSエンジニアの採用も検討しているそうです。クラスメソッドとの協力体制を強化して、いっしょにTOCOO!のサービスを盛り上げていきたいとの意向です。TOCOO!は、クーコムとクラスメソッドのパワーで、より便利に・よりお得に旅行を楽しめるサービスへと進化していくことでしょう。

この事例はAWSコンサルティングをご利用いただいています

クラスメソッドのAWSコンサルティングは、公式資格を持つエンジニアがお客様の要件にマッチしたAWSのクラウドインフラ設計、サービス選定をご提案。AWSの広い知見を活かし、コスト削減からハイパフォーマンスな構成までじっくりとアドバイスします。

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