自治体向け業務支援システムの企画・開発・運用に強みを持ち、ITの社会基盤を下支えする日本コンピューター株式会社。同社は組織内のさらなる技術力強化を目指し、AWS活用の内製化への足がかりとして人材育成支援サービス「DevelopersIO BASECAMP for Biz」(以下、デベキャン for Biz)を受講しました。
創業から半世紀以上にわたって社会に貢献するサービスを提供し続ける同社の、クラウドサービスに対するガバナンスおよびコンプライアンス強化、そしてガバメントクラウドへの対応を見据えた技術者育成について振り返ります。
創業半世紀の老舗が目指す自治体DXへの対応
日本コンピューターは、1969年の創業以来、一貫して社会貢献を目指すITソリューションを提供しており、特に保健・福祉・介護分野の自治体向け業務支援システムにおいては高いシェアを誇ります。長年の信頼と実績を持つ一方で、近年国が進める自治体DXの波に対応するため、AWSなどのクラウド技術を活用したシステム刷新と、それに伴う社内技術力の内製化が急務となっていました。
「これまでの自治体向けシステムはオンプレミス環境が中心で、クラウド技術に触れる機会は限定的でした。システム刷新を進めてきた開発チームではクラウドスキルが蓄積しつつある一方で、運用チームには実践的なクラウドスキルを伸ばす余地がありました。」(田邊さん)
特に、顧客のAWSシフトを成功させるには、単に座学で知識を詰め込むのではなく、実業務に直結する実践力、および顧客の課題を深く理解し、適切なクラウドソリューションを提案できるビジネス視点を持った人材育成が不可欠だと判断しました。そこで、技術ブログ「DevelopersIO」の購読やAWS総合支援のクラスメソッドメンバーズの利用を通じて技術力や文化に触れていた同社は、この課題解決に最適なパートナーとして、クラスメソッドグループのプロパゲートが提供する実践的な人材育成プログラムであるデベキャン for Bizに注目しました。
「デベキャン for Biz は伴走型で一人ひとりの理解度に合わせて学びを進められるため、ITスキルにばらつきがある弊社にとって技術力を伸ばしやすいプログラムだと感じました。」(清水さん)
実務直結のカスタムカリキュラムで応えるデベキャン for Biz
日本コンピューターがデベキャン for Bizを選定した最大の理由は、顧客の具体的な事業内容や技術的要件に合わせて、カリキュラムを柔軟にカスタマイズできる点にありました。
特に重要視されたのが、自治体システムに必要なガバメントクラウド対応です。通常のAWS学習コースでは触れない、業務システムに近い閉域網ネットワーク構成や、厳格なセキュリティ・コンプライアンス要件を、仮想的な案件としてカリキュラムに組み込む必要がありました。
この要望に対し、プロパゲートは実際の業務環境に極めて近いネットワーク構成を再現したカリキュラムを設計しました。受講生は、単なる技術学習に留まらず、「なぜこの要件が必要なのか」「この制約下でAWSをどう設計すべきか」といった、実務で直面するであろう葛藤や判断プロセスを経験することができました。
デベキャン for Bizの核となるのは実践形式の学習です。この度日本コンピューターは「要件ヒアリングコース」を若手からベテランまで計6名を対象に受講し、それぞれ以下の要件を達成しています。
・学習形式:現場経験豊富なプロパゲート所属のエンジニアが「顧客役」および「メンター役」として参加。実際の顧客折衝に近い緊張感の中で、受講生は提案・説明・技術選定を行うロールプレイを経験
このロールプレイは、受講生にとって、インフラの技術的な知識だけでなく、コミュニケーション能力や提案力を同時に鍛える絶好の機会となりました。特に、「顧客要望に合うカリキュラムのカスタマイズが、実際の顧客折衝に近いロールプレイとして大きな効果を挙げた」という点は、本プロジェクトの成功の鍵となっています。
また、デベキャン for Bizでは70時間程度の学習時間を設けていますが、受講生一人ひとりの裁量で学習を進められる柔軟なプログラム設計となりました。突発的な業務が発生して多忙を極める方がいても、各自のペースで学べる柔軟性により、業務の合間を縫って学習時間を確保して課題に取り組むことが可能でした。
支援効果と組織にもたらされた新しい風
今回のデベキャン for Biz受講を通じて、受講生は単なるAWS知識の習得に留まらない大きな変化を遂げました。それは、本番さながらのロールプレイを経験することで、技術者として「顧客のビジネス課題を解決する」という視座を持つことができるようになったことと、「要件ヒアリングコース」でAWSを活用した要件定義のプロセスを体得できた受講生が今後AWS関連プロジェクトにおいて、企画段階から貢献できる即戦力としての活躍が期待されることです。
「自分事としてとらえて提案をするという形式で行うことで、説明するための知識の深堀につながった」「社内のクラウドチームで話している内容が前よりもわかるようになりました」など、受講者からは生きた知識の習得を実感するコメントをいただきました。ほかにも今回のカリキュラムについても「要所で進め方などのフォローアップをしていただけたことでスムーズにできました。また、サービスに関する補足などをいただくことで理解度が上がりました」とご評価をいただいています。
今回の取り組みについて、ご依頼の背景に技術選定における判断力と意欲的な姿勢を期待されていた嶋田さん、清水さんからも受講生の成長についてコメントをいただいています。
「今回のデベキャン for Biz を通じて、AWSのリソースを理解し、自ら構成図を作成できるようになった点は大きな成長でした。実際に手を動かして設計に取り組んだことで、既存のAWS構成図を読み解ける力も身についたと感じています。」(清水さん)
今回のデベキャン for Bizの成果は、日本コンピューターのAWS活用における内製化と、将来の自治体DX推進の重要な一歩となりました。そしてこの取り組みを通じて「新しい技術に積極的に挑戦する」という日本コンピューターのスタンスが社内外に伝わるきっかけにも繋がればと、採用等の間接的な効果も期待を寄せています。
クラスメソッドとしては、今後も継続的な技術支援の機会をいただき、日本コンピューター様の成長に貢献してまいります。


