働き方を設計するオカムラのWORK MILL
1946年に横浜で操業した岡村製作所は家具や産業機器の製造を中核事業とし、「オカムラ」ブランドで親しまれるメーカーです。事務用椅子をはじめオフィス向け家具の分野で高いシェアを誇り、小田急電鉄ロマンスカーの座席や歌舞伎座の劇場椅子など、商業施設向け製品のデザイン・製造などでも知られています。
同社の強みは、専門の研究機関にて労働や文化などの環境から研究し、人々の行動に最適な家具を設計・製造している点です。特に昨今は、政府も主導する「働き方改革」を重要視し、“働き方の改善や設計”に注目した製品開発を行っており、2015年ごろからは「オフィスの文化をつくる」ことを目指したプロジェクトを推進しはじめました。その一環として、2016年に本格始動したのが「WORK MILL」です。
「働き方改革は、すべての組織にとって重要なミッションの1つになっています。WORK MILLを開設してから1年ほどが経ち、ユーザーの注目度は日に日に高まっていることを感じます。顧客からのWORK MILLや働き方改革についての問い合わせも増え、それに合わせて社内の関心度も上昇しています。Webメディアだけでなく、2017年9月には雑誌『WORK MILL with Forbes JAPAN』を創刊し、全国の書店での販売を開始しました」
(マーケティング本部ソリューション戦略部 未来企画室 兼 オフィス研究所 庵原悠様)
成長するWebサイトの開発と運用をAWS上で
WORK MILLのWebサイトは、Amazon Web Services上で構築・運営されています。もともと同社のコーポレートサイトなどは、社内のWebサーバーで運用されていましたが、WORK MILLが目指す規模では不十分だと感じたそうです。また、将来的に成長が見込める事業だとしても、当初はできるかぎりスモールスタートを行いたいという要件もありました。小さく始めて大きく育てられる拡張性・俊敏性に優れたプラットフォームがWORK MILLには必要でした。
「AWSは、すでに多くの組織で利用されている実績がありますし、小さく低コストで始められる点も魅力でした。当社ではAWSの適用範囲がまだ狭く、将来的なクラウド活用を推進するためにも、WORK MILLが先駆者となる意味があったと感じています。WORK MILLの成功を受けて、社内でもAWSへの関心が高まっています」(庵原様)
「AWSは、社内のガバナンスから外れたクラウド環境ですから、社内ポリシーを踏まえたうえで独自の運用を行う必要がありました。しかし、人材には限りがあるため、できるだけ多くの部分を専門家に任せたいというのが本音です。技術力が高く、サポートも充実しているサービスベンダーを探していたところ、クラスメソッドに出会いました」(庵原様)
先進性と安定性を両立できるクラスメソッド
岡村製作所では、WORK MILLサイトの強化を図るため、AWS上でのシステム更改をクラスメソッドに依頼しました。ポイントの1つは、高速化チューニングを適用したWordPress仮想マシン「KUSANAGI」の適用でした。
WORK MILLのコンテンツ管理にはWordPressが採用されていましたが、スタッフからは「重い」というクレームが出ていたそうです。また、動作が緩慢になることが多く、特に複数の編集者が同時に作業を行うと、正常に更新されないなどの不具合も生じていました。この問題を解決し、快適なコンテンツ管理環境を提供するために、KUSANAGIを採用することに至りました。
新システムはパフォーマンスもよく、CMSでの作業がしやすくなったおかげか、コンテンツもユーザーも順調に増やすことができました。庵原様によれば、プロジェクトは当初予測できなかった拡がりを見せており、その点でAWSの柔軟性の高さやクラスメソッドのサポートに助けられているとのことです。
「クラスメソッドのサービスにはたいへん満足しています。移行時の困難な状況にも、細々とした要求にも柔軟に対応してくれました。『Backlog』を活用したプロジェクト管理とコラボレーションは、当社が考える働き方改革にも通じるところがあり、非常に参考になりました」(庵原様)
将来的に庵原様は、WORK MILLサイトのサービス範囲を拡張し、会員サイトなどのコミュニティ強化にも活用したいそうです。さらには、岡村製作所の新規事業をデジタルから生み出すことも視野に入れたいと話していました。
クラスメソッドは、そうしたスピード感をもってトライしていかなければならないイノベーティブな取り組みに対し、適切なサービスを提供してくれるベンダーだと庵原様から評価をいただきました。また、システムの運用を安心して任せられる信頼性も持ち合わせているというご評価もいただいています。
「これからも堅実性と新規性の2つを兼ね備えたパートナーとして、当社の事業を支えてほしいと思います」という庵原様の言葉どおり、岡村製作所の取り組みをクラスメソッドがご支援してまいります。