Alteryxでデータプレパレーションの効率化と高速化を実現

株式会社リクルートライフスタイル

データプロダクトストラテジスト 前田周輝様
株式会社リクルートライフスタイル
公開日:2018年12月5日
BEFORE
  • 意思決定を効率化する積極的なデータ活用を目指す
  • 工数の70~80%を占めるデータ前処理がボトルネックに
  • 早期からAlteryxを手がけたクラスメソッドに導入支援を依頼
AFTER
  • Alteryxによるデータプレパレーション作業を実現
  • データ処理の生産性が大幅向上し分析回数を増やせる状態に
  • TableauやAWSに関する問い合わせにも幅広い知見を提供

店舗の現場と経営を支える総合サービスへ

リクルートライフスタイルは、『HOT PEPPER』や『HOT PEPPERグルメ』『HOT PEPPER Beauty』『じゃらん』など著名なメディアを中核に、グルメ・美容・旅行・ヘルスケアといった領域で情報誌や情報サイト、予約サイトなどの販促支援サービスを提供する企業です。これらのメディアを通じたネット予約サービスは、業界最大級の利用者数を誇り、“顧客接点”の強さで店舗にも消費者にも支持されています。

昨今では、美容室や飲食店向けの予約・顧客台帳システム『サロンボード』『レストランボード』、0円でカンタンに使えるPOSレジアプリ『Airレジ』やカード・電子マネー・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス『Airペイ』など、店舗・企業の業務を支援するサービスも展開しています。

「中核事業で店舗へ集客したあとには、必ず営業・購買活動が発生します。そうした業務効率や経営効率などの顧客課題にも、私たちのノウハウ・技術が生かせると考え、店舗・企業のビジネス全体をサポートするサービスの創出・提供に注力しています」と、データプロダクトストラテジストの前田周輝様は述べています。

データ活用のための前処理が手作業で限界

もともと同社では、営業担当者を中心にデータ(数字)を重視したビジネスを行っており、スタッフもデータに注目して業務を遂行する文化が根付いていました。

2006年頃からは、紙メディアに加えてWebサイトでの情報提供も拡大し、紙メディアと比較してより詳細な消費者行動データの収集が可能になりました。そこで同社は、より積極的にデータを活用して意志決定のスピードと精度を高め、同時にデータ分析の“民主化”を進めることも目標に掲げました。

株式会社リクルートライフスタイル
「当社でもプロのデータサイエンティストが活躍し、データの解析に従事しています。しかし解析の依頼が特定のメンバーに集中すると、どうしても一部の業務に遅れが生じてしまいます。この状況を打破するため、5~6年前からデータ開発の専門チームを形成し、データ分析の“民主化”の環境整備に着手しました」(前田様)

前田様のチームでは、各部門からの依頼を受けてデータの“仕様確認”“加工”“洗練”を行う「データプレパレーション」の業務も担っています。データ分析全体の作業のうち70~80%が、この前処理に費やされると言われています。

こうした前処理は、その後の分析に寄与する非常に重要な業務ではありますが、時間と手間が大きいことが問題でした。パズルのように上手くはまると「作業者として満足度が高い」(前田様)業務ではあるものの、それ自体に意味があるわけではありません。また昨今は、データ活用のニーズが高まり、各部門からの依頼が増加しており、業務負荷からすべてを受けられないという状況も発生していました。

「私たちは大小数十のサービスを展開しており、テーブル数もレコード数も拡大を続けています。事業の成熟度に応じて求められる『データプレパレーション』も異なるのです。中核サービスはデータボリュームが多く複雑、また新規サービスは、サイズこそ小規模ですが、初見で素早い加工が求められる。こうしたさまざまなデータプレパレーションを効率よく実行する方法が必要でした」(前田様)

注目のAlteryxをいち早く国内展開したクラスメソッド

当時、リクルートライフスタイルでは、BIツールとしてTableauを活用する計画が進められていました。そこで前田様は、情報収集のためにTableau Conferenceを訪れ、そこで「Alteryx」に出会いました。説明をしていたコンサルタントに2日がかりで詳しく話を聞き、分析の手法や新しい提案を受けると、もともとの目標以上の効果が得られると感じたということです。

「私たちの前処理は、実施する内容が複雑で、かつ毎回異なるという問題があります。そのため、一般的なETLソリューションでは対応しにくいという問題がありました。AlteryxはUXが非常に優秀で、日々のさまざまな処理へ繰り返し使えるツールでした。サンプルワークフローが豊富で、すでにコミュニティが発達していたというのも注目した理由の1つです」(前田様)

くしくも、クラスメソッドの横田代表も同じ会場でAlteryxに注目して日本への輸入を即決し、同年末には日本初のパートナーシップを締結しました。会場でその様子を目撃していた前田様は、国内提供が始まると同時にクラスメソッドへ相談し、Alteryxの導入を決めました。

「クラスメソッドは、当時からビッグデータに注力しており、さまざまな知見やノウハウを蓄積していました。またエンジニアのコミュニティも強力で、情報を出し惜しみしないというスタンスにも共感していました。Alteryxの国内展開を積極的に進め、いち早く提供を開始していたことも、決め手の1つですね」(前田様)

すばやく、再現性も高いAlteryx

前田様のチームでは、データプレパレーション作業をAlteryxで実施するようになりました。大規模事業の複雑なデータ加工であっても、Alteryxであればすばやく処理できますし、再現性が高いこともメリットの1つです。

これまでも、あるデータ処理を行ったのち、数か月後に同じような処理を依頼されるケースがありました。さまざまなデータ処理を行っていたため、手作業だと以前の手法を再現するのが困難だったのです。また少し変化を加えたい場合でも、Alteryxのフローであれば容易に対応することができます。

新規事業の場合、初めて見る形式のテーブルを受け取ることもありますが、短時間で処理できるのが効果的だと前田様は評価しています。またプレパレーション作業を通じて、データが不足していたり、取得方法に難があったりすることも判明するため、迅速に改善を提案できるのも効果的です。

「例えば『Airレジ』で扱うPOSのレコードは、私たちにとっても初めての経験でした。しかも急速に開発していたため、毎日のように新しいテーブルが追加されたり、これまでの形式とズレが生じたりしました。もし手作業で調整を行っていたら、とても追いつかなかったことでしょう」(前田様)

株式会社リクルートライフスタイル
前田様によれば、Alteryxを導入したことで、データ処理の生産性が大きく向上したとのことです。これはデータ分析の領域では重要なことで、分析の回数を増やすことができることにつながります。以前は断っていたプレパレーション作業も受け付けられるようになりました。現在は、Alteryxで手法を確立したのち、同じものはバッチですばやく処理できるように工夫しています。

またリクルートライフスタイルでは、機械学習を自動化する「DataRobot」も活用しています。Alteryxでデータ処理に専念すれば、自動化が進めやすく、親和性が高いことも高評価の1つとのことです。

データ分析の民主化を推進するツール

リクルートライフスタイルでは、データ分析の民主化をいっそう推進し、データ活用を徹底していきたいと考えています。Alteryxも、サンプルワークフローやトレーニングなどを通じて多くの社員に活用のチャンスを与えて、適用範囲を拡大していきたい意向です。プロフェッショナルである社内のデータサイエンティストも、Alteryxに強い興味を抱いているとのことです。

「クラスメソッドは、Alteryxだけでなく、TableauやAWSに関するさまざまな問い合わせに対しても、出し惜しみせずに情報を提供してくれます。技術力が高く、幅広い知見に助けられています」(前田様)

データ活用は、多くの企業・組織にとって急務の取り組みです。リクルートライフスタイルも、急速にデータ活用を強化し、近い将来には当然のように利用できる環境を作り上げていくことでしょう。Alteryxとクラスメソッドは、そうした取り組みを全力で支援していきます。

この事例はAlteryx導入支援サービスをご利用いただいています

クラスメソッドは、Alteryx製品のライセンス販売や公認トレーニングを通じ、お客様のAlteryx導入をサポート。アジア太平洋地域のAlteryxパートナー・オブ・ザ・イヤー受賞に裏打ちされた知見をもとにお客様を支援しています。

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