教育環境デジタル化の第一歩を支えたAWS技術支援
サービス選定からLMS・学務システム連携まで密接にサポート

学校法人吉田学園

法人本部法人経営企画局コンピュータシステム部 部長 嶌田史人様
法人本部法人経営企画局 局長 今光昭様
吉田学園情報ビジネス専門学校 校長 橋本直樹様
学校法人吉田学園
公開日:2023年11月16日
BEFORE
  • オンプレミスで機材調達や保守を自前で対応
  • オンライン授業など環境の変化にIT基盤強化が不可欠
  • クラウドサービス選定や移行は技術面のハードルがあった
AFTER
  • 3,000名が同時にアクセスできる要件を満たした環境を用意
  • AWSへのサーバー移行を1ヶ月で実現
  • 平常時の社内システム保守は週1時間程度に改善

札幌を中心に大学や専門学校など9校を運営する学校法人吉田学園。同グループはITシステム基盤における様々な課題を改善すべくクラウド化を検討し、クラスメソッドの技術支援のもとオンプレミス環境のAWS移行と校務システムに株式会社システムディの「Campus Plan」を、学習管理システムには日本データパシフィック株式会社の「WebClass」を2023年4月に導入しました。

教育機関向けの専任チームを持つクラスメソッドは、今回のクラウド移行に際して移行方法の提案に加え、Campus Plan提供元との連携などシステムから実務まで広範囲にわたるバックアップで吉田学園のデジタル化をサポートしました。本プロジェクトについて導入当時を振り返っていただきました。

学校法人吉田学園

安定稼働とセキュリティ確保のためのAWS利用

吉田学園は医療福祉やIT、動物看護、自動車整備と広い分野で国家資格取得の促進、企業交流も含めた教育の機会を提供し、約30の学部・学科からなる全校の学生・教職員の数は3,000名におよびます。

学校法人吉田学園 「『高度職業人の育成』を建学の精神に、専門知識・技術を身につけて現場ニーズに対応する“即戦力”として地域社会に貢献できる人材を育む教育環境を展開しています」(法人本部法人経営企画局 局長 今光昭さん)

教育環境についてはコロナ禍によってもたらされる変化も含まれます。「オンライン授業が日常化したことなどもきっかけとなって、これからの大学・専門学校の在り方も非常に考えさせられました」と今さん。加えて職員側でも、紙や印鑑が主体の届出・申請をはじめデジタル化による改善の余地がありました。こうした変化と改善を考える上で、同校がこれまで情報システム基盤として保有・運用してきたサーバー環境はボトルネックになりつつありました。

「オンプレミスのままですと、定期的なメンテナンスや数年単位での機材の入れ替えなどでどうしても職員の作業が発生してしまいます。その負担を減らすために、学内のサーバーを順次クラウドに切り替えていくことにしました」(法人本部法人経営企画局コンピュータシステム部 副部長 嶌田史人さん)

システムの保守から業務用のPC整備まで日々の対応に追われていた状況に対し、吉田学園は22年1月から新しい校務システムおよび学習管理システム(Learning Management System。以下LMS)に関する学内チームを立ち上げます。クラスメソッドはその選定から同校の支援を始め、同年7月には国立大学を含む数万人規模の教育現場でも利用実績があるAWSを採用し、導入するシステム・アプリの仕様を決定。23年3月の既存環境の契約満了に合わせる形で学内のオンプレミス環境をAWSに移行し、運用を始めました。

「開始から約1カ月でサーバーの切り替えが完了しました。通常であればハードの調達だけでも数カ月はかかるので、このスピード感で切り替えができたことは非常にありがたかったです。AWSのベストプラクティスに則ってセキュリティホールを事前にふさいだり、AWS WAFをはじめ複数のアプリを自前ではなく一つの管理画面で使用できるのも便利ですね」(嶌田さん)

部分的にスタートしたAWS運用について、さっそく物理的な作業からの解放、安定感からの人的なコストカットを実感いただいています。これまでは機材調達も含めて属人化していた情報システムの管理も平常時は「ログ確認で週1時間ぐらい」(嶌田さん)と大幅に削減されています。

校務システムとLMSによるデジタル化

インフラの切り替えと同時に、吉田学園は学務・総務システムのCampus Plan、LMSのWebClassをそれぞれ導入しました。

Campus Planは各校がそれぞれ異なる形で点在し、職員が属人的に管理していた体制を1つのプラットフォームに集約。同時に学生自身もポータルから履修状況等の申請や確認、保護者による学生の出席状況確認なども可能です。「以前は職員が手入力で行っていた学生の履修登録も、学生が自身でできるようになり、職員の負担が減り業務効率は大幅に向上しました」(嶌田さん)とのこと。なお今回の導入にあたって吉田学園はCampus PlanをSaaSではなく自環境に導入しカスタマイズしており、その連携にあたって提供元とクラスメソッドで調整を重ねました。

学校法人吉田学園 そして遠隔授業やオンデマンド動画配信を行うLMSは、コロナ禍で利用機会の増大にともなって従来のサービスから「より機能性・拡張性の高いLMSを」と検討していたところでした。

吉田学園情報ビジネス専門学校の校長でありグループ他校のLMS活用を監修する橋本直樹さんは

「EDIX教育総合展(注:教育分野の大型展示会)などで実際に見た上で機能性からWebClassの採用を決めました。学生には実習前の動画視聴や日々の小テストの作成と成績管理、模擬試験の作成など、アダプティブラーニング型で効率よい学びを提供でき、教職員にも試験の採点・集計の自動化など効率化がはかれます」

とさらなる活用に意欲的です。AWSとの親和性が高いWebClassは導入もスムーズに進み、実務においてもCampus PlanへログインしてWebClassへのシングルサインオン認証となる仕組みからシステム面での業務改善を支える基盤となっています。

さらなるクラウド活用の伴走相手に

AWS基盤への移行、校務システムとLMSの刷新を通じて教育・業務それぞれの改善のスタートを切りました。

学校法人吉田学園 「新しいシステムの活用度合いについては、まだ学校間で差があります。今後は、活用を学園全体に広げていくと同時に、残されたオンプレ型サーバーのクラウド化も進めていきたいですね」(嶌田さん)

「出欠管理だけでも各学校によって使い方が異なるので統率する側は大変だと思いますが、どこも先生がたが望むのはやはり1分1秒でも多くの時間を学生に割くことです。それを実現できるならツールは関係なく協力してくれると思います」(橋本さん)

さらに柔軟な教育の現場を目指すなかで、伴走する技術パートナーからの提案に対する期待値はどういったものになるでしょうか。

「教育業界の特殊な性質も含め、こちらの業務を理解して改善につながる提案をしてくれるベンダーさんがうれしいです。今回クラスメソッドには色々な面で高い技術力を感じました。用語がわからなくて検索してもクラスメソッドのサイトにたどり着きましたし(笑)。そうした情報発信や実績もそうですし、今回のスピーディーな対応やCampusPlanの導入でうまくいかなかった部分の調整もなんとかしてくれたことで信頼できました」(嶌田さん)

今後はAWS化をさらに推進しながら、稼働中のシステムに対するAWS Auto Scalingなどのコスト最適化を検証するなど、様々な見直しを進めていく吉田学園。その進化を今後もクラスメソッドは陰ながら支援してまいります。

クラスメソッド教育・研究環境支援について

この事例はクラスメソッドの文教専任チームによる学校や研究機関向けの技術支援を行っています。クラウドの利用など様々な課題について、経験豊富なメンバーがお客様を支援いたします。

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