AWSのコスト削減に有効!「リザーブドインスタンス」基本と注意点

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使った分だけ支払う“従量課金”が基本のAWSですが、使い続けるとそのコスト負担が課題になることも。少しでもコストを削減できないか……と考えるなかで、解決策として挙がるのが「リザーブドインスタンス(RI)」です。最大72%もの割引を受けることができ、大きなコスト削減効果を期待できる一方、いくつか制約があり、利用には注意が必要になります。本記事ではリザーブドインスタンスの基本からメリット・デメリット(注意点)などを解説します。

AWSの「リザーブドインスタンス」とは

リザーブドインスタンスとは、長期間の利用を予約(リザーブ)することで、大幅な割引を受けられるサービスのことで、Amazon EC2やAmazon RDSなどのサービスが対応しています。

一般的な課金方式である「オンデマンドインスタンス」では、実際にインスタンスを利用した時間などに基づいて課金され、使った分だけ支払いますが、リザーブドインスタンスでは事前にリージョンやインスタンスのスペックを指定し、1年または3年の期間で予約。これにより最大72%オフという大幅な割引価格が適用されます。割引率は様々な要素によって決められており、例えば、1年よりも3年のリザーブドインスタンスの方が高い割引率が設定されています。

リザーブドインスタンスの種類

リザーブドインスタンスは「スタンダード」と「コンバーティブル」の2種類あり、それぞれ制約や割引率が異なります。ですから、自社の要件にあわせて選ぶことが重要です。

スタンダード

インスタンスのスペック(インスタンスファミリー)など、購入時の内容から変更することができませんが、割引率が高く、最大72%の割引が適用されます。

コンバーティブル

元のリザーブドインスタンスの価格と同等以上であれば、インスタンスのスペックやテナンシー(共有 or 専有)、プラットフォーム(OS)を変更(該当するリザーブドインスタンスと交換)できます。最大54%の割引が適用されます。

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リザーブドインスタンスの特長・ユースケース

リザーブドインスタンスの特長をひと言でまとめると、「利用期間が縛られる代わりに、割引を受けることができる」と言えるでしょう。長期的な利用が決まっているシステムについては、まずリザーブドインスタンスを利用できないか検討することをお勧めします。

インスタンスのスペック変更にも制約がありますから、24時間365日稼働が求められる基幹システムなど、安定的に稼働していて求められるスペックが大きくぶれないケースや、需要が安定しているケースで有効です。また、必要なときだけ稼働するような検証環境ではなく、常時稼働させるシステムでの利用に適しています。もちろんエンドユーザに提供するサービスの基盤として利用するケースも多く、ユーザ数が大きく増減しない安定したサービスでの利用が目立ちます。

リザーブドインスタンスのメリット・デメリット

リザーブドインスタンスのメリットは、費用・支払い面で大きく2つ挙げられます。

コストを抑えられる

ここまで紹介してきたとおり、リザーブドインスタンスは割引価格で利用でき、コストを抑えることができます。

支払い方法を選べる

リザーブドインスタンスの支払い方法は初月に全額を支払う「全前払い」、初月に一部を支払い、残りを毎月支払う「一部前払い」、費用を期間で等分し、毎月支払う「前払いなし」の3種類が用意されており、予算などを考慮して選べます。

3年分のリザーブドインスタンスを購入する場合など、金額が大きくなり年度予算で対応しきれないというケースも出てきます。「全前払い」がもっとも割引率が高くなりますが、予算とのバランスなどを考慮して、社内で承認を得やすい形を選べる点はメリットと言えるでしょう。「前払いなし」とすると、毎月支払いが発生するものの、オンデマンドインスタンスとは異なり、支払う金額が事前に確定するため、予算を立てやすくなります。

一方、リザーブドインスタンスの各種制約はデメリットとなります。

誤って購入してもキャンセルできない

リザーブドインスタンスは購入後のキャンセルが一切できず、誤って購入した場合にも払い戻しなどはできません。別リージョンで購入してしまった、インスタンスタイプ(スペック)を間違えたなどのミスがあってもキャンセルできないため、購入時には注意が必要です。

柔軟性が下がる

AWSは「柔軟に構成を変更できること」がメリットですが、リザーブドインスタンスでは事前にある程度スペックなどを固定することとなるため、「ニーズが増えてきたので拡張したい」などに対応できず、柔軟性が下がってしまうこととなります。需要の増減が見込まれるシステムへの適用はお勧めしません。

サーバを休止しても課金される

購入後のキャンセル不可にも通じますが、リザーブドインスタンスは途中で解約することもできません。「なんらかの外部要因で急にシステムを休止することになった」などのケースで、無駄なコストが発生してしまうリスクがあることは認識しておきましょう。

リザーブドインスタンス、いざ使うときに気になるポイント

リザーブドインスタンスは条件などをきちんと理解し、マッチするシステムに適用することで、大きなコスト削減効果を得られます。しかし、いざ使うとなると不安も大きいもの。具体的に気になる点について、クラスメソッドの提供するAWS総合支援サービス「クラスメソッドメンバーズ」のサポートに寄せられたリザーブドインスタンスに関する問い合わせから、いくつかピックアップしてご紹介します。

Q. 本番稼働中のインスタンスに対して適用させたいのですが、再起動など何か作業が必要でしょうか?

稼働中のインスタンス側でおこなう作業はありません。リザーブドインスタンスは「割引の権利を購入する」といったイメージで、購入した権利が、条件に該当するインスタンスに自動で適用されます。

Q. 複数のAWS アカウントを利用しているのですが、間違えたアカウントで RI を買ってしまいました。取り消せますか?

上述したとおり、リザーブドインスタンスは購入後のキャンセルが一切できません。違うアカウントで購入したものを別アカウントに引き継ぐこともできないため、購入時にしっかり確認することが重要です。

Q. Amazon RDSでシングルAZのSQL ServerのRIを購入しました。インスタンスをマルチAZへ変更した場合はどうなりますか?

Amazon RDSではDBエンジンとインスタンスファミリーが同じであれば、シングルAZのリザーブドインスタンスをマルチAZインスタンスの料金に充当できる“柔軟性”が提供されているものがありますが、SQL Serverは対象外となっています。そのため、マルチAZに変更するとリザーブドインスタンスの割引は適用されなくなります。

「自分で購入するのは不安」という方には、リザーブドインスタンス購入代行も

大きなコスト削減効果を得られる一方、チェックするポイントが多く、間違えたらキャンセルもできないと不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

クラスメソッドによるAWS総合支援サービス「クラスメソッドメンバーズ」のプレミアムサービスでは、リザーブドインスタンスの購入代行も行っています。

企業ごとに稼働中のインスタンス情報をまとめた確認資料を提供し、「支払い方法」「インスタンスタイプ」「OS」「購入年数」などリザーブドインスタンス購入に必要な情報を記入いただくことで、お客様に代わってリザーブドインスタンスを購入します。古いインスタンスを選択していないか、稼働中のシステムで利用できるかなどをクラスメソッドで確認の上、購入を進めるため、「購入したのに使えない」などのリスクを抑えることができます。リザーブドインスタンス活用を検討されている方は、ぜひご検討ください。

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