AI駆動開発のワークショップを実施、本番環境のソースコードで課題を設定して実践的な知見を獲得

株式会社三菱UFJ銀行

市場企画部 市場エンジニアリング室 DX推進グループ 堀金哲雄次長、中村文彦様
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社
市場本部 田中副本部長(当時)、市場プロダクト開発部 須藤一真様、市場リスク部 新濱敦史様
株式会社三菱UFJ銀行
公開日:2026年8月17日
BEFORE
  • 独学でのClaude Code利用など組織としてのAI駆動開発が途上段階
  • 実践に向けたAI駆動開発の技術や知見の獲得が必要
  • 事業会社の連携によるシステム開発・運用体制の確立が必要
AFTER
  • Claude Codeを活用したAI駆動開発における体系的な知見を獲得
  • 事業会社の枠組みを超えた開発体制の連携強化、相互理解の深化
  • エンジニアのマインドセットの変化、事業部内への知見の横展開
  • 経営層のAI駆動開発に対する理解とバックアップ体制の確立

日本最大級の総合金融グループとして、さまざまな金融サービスを提供する三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)。AI活用による業務効率化を進める同社は、システムの開発期間短縮と品質の向上を目的に、クラスメソッドが提供する「AI駆動開発実践プログラム」を実施しました。十数名のエンジニアがClaude Codeによるコーディングを体験し、実業務に即した課題に取り組むことで実践的な知見を獲得しました。研修内容と成果について、三菱UFJ銀行の堀金さん、中村さんと、三菱UFJインフォメーションテクノロジー(以下、MUIT)の田中さん、須藤さん、新濱さんにお話を伺いました。

体系的な技術習得と組織変革を見据えてAI駆動開発の研修を企画

MUFGでは、市場ビジネスを支えるシステムの企画・開発・運用を、三菱UFJ銀行の市場企画部 市場エンジニアリング室(以下、三菱UFJ銀行)と、MUITの市場本部が担っています。三菱UFJ銀行市場企画部DX推進グループの約10名のエンジニアチームでは内製開発をしており、2025年7月ごろからClaude CodeによるAI駆動開発に取り組んできました。それから約8カ月が経過した2026年3月、体系的な技術習得を目的に研修を企画しました。その狙いは「客観的な知見の獲得にある」と堀金さんは説明します。

「AI駆動開発にClaude Codeを採用した理由は、品質や性能、管理のしやすさです。特に、お客様のデータを安全に扱うためのアクセス制御やネットワークの設計が柔軟にできる点を重視しました。以来、エンジニアが個人単位で活用してきましたが、今後の開発加速に向けて手法の見直しが必要と感じました」(堀金さん)

また、多岐にわたるシステムを開発している市場本部全体として、三菱UFJ銀行とMUITとの連携強化も課題となっていました。MUITでもAI駆動開発の重要性は認識しており、「組織に拡大する第一歩にしたかった」と田中さんは語ります。

「MUIT内でもコーディングエージェントを一部で導入していたものの、約200名の市場本部全体としては活用の途上にありました。そのタイミングで堀金さんから声がけをいただき、参加を決定しました」(田中さん)

採用の決め手は実践に即した研修プログラムをカスタマイズできる柔軟性

研修の実施にあたり、堀金さんは複数のベンダーのプログラムを比較検討し、過去にWebアプリの内製開発の支援を依頼した実績があり、三菱UFJ銀行の環境を理解しているクラスメソッドを採用しました。

クラスメソッドが提供するAI駆動開発支援は、Claude Codeをはじめとする主要なコーディングエージェントの活用を学ぶ座学に加え、実際に手を動かしながら技術を習得するプログラムです。講師は生成AIを活用した開発案件を手がけているエンジニアが務めるため、実践的なスキルの獲得が可能です。

「依頼の決め手は、研修内容が定型的でなく、希望に応じてカスタマイズできる点でした。私たちの目的はClaude Codeの使い方を学ぶことではなく、業務で使用するシステムを開発することです。そこでクラスメソッドに実践で直面する壁を乗り越えられるコンテンツの作成を依頼したところ、『できます』という回答をいただきました」(堀金さん)

株式会社三菱UFJ銀行 研修は、1日完結のワークショップとして2026年3月に実施しました。三菱UFJ銀行は市場エンジニアリング室でAI駆動開発を実践しているチームのメンバーが参加し、MUITはAI駆動開発をそれぞれの部署に展開できること、興味があること、実際に手を動かして取り組めることの条件を満たす8名を選抜しました。MUITの須藤さんは、「出たい」と自発的に参加したといいます。コーディングエージェントの利用経験があるMUITの新濱さんも、「これを機会に極めたいと思った」と語ります。

研修プログラムは、クラスメソッドとの綿密な打ち合わせを重ねて決めました。研修設計で堀金さんが重視したのは、実際のソースコードの活用です。

「実案件に即した課題を設定するため、本番環境のソースコードの提供をMUITに依頼しました。サンプルコードでアプリを開発する研修が多い中、実コードを使ってシステム開発や改善に取り組むことは大きな挑戦でもありました」(堀金さん)

さらに、AI駆動開発の重要性を組織全体で共有するため、両社の執行役員にもワークショップの見学を呼びかけ、最初と最後にコメントをもらうことで、組織としての取り組み姿勢を明確にしました。

8つのチームでAI駆動開発ワークショップを実施

ワークショップ当日は、午前中にAI駆動開発の概要やClaude Codeの主要機能を学び、Claude Codeを使った簡単な演習を実施。午後からは8つのチームに分かれて実課題に取り組み、最後に全体発表を行いました。

田中さんは成功要因として、実務に即したテーマ設定に加え、三菱UFJ銀行とMUITのメンバーがペアでチームを組んだ点を挙げています。

「MUIT側はClaude Codeに慣れていない参加者が多かったため、日常的に使いこなしている三菱UFJ銀行のメンバーと組み、ディスカッションを重ねたことで理解が深まりました」(田中さん)

一方、堀金さんは、参加者が手を動かすことで「実感を得ることができた」と振り返ります。

「最初は半信半疑だったメンバーも、AIでゼロからイチまで開発できることを理解し、成功体験を得られたことが大きいと思います」(堀金さん)

終了後のアンケートの結果、ワークショップの満足度は5段階評価で4点・5点が大半を占め、目的の達成度でも高い評価を得ました。

株式会社三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行から参加した中村さんは「非常に有益だった」と振り返ります。

「これまで独自に行ってきたコーディングエージェントの使い方を再整理し、体系的に学び直すことができました。研修を通じてMUITのメンバーとも認識を共有でき、コーディングエージェントの活用が、円滑なシステム設計につながることを実感しました。マネジメント層が参加したことも大きく、私たちの業務や成果を理解していただけたことで、今後の開発がよりスムーズに進むと期待しています」(中村さん)

研修を終えた現在は、ワークショップで得た知識を生かして業務での活用度を高めています。

「覚えたClaude Codeの機能を実務で使うようになり、活用の幅が広がりました。Claude Codeは複数のセッションを立ち上げ、サブエージェントも活用できるため、並列作業にも適していると感じています」(中村さん)

株式会社三菱UFJ銀行 MUITから参加した須藤さん、新濱さんもそれぞれ研修の成果を実感しています。

「私はトラブル対応を担う専門部隊の立場として、迅速なインシデント対応と改善活動へのフィードバックにClaude Codeを活用する目的で参加しました。結果として、ソースコードの改善がトラブル対応に有効であるという手応えを得ることができました。また、メンテナンスが難しいドキュメント作成にも効果があると感じています。基礎から学び、課題に取り組み、最後に結果を発表するプログラムもわかりやすく、各チームの発表会からも新たな視点を得ることができました」(須藤さん)

「私はプロジェクトマネジメントの立場から、コーディングエージェントを実案件に適用した際の効果を検証する目的で参加しました。ソースコード全体を読み込ませた上で、特定の機能について質問したところ的確な回答が得られ、マネジメントにも有効であることがわかりました。数百ファイルに及ぶバグ修正も短時間で完了し、多くの課題を解決することができました」(新濱さん)

研修の内容については、参加者の知識に差がある中でも、幅広いレベルに対応した講義と、自社のプロダクトを用いた実践的なワークショップを評価しています。

「発表会では、本部長や副本部長などの関係者から良い評価を得られたこともモチベーションの向上につながりました。Claude Codeは今回が初めてでしたが、アウトプットの質が高く、大規模言語モデルの優秀さを感じました」(新濱さん)

研修企画者の田中さんとしても、1日という短期間で、参加したエンジニアが成長したことは期待を超える成果だったと振り返ります。

「マネジメント層からも『これはすごい』という声があがり、AI駆動開発の可能性と参加者の技術力を示す絶好の機会になりました」(田中さん)

株式会社三菱UFJ銀行

参加者が学んだ内容を各部署に横展開

ワークショップから約1か月が経過した現在、MUITの市場本部では参加者が学んだ内容を各部署に展開しています。その結果、組織全体のマインドセットにも変化が生まれつつあります。MUITの須藤さんは、研修の成果を資料にまとめて、チームと有識者に展開した結果、「Claude Codeを導入してほしい」という声が部署内に広がっているといいます。

「Claude Codeで得られた高品質のアウトプットは、積極的に共有しています。今後はチームにとどまらず、業務本部全体へAI駆動開発を広げていきたいと考えています」(須藤さん)

三菱UFJ銀行としても、MUITとの共同研修により、会社の枠を超えたコミュニケーションがより生まれ、連携が深まった点を評価しています。

「トップレベルの経営層から理解と支援を得られたことも、今後の推進加速において大きな成果となりました」(堀金さん)

AI駆動開発の本格化によるエンジニアリングの高度化を推進

今回の成果を受け、三菱UFJ銀行とMUITはそれぞれAI駆動開発を本格化し、今回の参加メンバーを中心に部門全体に展開していく予定です。

「今後はより多くのメンバーに広げるためのスキルトランスファーを進めていきたいと考えています。クラスメソッドには、継続的な支援をお願いします」(田中さん)

「今回の取り組みにより、幸先の良いスタートを切ることができました。この成果を維持・発展させるため、最新情報にキャッチアップしながらエンジニアリングの高度化を図っていきます。ビジネスの企画や開発現場では、今後もAI活用が拡大し続けることは間違いありません。クラスメソッドには、Anthropic社との連携から得られる先進的な知見の提供を通して、私たちがフロントランナーであり続けるための協力を期待しています」(堀金さん)

総合金融グループとして高いシステム要求に応えるべく、AI駆動開発の加速に踏み出したMUFG。クラスメソッドは、その取り組みを引き続き支援してまいります。

Claudeの組織導入やAI環境構築はクラスメソッドにおまかせください

クラスメソッドはお客様のClaude導入を様々なフェーズにも応えられる形で支援しています。ハンズオン講習会の企画・開催からClaudeを全社的に利用するためのポリシー策定やガバナンス設計、AWSインフラの構築まで、組織のClaude利活用をお考えの際はお気軽にお問合せください。

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